犬をだましだまし連れて

家の周囲を歩いている今日この頃。

 

犬がリードに慣れるのが先か

己の太腿四頭筋と臀筋が

かつてない発達を遂げてしまうのが先か。

 

ともあれ犬、それも

子犬というのは目立つものらしくて

犬と一緒に道をトコトコ歩いていると

向こうから近所の人の車が来て

運転席の人と手を振りあって

・・・ここまでは

これまでもよくあった日常の光景。

 

犬連れで歩いていますとこの後に

自分の背後でブレーキ音が聞こえ、

振り返ると車がバックで戻ってきていて、

あるいは運転者が

転げるように車から降りてきていて

「ちょっと!犬!子犬!いつから

うちの村にその子犬は暮らしているのっ?」

 

犬と外を歩くようになって

3日目くらいだったでしょうか、

私を背後から追い越した車がそれと同時に

減速を始め、路肩に停車すると同時に

見ず知らずの奥様が運転席の窓から

「ちょっと!昨日、噂で聞いたわ!

その子あれでしょ、盲導犬候補生なんでしょ?」

 

結論:田舎の情報網は侮れない。

 

ていうか皆様さあ!

 

私一人が歩いていたら

手を振るだけで絶対にお終いだったでしょ!

 

つまり私より犬ってことね!

 

私は犬以下ってことね!

 

でもまあ仕方ない、私だってきっとそうする!

 

ところで我が家の前の公道は

最近再舗装されたばかりで

おかげさまでこの夏は

いわゆる『田園の走り屋』が大量に出没。

 

敷かれたばかりのアスファルトって

そういう趣味の人には

たまらぬ魅力がある物らしいです。

 

まあ周辺住民にとっては

基本的に迷惑なんでございますけど。

 

聞いた話では2つ3つ丘を越えたあたりに

出発地点兼ゴールが設置されていて

30秒の間を開けて2台の車が出発して

ゴール時のタイム差を競ったりですとか

ひどい時には「コースを3周して合計タイムで

勝敗決定」とかやっているらしいです、

頼むからサーキットに行ってくれ。

 

そういう車は見通しの悪いカーブをわざと

『ふくらんで』曲がってきたりする性質の悪さで、

どうして対向車が来る可能性に

思い至らないのか、という以前に

お前ら普通に運転下手だろ、と私は言いたい。

 

まあ上手な人はサーキットで技を

披露しますものねえ・・・

 

サーキットで恥をかきたくない

自称・運転上手が公道レーサーに

なるってことなんでしょうかねえ・・・

 

鏡を見ろ、お前は藤原拓海ではない

よくて竹内樹だ

 

そんなわけで村の道を歩いている時に

向こうからスピードを出した車が来る音がすると

反射的に身を強張らせていた私でしたが

犬を連れて歩くようになって

事態は劇的に変化しました。

 

『レース』ごっこに夢中になりがちな若者は

子犬にも夢中になりやすい傾向があるらしい。

 

カーブの向こうから粗暴運転の車が来るでしょ?

 

運転席の若者はすっかりいい気持になって

技術不足極まりないハンドルさばきを

『危険を顧みない格好いい俺』みたいに認識して

『僕の考える最高の決め顔』みたいな表情で

路傍の歩行者である私を斜めに見てくるでしょ?

 

・・・で、次の瞬間に私の足元に

黄色い子犬がいるのに気が付くでしょ?

 

車、すごい勢いで減速。

 

最徐行で私と犬の横を通り過ぎつつ、

ドライバー(性差別をする訳ではありませんが

ここまで私が近所で見かけた粗暴運転者は皆

若年の男性)はじっと犬を見詰め、口元は

「あ~ん、きゃわい~ん♡」みたいな形に緩んでいる。

 

助手席や後部座席にいる仲間が

「お前、何スピード落としてんだよ!」

みたいに文句を言う時もあるのですが、

そんな彼らも子犬の存在に気付くなり

「うわ~ん、超きゃわゆうーい♡」

 

Norizoさん、それ話を膨らましているでしょ!

と私の言葉を信じられないあなた、

子犬を連れて公道サーキットのわきを

一度歩いてみるがよろしい。

 

犬は、子犬は、我々素人が

計り知れぬ力を秘めているものなのです。

 

 

本当です。

 

 

犬ブログ化してからのこのブログは

お茶の間化しすぎだと思います、

毒も捻りも何もない、

もう少し読後感が悪い話もたまには!

というあなたはこの夏の読書に

『犬の力』を推薦図書として進呈したい

 

 

 

 

でもこれ、読後感はそれなりにいいからなあ

 

『犬の力』が愛読書なあなたも

子犬の力を信じるあなたも

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