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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ウユニジャンプ

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雨水は同じところに留まってはいない。
風の向きによって刻々と場所を変えていく。
ウユニ塩湖で水場を見つけること、それは宝探しと似ていた。
ガイドのイサックと綿密に地形を話し合いながら、一つひとつ確認していく。我が隊の第一ミッションが乾季の鏡面張りなのだから。それを叶えるのがアテンダーの役目。
1つ目、2つ目の狙った場所は、湿ってはいるが、肝心の水が張っていない。
「でも今年は10年ぶりの大雨だったから」
イサックの言葉を反芻する。そう、今年の3月、4月はあまりの雨量でウユニ塩湖は海のようになっていた。それらがまだ何処かに残っていれば・・・・・。
そして、遂に、その時は訪れた。
遠くに逃げ水(陽炎)を見つけ、イサックに告げる。車で近づいて行くと、少しずつ水が増えてきた。もっと、もっと、先へ。
「てつや、やったな。こんな乾季なのに、まるで雨季みたいじゃないか」。イサックはそう言ったまま、口を大きく開けた。
皆の想いが一つとなり、天がプレゼントしてくれたのだろう。
辺り一面、みごとな鏡面張りとなり、その中で祝福ランチ。もちろん卵の用意は忘れない。足元の塩水に付ければ、それは世界最高のゆで卵となるのだ。
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「わたし、テツヤさんが世界の絶景で裸になっているのに憧れて」
「なら、やってみればいいじゃん」
「でも、わたし女性だし」
「そんなの関係ないよ。皆がいない所でやれば良いんだし」
「やっぱりやった方が良いかな?」
「やらないと決して分からない快感があるよ、きっと」
そう言うと、彼女の瞳は強くなった。すぐさま歩き始め、遠くですっぽんぽんに、宙へ大ジャンプした。
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「わたしという存在が無くなって、自然の中へとろけるようだった」
体験後、そう言った彼女の言葉に、嬉しくて泣きそうになった。
やらねば分からぬ感動がある。それをするか、しないかはすべて自身の選択次第。その一歩を踏み出せば、一度でも感じれば、そこへ戻るのは簡単なこと。彼女はきっと、何時でも何処でも、自然に還ることが出来るだろう。
               ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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