●いつもの行動
仕事から帰って、21時20分頃。
そーだ!コンビニへ行こう!
いつものように玄関のドアを開け
車のカギをピッ!としながら、車のほうへ。
何の変哲もない毎度の行動である。
●予期せぬ出来事
足を1歩、踏み出した次の瞬間
地面にひれ伏していた。
え?なに?
こけたの?
普通、こける時って
あっ!
って思うよね?
それで、手が出るもんだけど
こけた事に気づく間もないほど
一瞬の出来事だったんだ。
手も足も出ないとはこのこと。
●意味不明
なんでこんなところでこけてしまったのか
まったくもって意味不明だった。
しかし、幸いなことに意識不明ではなかったおかげで
自力で立ち上がることができた。
右の頬がヒリヒリする。
●流血
あたりは暗く、人の気配がなかった。
どうやら凄まじいこけ方をしたようだが
誰にも見られてなくてよかったと思った。
・・・なんて安心している場合ではなかった。
ポタポタポタポタ・・・。
どこから出血してるのか、とにかく顔から
真っ赤な血が流れていた。
手や足ならすぐに確認できるけど
顔だけに、見ようにも鏡なしでは無理な話で
ヨタヨタと玄関のドアを開け
ヨロヨロと階段をのぼりながら、チビに助けを求めた。
血を見てしまうと痛みが増してくるのは何故だろう。
痛いよ~
痛いよ~
おかんの顔、どーなってる?
●パニック
状況を把握できていないから無理もない。
チビ、パニック!
すぐにはるぴょんに電話をかけ、助けを求めていた。
これ、正解!
おかんが血、吐いとる!
え?吐いてないし・・・。
●砂利
雨上がりで地面が濡れていた。
ジャリ・・・
何かを噛んだ。
あぁ、砂利が口の中にも入ったんだ。
私、小石、食ってるのか。
指で口の中の石を出して、そこら辺にとばす。
イラン( -.-)ノ ・゜゜・。ポイッ
●確認
鏡だっ!
傷の確認をしないと・・・。
洗面台の前に立ち、鏡をのぞき込んだ。
欠けとる?!
砂利だと思って口から出したのは
欠けた前歯だったという事実。
指でピッって飛ばしちゃったよぉ~~~。
私の前歯-っ!カムバーック!
●負傷箇所
おでこに擦り傷とたんこぶ。
頬に擦り傷。
鼻に無数の切り傷。
唇にまで切り傷。
ティッシュで流れる血を押さえた。
鼻の下の傷に白いものがあって
取っ払ったけど、どうも肉のよう。
両手の甲に擦り傷。
両足の膝にうちみと擦り傷。
冷静に確認してる場合じゃなかった。
痛いんだもの。
痛くて手が震えた。
寒くはないのに、寒気でもあるかのように
身体がガクガクしていた。
●救急外来
はるぴょんも蒼ざめた顔をしてうちに飛んできた。
ありがとう。
お世話かけるねぇ。
じゅじゅの守りをチビに託し
国立の救急外来まで連れて行ってもらった。
●応急処置
お医者さんに何度も言われた。
酷いこけ方をしたんだね。
酷い傷だね。
ベッドに横たわりその酷い傷の応急処置。
砂とかついてるし、洗うんだろうな。
それ、絶対、痛いし・・・。
何をされるのか予想するだけで痛かった。
でも違った。
傷口を洗うことはなかった。
消毒液をポンポンつけて
化膿止めの網のようなものと軟膏。
その上にガーゼとテープ。
あっちもこっちも傷だらけだったから
顔面、ガーゼだらけのフランケンみたいになった。
誰が見ても大怪我よ(笑)
それでもお医者さんに聞いた私は馬鹿?
お酒って・・・
飲んでもいいですか?
アルコールは痛みが増すのでダメらしい。
●薬
痛み止めの薬が処方された。
飲む!
絶対、飲む!
私は痛みに弱い。
我慢なんてしたくない。
コップで直接水を飲むこともできなかった。
口が開かないんだもの。
よくこんな状況で、酒飲んでいいか?なんて
聞いたもんだと、自分に呆れた。
ストローで水を口に含み錠剤を飲み込んだ。
●就寝
晩酌もできないなら、寝るしかない。
チビが時々やってきて
ストローでお茶を飲ませてくれた。
家族のありがたさにこんな傷を負っても
私は幸せ者だなぁと思った夜。
顔が傷だらけになってしまったけど
頭を打ったりしたら・・・とか
逆に、手をついて骨でも折ったりしたら・・・とか
もしかしたら起こりうる、もっと最悪な事態を思う。
そしてそれを免れた事に、これを世間では
不幸中の幸い
って言うんだろうな・・・。
天井を眺めながら、この程度でよかったと
そう思うしかなかった。
覆水盆に返らずだ。
目はガーゼで見づらいし、鼻は覆われてるし
口もあまり開かない。
実際のところ、全然、幸いじゃないんだけど。
●痛い
顔の右半分が痛かった。
どこともなく、右半分すべてが痛かった。
火がついたように痛かった。
痛い、痛いと痛みと闘ってるうちに眠ってしまった。
寝れるんだ・・・痛くても。
●閲覧注意
血が苦手な方はご注意ください。
ただでさえ人出不足だっていうのに
職場に穴をあけることになってしまった。
この顔じゃ・・・お客さんもドン引きするよね?
はるぴょんがいろいろ手配してくれて
本当に助かった。
私がのしかかれば、ポキンと折れてしまいそうなほど
細っこい華奢なはるぴょんだけど
心強かった。
逞しさを感じた。
優しさも感じた。
そして、私の死亡保険金受取人をはるぴょんに変えよう。
死ぬほどの怪我でもないのに
そこまで考えたのだった。
私の歴史の中で、記録に残るほど
最も酷い怪我であったことは確かだ。
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