第326話)「友だち」のレプリカはいらない | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?

人は、他者との関係の中で、喜びや幸せを感じるようにできています。

たとえば、自分が人類最後の一人だと想像してみてください。自分の周りに、食べ物や遊ぶものがたくさんあったとしても、そこにはなんの喜びもないことでしょう。生きる意欲さえ持てないのではないでしょうか。

「他者との関係の中で、喜びを感じる」ということは、そこに苦しみや悩みも生まれるということです。

思春期の子どもたちも、人間関係に悩んだり、不安を感じています。

 


<心の参観日>


そこで、中学生や高校生向けの「心の参観日」や「キャリア講演」では、次のような話をします。
 

*************************************

若い人たちが就活を始めると戸惑うことがあると、よく聞きます。

学校生活では個性を抑え込むことでサバイバルしてきたのに、就活を始めると企業から「個性をアピールしてください」「多様性を認められますか?」と言われるからです。

皆さんはどうですか? 学校では、仲間はずれにされないよう、個性を抑え込んでいるのですか?

たとえば、
「友達が少ないことは恥ずかしいこと」
「すぐに返信がないと友達じゃない」などと聞きます。

もし、そういう価値観やルールに縛られているとしたら、個性を抑え込んでいることになるのかも知れませんね。

「すぐに返信がないと友達じゃない」って変ですよね。

友達とは、同じようにふるまうことではなく、お互いの幸せを願う関係のことですから。

「多様性を認める」なんて言うと、なんだか難しそうですが、とてもわかりやすい言葉があります。

「みんなちがって、みんないい」です。

違いを認め合い、お互いの幸せを願い合える――そんな本当の友達。一人でも二人でもつくってください。

*************************************



多くの子どもたちが、次のような感想をくれます。

◆一緒につるんで話したりするだけが友達ではなく、違いを認め幸せを願い合う関係が、友達だとわかりました。これから、お互いを認め合い、幸せを願うような人ができたらいいなと思います。

ただ、次のような感想を書いてくれた子(高2)もいました。

◆「違いを認め合い、お互いの幸せを願い合う関係」と言っても、客観的に見ると薄っぺらで上辺だけの関係に見える。そんな関係で満足できるのだろうかと思った。自分も、人と関わることは苦手ではないが、「友達」と自信を持って言える人はあまりいない。本当に欲しいのは、上辺だけの関係ではなく本物と呼べる関係。それに似せて作ったレプリカはいらない。そんな理想的な本物はないのかも知れないが、探し続けようと思う。

私が話した「違いを認め合い、お互いの幸せを願い合う関係」でさえ、この子にとっては、レプリカに見えたようでした。その言葉の中に、「今の友だち関係では満たしきれない寂しさ」と「若者らしい、完璧を求める姿」を感じました。

人間関係であろうとなかろうと、「完璧」を求めれば満たされることはありません。苦しみ続けることになります。

その子には、次のように返事をしました。

◆君は、物事を客観的に見ることができ、それにいろいろなことを深く考えているんだね。
「薄っぺらな上辺だけの関係で、満足できるのだろうか」――私も同感だよ。
人間は互いに「個」の存在だ。分かって欲しい、分かってあげたいという思いがあっても、他の人の気持ちを完全に分かることはできない。だから、すべての人は、「寂しさ」を抱えている。その一方で、仲間の喜びを幸せに感じる遺伝子(幸せのDNA)を持っている。人類は太古の昔から、仲間で助け合うことで生き延びてきた。幸せのDNAは、生き延びるための遺伝子だと、私は思っているよ。
君は、「本物を探し続けよう」と思っているんだね。その気持で人と接する経験を重ねれば、「より深い喜び」「より大きな満足」を感じる人間関係を増やしていくことができると思うよ。「寂しさ」を持ち続けながらもね。
「完全に満たされる関係」なんてないだろう。でも、「より満たされる関係」は、探し求め続ければいいと思うよ。



子どもたちが、悩み、迷いながらも、多くの大切な人と出会い、幸せな人生を歩むことを願いながら……。 (完)

 

 

 

◆少しでも多くの人に見てもらえるよう「人気ブログランキング」に登録しています。
1日1回、ここをクリックして応援(投票)してもらえるとうれしいです。

 

 

◆ 「親も子も輝く子育て」の記事一覧
子どもへの接し方を少し工夫するだけで、子どもの目は輝き始めます。親も、優しい気持ちと自信を取り戻します。

 

 

◆ 「バックナンバーへようこそ」
過去記事をカテゴリーに分けて、読みたい記事を見つけやすくしてあります。

 

 

◆ 心に寄り添うメッセージ集~シリーズ「君へ」 
生きる希望を探している子どもたちに贈る、私からのメッセージ集です。
でも、子どもたちが一番求めているのは、お母さんやお父さんから、こう言ってもらえることではないでしょうか。

 

 

◆講演のご依頼をお受けします
子育て講演、PTA講演、生きがい講演、中高生向けのキャリア講演をうけたまわります。心あたたまる感動と、やさしい気持と、夢と希望をお届けします。

講演の詳細はこちら
講演に関連する記事一覧はこちら
講演のご依頼方法はこちら

 

 

◆みやた あきらの facebook はこちら