甘えには、4つのステージがあるという話をしました。( 第331話 )
ステージA)甘えなくもていい状態(しっかり自己肯定感を感じている状態)
ステージB)素直に甘えられる状態
ステージC)素直に甘えられない状態(赤ちゃん返りしたり、嫌われるような行動)
ステージD)甘えられない状態(殻に閉じこもって震えている状態)
思春期になって、「ステージC)素直に甘えられない状態」になることがあります。甘えを受け止めてもらえない経験の積み重ねや、辛い体験があった場合です。
赤ちゃん返りをしたかのようにべったり甘えてきたり、困らせるようなちょっかいを出してきたりします。親に暴言を吐いたり、理不尽な要求を突きつけてくることもあります。
これらは「甘え」の表現なのですが、素直な甘え方ではありません。「ステージD)甘えられない状態」からは一歩前進なのですが、親はとまどいます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、「泣いたら抱いてもらえる」という経験(甘えられる経験)を重ねるなかで、「この世界は安心できる場所だ」という基本的な信頼感覚を持つようになります。同時に、「私は、助けてもらえる価値のある存在なんだ」という、自己肯定感が育ちます。
お母さんが見えなくなると、泣いてお母さんを探していた子も、やがて、お母さんがそばにいなくても遊べるようになります。実はこれ、お母さんがいなくてもよくなったのではありません。
甘えを受入れてもらう経験を重ねる中で、お母さんが目の前にいなくても、心の中でお母さんを感じることができるようになったのです。
赤ちゃん返りをしたかのように甘える子は、「お母さんが見えなくなると泣いてお母さんを探す赤ちゃん」の状態に戻ったと考えられます。
ある高校生は、その時の気持を次のように話してくれました。
「親が自分のことを愛してくれているのは、頭では分かってる。でもまだ、心では納得できていないの」
確かに、頭で分かったとしても、心で感じられるようになるには時間が必要です。私は、そういう子どもには、次のように話しています。
「今は、頭で分かっているだけでいい。しっかり甘えればいい。もし甘えを受け入れてもらえない時には、『甘えを受け入れてもらえなかったけど、私はちゃんと愛されている』とつぶやいてごらん。心ではそう感じられなくても、そうつぶやいてごらん」
そして、お母さんやお父さんには、次のように話します。
「赤ちゃん返りをしてきたら、できるだけ甘えさてあげてください。もし、甘えさせることができない場合は、『○○だから、今はできないけど、あなたのこと、大好きだよ』と伝えてください」
スキンシップも有効です。お勧めは、できるだけ長い時間ハグする「じんわりハグ」です。
君へ(49) 抱きしめてもらってごらん
母と娘の関係の場合は、添い寝も有効です。
スキンシップは、「愛されている」と心で感じる手助けをしてくれると考えると、分かりやすいと思います。
では、親を困らせたり、暴言を吐いたりする場合は、どうすればいいでしょうか。( 「第333話」へ 続く)
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