本日は『ニャイター発ワン同』ではない

普通のニュースを話題にしたいかと。

 

・・・時事ネタは当ブログにおいて

基本的に不人気なんですけど

でも現在のこの英国の『EU離脱』をめぐる

社会・政治の熱い動きに関しては

一言書いておかないと

許されない気がするというか。

 

そんなわけでこの数日間、そうですね

この2週間くらいでしょうか、私と夫(英国人)が

毎日ニュースを確認して感心しているのは

メイ首相が今に至るまでなお辞任していないこと。

 

いえ、これは嫌味では決してなくてですね、

普通の一刻の宰相、一般的な首相なら

もうとっくに政権運営を放棄して

「すみませんでした、自分には無理でした、

これ以降の仕事は次の内閣にお任せします」って

開き直って逃げを打って当然の事態が

このところ続いているわけなんですよ。

 

たとえば現在の英国与党党首が

メイさんではなくて

某ボリス・ジョンソンさんだったらですね、

あの人ならそうですね、今回

ラーブ離脱担当大臣が辞任する(11月15日)前、

その前任のデイヴィッド・デイヴィス離脱担当相が

辞任を表明した(2018年7月8日)時点で

「閣僚がアホやから政権運営でけへん」とか言って

首相の座から逃走していたと思いますね。

 

 

 

(ボリス・ジョンソンに対する熱い風評被害)

 

いや、もうそれくらい今の第二次メイ内閣は

閣僚辞任が相次いでいる印象で、

先にも触れたように今年の7月、

デイヴィス離脱担当相が辞任した時には

一緒にボリス(外務担当)も辞めていますし、

それでまた11月になって

 

ラーブ離脱担当相と

マクヴェイ雇用・年金担当相が辞めて

こうした人たちの辞任理由が揃いも揃って

メイ首相が進めようとしている

『EU離脱の方針・計画』に

合意できないから、という純粋に政治的なそれで

ある意味見ていてとてもわかりやすいというか、

そうですよ、国会討論や

新聞の政治記事に私が求めるのは

こういう真面目で真剣な意見の応酬、

やれ『口利き』だ、それ『闇献金』だ、

そういう話も面白いし大事ですけど

でもやっぱり国会で議員が火花を散らすには

それにふさわしい

硬派な話題というものがあるわけで。

 

ところでこの英国の

『EU離脱の方針・計画』についてはですね、

私はこれ、『万人が納得できる』方針・計画の

策定は不可能だと思っているんですよ。

 

どの方向に舵を切っても、その判断に

異を唱える人々は絶対に存在するのです。

 

また、その選択によって今後

どんな結果が到来しても、

そこで不満を抱く人も必ず出る。

 

そんなわけで今、

英国の政治家として一番楽な行動は

とにかくメイ首相のやることなすことに

難癖をつけて批判すること、でございましょう。

 

そうしておけば

ある一定数の支持は獲得できますから。

 

それとは逆に、今、英国首相として

一番楽な選択は『辞任』であると私は信じます。

 

そんなことしたら政治家としての名に

傷がつく、という声もあるかもしれませんが、

安心してください、すでにメイさんは満身創痍です。

 

近頃のメイ首相に私が連想するのは

第一・第二エンジンが故障した大型旅客機を

嵐の中なんとか近場の草原か海原に

緊急着陸させようとしている機長の姿で、

もう必死になって計器と地図と

にらめっこをしているところに

本来であれば機長を補佐すべき

副操縦士や機関士が横から口を出して

「緊急着陸は危険ですよ、

滑走路を使う方がいいですよ」

「だから滑走路がここらへんにはないの!」

「・・・僕、先にパラシュートで

脱出させていただきますね、失礼~」

 

私が機長ならそんな副操縦士の頭頂部に

思いきり操縦マニュアルの角のところ

めり込ませたいところなんですが

メイ機長は正直そんなことをする

手間さえ惜しい状況なのではないかと。

 

だってとにかく今は飛行機を

飛ばし続けなくちゃならないわけですから!

 

どこかに無事に着陸させないと

いけないわけですから!

 

無事に着陸出来たら出来たで

乗客たちは文句をいうことでしょう、

もっと他に方法があったのではないか、

そもそもの見通しが甘かったのではないか、

機長の判断は誤っていたのではないか。

 

でもこの機長はさ、メイ首相はさ、

もともとEU離脱には懐疑的な立場で、

それを『しかし政治家ならば国民の声、

住民投票の結果に従うもの』として

ここまでEU離脱を押し進めてきたわけで。

 

ところで私はメイ首相の『声』を

ラジオのニュースを通して

耳にすることが多いのですが、

この人は己の『不安』が『早口』という形で

声に現れる人なのではないか、と

個人的に感じております。

 

この間(2017年6月)の総選挙の

選挙戦後半の頃など、意識的に

『余裕のある』風を装って声を低く、

威厳をもって発言しようとするものの

言葉がペラペラと上滑ってしまっていて

「あれはよくないと思うぞ。

聴き手に不安感を与える話し方だ。

『自分を不安にする』人間に

有権者はあまり投票しないものだぞ。

保守党の選挙対策委員か誰かに

その旨教えてあげたらどうだ」

 

厚意から夫にそう告げたところ、夫は

「でも保守党はすでに広告代理店だの

スピーチの専門家だのに多額のお金を払って

そういう指導をお願いしていると思うんですよね」

 

結局去年の選挙で保守党は

予想外の敗北を喫しまして、

そこから1、2ヵ月、メイ首相はやはり

私がその声を聞くたびにあの

『己の不安が声の速度に滲み出ている

話し方』をしてしまっていてですね。

 

これはメイ第2次内閣は

短期政権で終わるかな、と

勝手に予想していたところに

今回のこのEU離脱をめぐっての

さらなる揺さぶり、これはもう致命傷間違いなし、

メイ首相お疲れ様!でも後釜は誰になるのっ?

 

・・・ところがですね、皆様、最近の

メイ首相の『声』、お聞きになったことあります?

 

あの人ね、ものすごく優秀な

スピーチ指導員に鬼の短期特訓を受けたか、

あるいはここにきて完全に自分の立場に対し

『腹をくくった』様子でいらっしゃいますよ。

 

声に不安がまったく出ていない。

 

メイさんはもう多分、自分自身の

無傷での帰還を諦めたんだと思います。

 

誰がやっても非難される仕事、

たぶん報われることがほとんどない使命、

でも今自分が逃げても事態は絶対に好転しない、

貴重な時間だけが無駄に費やされ、

大英帝国が乗り越えるべき

苦難の波はさらに高くなる。

 

「地位にしがみついている」と嘲る人もいるだろう、

でもこうなったら誰かが

荒波に正面からぶつからねばならない。

 

義を見てせざるは勇無きなり。

 

彼女の立場を想像するだけで

私は自分の腸が捻転するような

ストレスを感じるのですが

(Norizoさんに限ってこの比喩は笑えない)、

明鏡止水の境地に入ったメイ首相に

怖いものなどもはやない、たぶん。

 

思うにあの人は今、己の評価だの

来期の仕事だの

今後の人生だのを超えたところで

『英国の首相たるもの、有事の際に

なすべきことは何か』という

その一点だけを考えて

行動しているように私には見えます。

 

歴史小説だと周囲と社会は

こういう指導者に率いられて

苦難を脱するものなのですが

・・・悲しいけどこれ現実なのよね。

 

 

 

英国のEU離脱、

その着地点はどこになるのか。

 

しかし我々は洒落抜きで

歴史の分岐点に立っておりますね。

 

2018年も残りもう1月とちょっとでございます。

 

 

どういうものか私はボリス・ジョンソン氏のことを

『首相の器ではない』と思っているようで、

いや、優秀な人だし宴席で会ったら

絶対に楽しい人だと思うんです、

でも何かしら、あの人にはその・・・

『逃げ癖』があるような気がするの・・・

 

党首選の時とか

EU離脱方針における閣内対立の時とか

「え、今?今そこでそういうことしちゃう?」みたいな

 

わが夫は割とボリスに好意的というか

「あの時は彼もああするしか

なかったんですよ」的なことを

言うんですけど、でも私は一国の宰相には

「こうするしかない、けど、そうはしない」みたいな

意地のようなものを求めたいかな、と

 

しかし声、話し方というのは大事ですね

 

今のメイ首相のあの『大衆を安心させる』声音、

あれは政治家として大いなる武器だと思います

 

わが国の安倍首相も実は

『弱気』が『早口』として出てくる方かと

 

(2017年の都議会選挙前とか

『ああ!早い!早い!』という感じであった)

 

絶対に『気持ちゆっくり目』に喋った方が

安倍首相には格段の風格が添えられますので

自民党の広報担当者は

今後気を付けてくださるように

 

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