ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

レヴォリューション (Revolution)

2020年07月01日 | 名曲

【Live Information】


 ぼくをロック・ミュージックに導いてくれた人のひとりに、年の離れた従兄がいます。
 その従兄は、「ビートルズの中で一番ロック・スピリットがあるのはジョンだ」と教えてくれました。
 それは多分、ジョンが、ロックの特徴である「体制への反抗」「大人が主流である社会に対して反乱を起こそうとする少年」などを体現していた、いわゆる「とんがった存在」だったことを含めてのことだと思います。


 じっさいジョンの発言には独特のユーモアがありましたが、とても率直で、辛辣です。
 なかでも有名なのは、「安い席の方は拍手をお願いします。それ以外の方々は、すみませんが宝石をジャラジャラさせてください」「僕たち(ビートルズ)は今やイエス・キリストより有名だ」といったところでしょうか。
 そのほかにも積極的に政治的発言を行っていたことはよく知られています。


 ビートルズの曲の歌詞は、ラブ・ソングはもちろんですが、キャリアを積むごとに哲学的だったり世相について言及したり、つまりしばしば彼らからのメッセージが込められるようになりました。
 もともとナイーブかつ自己主張の強いジョンの作品にはとくにその傾向が強いんじゃないかと思います。
 とくに1960年代後半になると、そういう曲がいたって目立つようになります。
 その中のひとつが「レヴォリューション」です。
 もちろん「レヴォリューション」も中学生時分から聴いていた曲ですが、なぜか今ごろになって再びドはまりしてしまい、iPodのプレイリストに入れては日々聴いているところです。


 「レヴォリューション」は、ジョンの代表作のひとつです。
 1968年に、あの「ヘイ・ジュード」とのカップリングでシングル・レコードとしてリリースされました。
 作者クレジットはレノン=マッカートニーとなっていますが、実質的にはジョンが書いたもので、「ヘルター・スケルター」や「ドライヴ・マイ・カー」などと並ぶ、ビートルズが生み出したハード・ロック・ナンバーのひとつです。



 

 特徴は、ノイジーなギターと、リンゴの重いバス・ドラム。
 「ハード・ロック」の萌芽期ともいえるこの頃ならではの荒々しい演奏が、かえって瑞々しく感じます。
 そして、ワイルドでエキセントリックなボーカルは、まさにジョンの真骨頂。
 それに加えての、ニッキー・ホプキンスの弾くピアノ。R&B色豊かなプレイが際立っていますね。
 メッセージ色の濃い歌詞も特徴のひとつといえるでしょう。


 曲の開始約5秒後から聞こえてくるギターがラウドである意味とてもパンクだと思っていたんですが、実はこれはジョンのシャウトだったんですね。ようやく最近になって知りました。


 とくに強調しておきたいのは、エンディングのジョンのシャウトです。
 エキセントリックでとにかく過激、これがたまらなくカッコいいんです。
 ジョンが連呼する「Alright」を聴いていると、いま何かといえば感じられる息苦しさ(自分の気に入らない意見を「批判」の名のもとに罵倒したり責めたり吊るしあげたり攻撃したり、という空気)を吹き飛ばしてしまいたくなるようなエネルギーが体内に満ちてくるんです。
 All Right!



【歌 詞】


【大 意】
君は革命が必要だと言う
みんな世界を変えたいさ
君はそれは変革だと言う
みんな世界を変えたいさ
でも破壊しようと語る君には賛成できない
世の中はいい方向へ向かっているのだから

君は本当の解決策があると言う
みんなそういう計画なら知りたいさ
君は僕に何を貢献できるか尋ねるが
みんなできることをやっているのさ
でも憎しみの心を持つ人々のために金を集めようとするなら
僕は君に、時期を待ったほうがいい、と言いたい
世の中はいい方向へ向かっているのだから

君は社会の構造を変えたいと言うが
みんなは君の頭の中を変えたいのさ
君はそれは制度を変えることだと言うんだけど
代わりに君の精神を変えた方がいいんじゃないかな
もし君が毛沢東主席の写真を持ち歩いているなら
革命を起こすなんて無理さ
世の中はいい方向へ向かっているのだから



◆レヴォリューション/Revolution
  ■シングル・リリース
    1968年8月28日
  ■歌・演奏
    ビートルズ/Beatles
  ■プロデュース
    ジョージ・マーティン/George Martin
  ■作詞・作曲
    ジョン・レノン & ポール・マッカートニー
  ■録音メンバー
   <ビートルズ>
    ジョン・レノン(lead-vocal, guitar)
    ポール・マッカートニー(bass, organ)
    ジョージ・ハリスン(guitar)
    リンゴ・スター(drums)
   <ゲスト>
    ニッキー・ホプキンス/Nicky Hopkins (electric-piano)
  ■チャート最高位
    1968年週間チャート アメリカ(ビルボード)12位
  ■収録アルバム
    ヘイ・ジュード
    ザ・ビートルズ1967~1970
    パスト・マスターズvol.2








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