〜マスクや衣類の擦れによる皮膚の脆弱化メカニズムを解明〜


皮膚には皮膚内の水分の蒸発を防ぐ機能があると同時に、外部からの薬剤や細菌、ウィルスの浸透を防ぐバリア機能もあります。

摩擦刺激を受けた皮膚ではバリア機能の喪失(脆弱化)が生じることが知られていましたが、その仕組みは明らかにされていませんでした。

今度、東北大学大学院工学研究科の菊地謙次教授、石川拓司教授らの研究グループは、皮膚表面に摩擦刺激を与えると皮膚最上層にある角質層の角化細胞に微小なひずみが生じることを発見し、摩擦刺激による皮膚の脆弱化メカニズムを力学的解析を用いて明らかにしました(2020年8月20日リリース)。

新型コロナウィルスの主な感染経路は飛沫や接触であるためマスク着用が推奨されておりますが、長時間のマスク着用により脆弱化した皮膚にウィルスが付着すると、様々なウィルス感染のリスクが懸念されます。

本研究で明らかになった仕組みにより皮膚への摩擦刺激のコントロールが可能になれば、バリア機能が失われた皮膚から様々なウィルス感染を抑止する新たな感染防止策として貢献することが期待されます。