近年、心理学の知見やAIが投資に応用されるようになった結果、(中略)、短期的な株価は投資家の心理ばかりを反映し、実際の企業業績とは無関係に動きやすくなっている。ペナントレース的な積み上げ思想は捨て去らなければならない。
~エナフン流株式投資術~
私はこの本の中で、プロ野球のペナントレースと、株式投資の違いを説明しました。プロ野球の場合は、勝率と最終結果は完全に一致します。残り10試合の最終局面で勝率40%を下回るようでは、リーグ優勝はあり得ません。
ところが、株式投資の場合は、全く違います。騰落率40%でダダ下がりを5か月と3週間続けたとしても、最後の1週間に急上昇を連発し、5か月3週間分のマイナスをすべて取り返し、逆に大きな利益をもたらすこともあるのです。
今年の2月から3月にかけてはコロナの影響で、パニック売りが大量に溢れ、そこに投機的な動きも手伝って、一時、すごく下がりました。けど、騰がるのはもっと早かったですよね・・・。
以下は私の保有するグリムスという株の値動きなんですが、こんな感じです。
こうやって、冷静に過去を振り返ると、「株なんてこんなもんだろうね。業績さえ順調なら、短期的な値動きなんて気にしなくて良いんだ…。」などと冷静に語れますが、実際に毎日毎日下げまくってたコロナパニック下では、「このまま永遠に下がり続けるのではないか?」という不安心理で、ついつい売ってしまう人が続出しました。(だから下がった。)
ところが、想像を超える金融緩和で3月末に下げ止まると、そこからの反騰は急激でした。下げと上げのスピードに2度びっくりされた人も多いでしょう。
ちょうど今、本年度の第1四半期決算発表がピークとなっていますが、皆さん、悲喜こもごもの事でしょう。決算前に買って、騰がったら売り抜けるという発想で短期勝負を試みた初心者の方もいるかもしれません。が、騰がるはずの株が下がったり、逆にそれほどでもないと思っていたのに急騰したりで、何が何だかわからないことでしょう。
まぁヒントになるかどうか分かりませんが、私のような長期投資家は、決算直後に大きな買いを入れたりはしません。もっと別なタイミングでじっくりと仕込むのです。で、決算内容を見て、場合によっては買い増しも検討しますが、それにしたって、決算翌日に勝負するなんてことはしません。短期トレーダーの注文通りに、「彼らが放り上げた株を買うなんて恥だ」くらいに思っています。
で、「そろそろ短期トレーダーの集団が他に移ったな。」もしくは「騰がると思っていたのに逆に下がってしまい、小パニックで思わぬ大きな下げになった。これはおいしい。」等というタイミングで、買い増しを始めてみたりするのです。
業績が順調であれば、確かに株価は長期的には上昇します。しかし、決算直後は、期待や不安等いろいろな心理が錯綜しますので、すぐにそれが反映されるというものでもありません。長期投資には俊敏性はそれほど必要ないのです。
もう一点付け加えるとしたら、四半期決算の数字がどれほど凄くても、それだけでは長期的には騰がりません。その数字が先の明るさを示すものかどうかが、最も重要なポイントなのです。
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