どんなことにも
始まりと終わりがあって
その始まりと終わりには
人それぞれ少しずつ時差があるものですね。
日本とスイスの移動で
時差には慣れているはずなのに
いま、その始まりと終わりの時差の中に
1人ぽつんと漂っています。
ドイツのワイマールの音楽祭が開幕した7月半ば
私はジャパンの高尾に居た。
素敵な撮影チームとの作品創りは心震える時間で
身体も心も思いっきり高尾に居た。
(…そして「高尾のおかた」にはじまり回文にハマった 注※現在進行形)
もちろん、数ヶ月後や一年後のコンサートへ向けて練習を重ね準備をすることは日常なので
「ワイマール音楽祭で演奏している自分」
の想像は出来ていたが、音楽祭開幕の興奮とは程遠いところに居た。
…いま私の身体はダボス音楽祭へと移動し、
さらにチューリッヒへ戻りリハーサルの日々だが
私の心はワイマールのほうを
チラチラと見ている。
前回の記事にも書いた通り、講師/アーティストは自身の演奏以外にも様々なワークショップを見学・参加出来たので、
それはもう…有り難き幸せっ!!
とイディッシュダンス、イディッシュソング、中東音楽、ハシディックのワークショップやコンサート…その他諸々、空き時間を見つけてはせっせと通った。
朝はかなり苦手なのだが、どんなに遅く就寝しようとワークショップがある朝になるとぴょんと飛び起きて(ホテルの朝食ビュッフェをしっかりと頂き)、ホテルがある森から街まで毎朝20分歩いてワークショップへ向かった。
無心で歩くことって、時々必要ですね
様々なワークショップにてつくづく思ったのが
講師として呼ばれているにも関わらず、
クラシック界で学んできたこと以外、
知らないことが多すぎる!!!!!!
ジャンルという井戸の中で世界を完結させてしまうと、本当に大海を知らない蛙となってしまう
と思った。
Google海やYahoo!海でサーフィンが出来て
世の中の波にのれる時代。
大海の知ったかぶりも出来るが、
それはとても危険な航海であり、
自分が一番、後悔する。
私は、チェリストとしてお仕事をさせて頂いていて、東欧音楽クレズマーも演奏者することがきっかけで今回もこの音楽祭に講師/アーティストとして参加が叶ったが、
正直まだまだ井戸から顔を出してドキドキと大海を覗いているだけの蛙なのである。
実際にワイマールに来ないと
分からないことだらけだったし、
分かれば分かるほど
まだまだ分からないことばかりだ。
ヒトラーが演説をしたホテルのバルコニーと
ゲーテの庭の家は同じワイマールにあり
一日でその歴史を見ながら歩けた。
そんな時代に私は生かされているだけだ。
でも
こんなちっぽけな瞳蛙を信じて
大きなリスペクトと愛を持って音楽祭へ呼んでくれた音楽監督のアランはじめ、
コンサートでは鳴り止まぬ拍手と声援を送って下さった
ワイマールの皆さまに、
心から感謝です。
そして8月6日と8月9日には、
アランはじめたくさんのかたが日本への祈りを捧げずにはいられない、と日本人の私のところへ来ては静かに瞼を伏せてくださいました。
本当にありがとうございました。
イディッシュダンスを踊りすぎて
足のかかとの皮が派手に剥けたし、
真夜中ホテルの自販機でポテチを買う際に
右手人差し指を地味に挟んだけど、
(ドイツの自販機の取り出し口、重くて危険です…皆さまご注意を)
…かかとよりも指よりも
心の奥が、じんじんずきずきしています。
ここには書ききれない経験をさせて頂きました。
今回頂いた宝物は、
私だけが独り占めするものではありません。
ゆっくりと消化し、
皆さんと宝の山わけをしていけたらと思います。
(8/24、新宿朝日カルチャーセンターにてacc.佐藤芳明先生と共に講師を務めさせて頂きます、ここがたぶんワイマールで得た宝物の第1回山わけ大会になるかと思います。)
ちなみに。
今回の音楽祭公式カメラマンはモルドバ出身の美女カメラマン、シェンディ。
音楽祭の愛ある瞬間をたくさん切りとってくれました。
今回のブログで私が被写体になっている写真はもちろん全てシェンディの作品。
(ツーショットの自撮りもシェンディの携帯…自撮りなのにこのクオリティの高さよ…おおぉ)
同い年ということもあって意気投合し、気がつくといつも一緒に居ました。
モルドバの女性は世界一美しいと言われるのが納得!な絶世の美女シェンディですが、優しくて、中身が本当に美しいのです。
素晴らしい友達との出逢いに感謝。
美女シェンディをとらえた
瞳カメラマン渾身の作品どーーーん
(実際はもっともっと美女です)
そしてそんな愛しのシェンディ(母国語:ロシア語)がコンサート終演後にハグしてくれながら発した一言目
「ヒトミチカ〜〜〜〜!!!」
え!!!!!!!!
えええええ!!!!!!!!!!!
ヒトミ…
チカっすか!!!!!
※舞台「罪と罰」では
登場人物の女性の名前がソーニャ、ドゥーニャ等「〇〇ーニャ」が多かったので
ロシア語でのヒトミという名前の愛称語尾変化はヒーニャかと思いきや…
変化するならば〇〇チカなんですね
感動のハグのはずが、
思わず驚愕のハグになってしまいました。
(チカさんの場合、チカチカ…なのだろうか)
やはり、推測でものを語るべからず…