Reflection(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「いい、ですか。」

 

奏はさくらを見た。

 

「・・あたしに許可取らなくてもいいよ。 言ったでしょ。 『約束』は続くよ。 レッスンをしなくなるってだけで、あたしはあんたがどこに行っても『先生』のつもりでいるから、」

 

さくらは笑顔だった。

 

「や、あたしじゃなくてさ。 ひなたにもちゃんと言わなくちゃ、」

 

いきなり振られて

 

「え、あたし?」

 

ひなたはきょとんとした。

 

「や、あたしはとっくに覚悟できてるし。 今だって別にしょっちゅう会ってるわけじゃなくて、ほんと月に1回とか2回とか? 今はスカイプとかもあるし、そんな・・」

 

そう言ってるうちに、また胸がいっぱいになってきてぽろぽろと涙をこぼした。

 

「ひな・・」

 

「や、ほんと! 悲しいとかの涙じゃないから! ぜんぜん、ちがうから!」

 

ひなたは慌ててハンカチで顔を抑えた。

 

それを見たさくらもじわっと来て泣けてきた。

 

 

「・・だから。 親として。 こんなん見てられるかって思うやん、」

 

志藤は、はあああっと息を吐いた。

 

「・・会えなくても。 すぐそばにいるのと・・遠く離れるのは。 やっぱり違うと思う。 でも。 あたしも・・絶対頑張るから。 なんとか頑張って。 勉強して。 大学も・・入るから。 カナ、いつか・・おれたちの時間を止めないでって言ったでしょ? ずっと・・お互いの時間は動いてるから。止まってちゃ、ダメだよね。」

 

娘が

 

大好きな人との別れがつらくて泣いている。

 

こんなシチュエーションが実際自分の身にふりかかるなんて

 

夢にも思わなかった。

 

 

 

 

「そうかあ。 そういうことやったんや、」

 

その後、さくらは南が外出から戻った所でその話をした。

 

「ま。 この前フェルナンド先生と会った時から。 あたしは少しずつ覚悟はしてたけどね。 高校を卒業するまで、って勝手に思ってたけどもうカウントダウンは始まってるんだなって。 きっと今度の公演でも・・奏は立派に務めると思う。 ほんとね、すごいスピードで変わっていってるもん。 まぶしいくらい、」

 

さくらも少し複雑そうな表情を浮かべながらも、安堵の空気も漂わせていた。

 

「フェルナンド先生なら。 あたしも志藤ちゃんもよく知ってるし。 預けても大丈夫やと思うよ。」

 

「うん。 ・・よく考えたら。 たった2年くらいなんだよね。 あの子といたのが。 信じられない。 もっと昔から一緒だった気もするし。 そのくらい・・濃かった時間。 あたしも指導者としてあの子に成長させてもらったって思ってる。」

 

「奏はまだまだこれからなんやから。 いつでもあたしたちは支えてあげたいよね。 どこに行っても、」

 

南は彼女を元気づけるようにぽんと背中を叩いた。

 

娘の涙に志藤の心は揺れます。それでもみんなが奏のためを思い・・

 

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