コロナ対策としての

外出制限令が

段階的に緩和されている

英国でございます。

 

スコットランドの方針としては

「イングランドの

様子を見つつ」というか、

飲食店や宿泊施設の営業なども

イングランドがこの土曜日に

再開を許可したのに対し

スコットランドは

15日を解禁日としていて

・・・まあ戦略として

賢明ではありますよね。

 

しかしまあ

パブは開いていなくとも、

レストラン店内での飲食は

まだ不可能とは言えども、

この土曜日くらいから

スコットランドの雰囲気も

だいぶ厳しさが緩んだというか

我が家のそばの『森』の駐車場も

おかげさまで週末からこっち

連日かなりの混雑具合です。

 

さて本日もいつものように

朝食の後にその森に

散歩に出かけた私と

名犬アーシーでございましたが、

自宅のゲートを出て

少し歩いたところに

赤いジャケットを着た

男女二人組の姿がありまして。

 

最初は近所の人かと

思ったのですが

どうも素振りがそれらしくなく

・・・こう、道を意味もなく

行きつ戻りつしている感じで。

 

隣の隣の村で数週間前に

『牧場を狙った空き巣』が出た、

ということを聞いていた私は

いざという時に対応できるよう

気をつけながら

そばに寄っていくと

その男女連れは

すたすたと向こうに歩き始め、

つまり私と同じ

森を目的地とするように。

 

あ、これは空き巣などではなく

近郊から歩いて来た

行楽客かしら、と考え直しつつ

森の入り口に入ってみると

駐車場はまだ朝早いにも

かかわらずなかなかの混み方。

 

このぶんだと散策路も

かなりの人出だろう、と

今日は森の『裏道』を歩くことに。

 

森の管理をしている人たちが

用具を置いている小屋が

森のはずれにありまして、

そこに向かう細道が

ひっそり存在するのです。

 

ふふふ、これが地元民の

強みというものよ、と

犬と一緒に

その道を歩いていたら

・・・あら、道の先を

例の二人組が歩いている。

 

この道の先は行き止まりで

用具置き場があるだけなのに・・・

 

まあその用具置き場の裏から

ほとんど草に埋もれた

けもの道を通って

丘の向こうの個人宅に行くことも

可能は可能なのですが

・・・そんなことをするのは

わが夫(英国人)とか

その個人宅の持ち主(健脚)とか

限られた人たちだけで・・・

 

あ、でもこの人たちが

健脚持ち主氏の『お客』という

可能性もあるか・・・

 

私の視線の先で二人組は

用具置き場にたどり着くと

そのまま踵を返して

こちらに戻ってくる様子。

 

ふむ、『人気(ひとけ)のない道を

歩きたい』人たちなのかしら?

 

だとすると結果的に我々が

彼らの『後をつける』形になったのは

悪かったかな、と思いつつも

すれ違いざまにそこは笑顔で

「おはようございます」

 

「あ、どうも、おはようございます」

 

そして続けて

二人組の男性のほうが

「あの、ここらへんで

『三角州見晴らし(仮名)』って

御存知ですか?」

 

『三角州見晴らし』・・・?

 

聞いたことはあるような・・・

 

家の名前かな?

 

あの健脚氏のお宅は

そんな名前だったかな?

 

いや、違う、そうだ、

「『三角州見晴らし』、

それは山の名前ですよね?」

 

「そうですそうです!

この近くなんですよね?」

 

「近く・・・というか、

あそこに見えるあの山ですよ」

 

私が指さしたのは

森の木々の向こう、

さらに池を越え、

『丘』をいくつか過ぎた先に

見えているその山頂。

 

「ああ、あれですか!

ありがとうございます」

 

「どういたしまして。

今日は山登りですか?

でもあの山、ここから歩くと

たぶん登山道に入るまでに

2時間くらいかかると思いますが」

 

「アハハ、そんなに遠いんだあ!」

 

そんな会話の後

我々はお互いすれ違い

私は用具置き場へ、そして

二人連れは山のほうへ。

 

私は用具置き場を一周すると

また来た道を戻ったのですが

そこでふとわきを見ると

・・・二人連れが

『三角州見晴らし』に向かうには

まったく正しくない

小道に入り込んでいる。

 

「へーいへいへい!

その道は違いますよ!」

 

「・・・えっ?」

 

あわてて道を引き返してきた二人に

「地図はお持ちじゃないんですか?」

 

「地図は持っていないです。

でも携帯はあるし!」

 

「・・・森の入り口のところに

駐車場があって、そこの看板に

ここらへんの地図が

載っていますから

それを見てから

動いたほうがいいですよ」

 

乗り掛かった舟、と

駐車場まで二人を案内した

私と犬でしたが

道々話を聞くとこの二人は

そもそもその駐車場に車を停めて

そして『三角州見晴らし』目指し

まず完全に見当違いの

村の車道を行ったり来たりし、

そして一度森に戻って

今度は思い切り逆方向の

用具置き場を目指したらしく。

 

よく見てみるとお二人は

それなりにお洒落な

『山歩き』用の

格好はしているものの

・・・この人たち、『手ぶら』。

 

水を・・・持っていない・・・?

 

本日スコットランドは

気持ちのいい晴天、

空気も乾いて日差しも素敵、

そこを片道2時間歩いて

そこから本格的な登山

(登って降りてで2時間は

たぶんかかる)を開始して、

で、山を下りてからまた

2時間歩いてこの

駐車場に戻ってくる気で?

 

あの、ここらへんは山奥なので

飲料・軽食を売っているお店は

車で20分くらい走らないと

影も形もないんですよ?

 

しかもあなた方、どうも

二人そろって

方向感覚が・・・その・・・

 

駐車場の地図を示しながら

「この地図のここが現在地です。

我々が出会った

用具置き場があるところがここ」

 

「いやだ、それは

勿論わかりますよ!」

 

わかっているはずがあるか、

わかっているなら

あんな方向に向かわんだろう!

という言葉をぐっと飲みこんで

「ここからまず森に入ります。

森を抜ける道はいくつかありますが

とにかくその向こうの池に出て、

で、池に沿ってこう歩いて、

途中に丘に向かう道が

分岐しますのでそれに入って、

丘を2つ過ぎたところに

『三角州:駐車場はこちら』という

案内がきっと出ていますから

そっちの方向に進んで、

で、三角州を抜けたあたりに

『登山道』という案内が

出ているでしょうから

そこから山を目指せます。

ここからそこまで、私の足で

たぶん2時間はかかります」

 

しばらくの無言ののちに

二人連れの女性のほうが

「あの・・・もしかしてその

『三角州駐車場』に車を停めて

山を目指したほうが楽・・・

というか近い・・・ですかね」

 

「向こうの駐車場のほうが

絶対に山には近くて楽ですね。

というか『三角州見晴らし』は

結構本格的な山ですよ」

 

「キャー!そうなんだあ!

じゃあアナタ、

車を移動させましょうよ」

 

「そうだね!いやご教示

ありがとうございました!」

 

いえいえどういたしまして・・・

とその場を離れて以来、

私はあそこで

「あなた方、水は

きちんとお持ちでしょうね?」と

くどく確認すべきであったか、と

後悔している私です。

 

まさか水を持っていない、

ということは

ないと思うんですけど!

 

・・・いざとなれば

山頂付近に水も沸いているし!

 

山を甘く見てはいけない、は

世界共通認識かと

思っていたんですが

どうなんでしょうか、本当に。

 

 

それは余計なお世話かな、と

躊躇してしまったんですよね

 

まあ今日は

登山客もかなりいたでしょうから

本当に危ないことになったら

近くの誰かが助けて

くれると思う、思いたい

 

ところで九州の大雨、

現地の皆様本当に

お気を付けくださいませ

 

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