広島市内のこども園で、子育て通信「えがおがいっぱい」を発信しています。保護者からは、「これまで怒ってばかりだったけど、違う接し方ができるようになりました」など、うれしい声をいただいています。その第7号(2020年10月号)です。
「上の子優先」とよく聞きますが、何をどう優先すればいいのでしょうか?
「上の子優先」は、その言葉どおりにとらえるのではなく、「上の子も、ちゃんと見てあげてね」という意味だと考えるといいでしょう。
「下の子はまだ記憶に残らないが、上の子は傷ついた記憶が残る年代だから、上の子優先」と勘違いしているママもいるかも知れません。
子どもの心の成長は、生まれ落ちた瞬間から始まります。私が子育ての時代には、「抱き癖がつくから泣かせておきなさい」などとまだ言われていました。でも今は違いますよね。「スキンシップが大事」に変わってきました。泣いたらちゃんと応えてやることが大切だとわかったからです。
赤ちゃんというのは、「泣いたら応えてもらえる」という体験を重ねる中で、「私は守られ、安心できる世界にいるんだ」という基本的な信頼感覚と、「私は助けてもらえる価値のある存在なんだ」という自己肯定感が育ちます。
そのようにして、人間はこの世に生まれ落ちるとすぐに、なんと言葉を学ぶより前に、信頼や愛情の感覚、自己肯定感を、心の奥深くで学び始めるといわれているのです。
下の子が生まれると、上の子は必ずやきもちを焼きます。赤ちゃん返りをしたり、下の子にちょっかいを出したりしてママを困らせます。
上の子のやきもちは、人として自然な感情です。中には、そういう感情を持つとママに嫌われるとか、ママを悲しませると思い、心の中に押し込めてしまう子もいます。 それに比べると、感情を行動で表すことができるのは、親子の信頼関係があるということですから安心してください。
時間は短くてもしっかり甘えさせてあげると、「ママはぼくのことも大好きなんだ」と安心し、気持ちも落ち着きます。
ママとしても、無条件に甘えてくる下の子はかわいいけれど、思い通りにならない上の子にはイライラを感じます。「上の子をかわいいと思えない」と悩んでいるママは多くいます。
「子育てに疲れている時」「頑張り過ぎている時」です。ご自身を責めないで、まわりに助けを求めてください。
1)どちらを優先するかは、緊急度を見て、ケースごとに決めればいいでしょう。
上の子は待つことができるので、多くの場合下の子を優先することになります。上の子を待たせた時には、後で、「待っててくれてありがとう」「待たせてごめんね」などのフォローの言葉をかければ大丈夫です。
2)上の子がやきもちを焼くのは、当然の気持ちです。ネガティブな気持ちも認めてあげてください( 子育て通信 vol.5 )。
「そうか、うらやましかったんだね、さびしかったんだね。ゆっくり遊んであげる時間がなくて、ママも寂しいな。大好きだよ」と安心させてあげてください。
3)1日5分でいいので、「ぼくだけのママ」の時間を上の子と持つといいでしょう。
二人っきりで、膝の上に抱っこする、話したいことがあるようなら聞いてやる、「大好きだよ」を伝えるなど。
赤ちゃん返りも心配いりません。しっかり甘えさせてあげてください。
(「子育て通信07」完)
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