PERが低いシクリカル | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

もし、PERの観点からやや割高に感じるディフェンシブ株を持っていて、PERの観点からかなり割安に感じるシクリカル株(景気敏感株・循環株)に乗り換えを検討している方がいらっしゃれば、ちょっと冷静に考えるべきポイントがあります。もうずいぶん昔、リーマンショックの直後、こんな記事を書きました。

 

もう循環株を買うの?2008.10.21

 

このまま新型コロナの猛威が続けば、多くのシクリカル株は赤字か、赤字ギリギリになってしまいます。「ということは、企業価値はマイナスや0になるのか?」と聞かれそうですが、そうはなりません。投資家はどこかのタイミングで、(短期的な収益を根拠とする)PERで企業価値を計るのをやめ、本来その企業が持っている長期的な収益からあるべき企業価値を計るようになります。

 

赤字ギリギリになってくると、PERは非常に高い値を示しますが、そのタイミングがシクリカル株(景気敏感株)の買い時だと、ピーター・リンチは教えてくれるのです。(その代表が不動産株と言える。)

 

旧来の収益予想から、PERがとても割安に見える銘柄があるかもしれませんが、来期の予想PERは信じられないことになってしまう銘柄が続出することでしょう。それどころかほとんどの企業は通期見込み数字を出せないと思います。腹を据えて、5年でも10年でも持ち続ける覚悟をきめて買い向かうというなら話は別ですが、「数か月で儲けてやろう」くらいの軽い気持ちで、一見割安な循環株に乗り換えることは、さらに傷口を広げる可能性がある危険な行為であるということを心に留めておくと良いでしょう。

 

尚、ディフェンシブ株はこの評価方法の対象外ですので、区別して考えてください。