そしてまた突然やってくる小さい嵐の様に気持ちを揺らす人。

私は真っ直ぐに彼の顔を見る事が出来ない。

なかなか目を合わすことが出来なかった。

彼の視界に自分が入ることさえ恥ずかしいと思う程

美しかったから。


美しい人には2種類あって自分の美しさを愛していてまた傍らに置きたい相手にも自分以上の美しさを求めてる人。

もう一つは自分の美しさに拘りなく見た目の基準はない人。

彼は後者だった。


それよりも何よりも気持ちの解放出来る相手を慕っていたから。


他の人にはわからないその彼の解放区に入れてもらえたことが私はうれしかった。


柔らかくもあるけど時に鋭く強い表情を見せる時がある。
その時の彼がぞくぞくする程好き。

体は今までの人たちとは違う。

顔の繊細さとは違って厚みがある強い体だった。

けれど手指はしなやかで。
ごつさのある肩や胸のラインとは対極だった。


いつも甘えていたい人。
可愛い子犬のように飛び回りまとわりついて。

そしていつも彼の中にすっぽりと私を棲まわせて。
目を瞑ったまま笑う彼の口の形が私は大好きだった。
こんなきれいに笑う人をほんとに今まで見た事がないと思う。


純粋さと大胆さを合わせて持ち、
真っ直ぐな人。
だけど時々理解不可能。
彼の世界は彼の世界だけで回っている。
見ていて面白い。
それに戸惑う程私も若くないから楽しめる。

自由と謙虚を相手に寄って上手く使い分ける。
私は彼にとって自由の枠の中にいたいなと思う。