2台のパーフェクトをお預かりしてました
１台はメインシャフトのガタ、チェック支柱の緩み、ノブシャフト
写真は修理完了の図
このパーフェクトはスプールがフレームに対して落ち込んでしまっていたので
メインシャフトのガタ修理と同時にスプールの座りも同時に調整してあります
仕上がりはもちろんガタなしのゼロクリアランスでスムーズに回転します
メインシャフトのガタを修理するとチェックの効きも良くなる傾向にありまして
恐らく、シャフトのガタの分ギアが逃げていたのがしっかりとかみ合うようになり効きが戻るのだと思われます
もちろんガタの程度によりますけどね
支柱はブラスで新しく製作して交換で対応させてもらっています
裏側の皿も一緒に製作しております
ノブシャフトも新しくピッタリのサイズで製作
（ノブはゼロクリアランスだと回らなくなる事があるので少しだけクリアランスを緩くしてあります）
今回はオリジナルに習いニッケルシルバーで製作しております
取りに来たお客さんが回してみて驚いていました
本来はこんなにしっかりしてるんですね
との事
他にも持ってるパーフェクトも同じような状況らしく
他のも今度持ってくるとの事でした
古いモデルをお使いの人たちはガタが出ているメインシャフトを「こんなもん」だと勘違いしている人が多く
パーフェクトに限らずですが
ハーディのリールはかなり古いモデルでもメインシャフトにはほとんど遊びがありません
これはスラスト方向にもラジアル方向にも同じで
（シャフトの軸方向と９０度横の方向です）
驚くべき精度で製造されているリールです
ハンドルプレートとスプールをフレームに組んだ状態ではスプールをどの方向へゆすってもピクリともしない状態が本来の状態ですので知っておいてくださいね
１００年以上も前に造られたパーフェクトもまったく同じです
ホントに凄い作り込みだと感心してしまうんです
これが現在も愛好家が多い理由の一つなんでしょうね
もちろん、その精度もあり１００年経過した今でも１級品のポテンシャルを持っており
現代の釣りにおいても何一つ劣らない性能も愛されている理由なんでしょうね
褒めだしたらきりがない・・・
もう一台のパーフェクトに行きますかね
ピンぼけだし・・・・
実はこのパーフェクトはハンドルプレートにクラックが発生しております
裏側は見えるかな
ハンドルノブは作業の邪魔になるので外してしまいました
さて、どうしましょうかコレ
見た目に修復だけであればアルミ系のパテをすり込んで磨けば目立たなくなると思われますが
強度の面で考えると実用的ではありません
それなりに負荷がかかる場所ですからね
パテで修理してノブの場所を反対側に移動するのも一つの手段ですが・・・・
今回はアルミロウでロウ付けする事にしました
しました、というよりもチャレンジする事にしました
が正解ですかね
ロウ付けには熱を加える必要があり
正直言ってあまり好ましい方法だと思っていません
金属は一定の熱量が加わると膨張します
そして冷える段階で収縮するのですが
収縮する時にはまったく同じ形状に戻ってくれるとは限らず
殆どの場合変形を伴います
なので私は熱を加える修理はあまり引き受けておりません
それは高精度で製作されているパーフェクトだからこそなんです
比較的ルーズな設計であれば多少の変形には目をつぶれますが
パーフェクトのような精度だと僅かな狂いが致命傷になりかねないんです
けど、このままでは使えない状況等の特殊な場合にのみ引き受けたりしています
あまり大きな声では言えませんが「破損」はある程度、覚悟してください
絶対に元通りに戻せるお約束は出来ない作業になります
今まではなんとかかんとか元に戻してますけどね
それでも絶対は無いんです
何とかなりましたの図
表面は塗装してありますがお客さんがラインを巻いたら上記のようにノブ周りには「ポイ」傷が入りました
（良い感じなので写真を撮らせてもらいました）
この先もっと良い感じになっていきますね
裏側の図です
ちなみにこのパーフェクトもメインシャフトの修理をさせていただきました
強度的に何処まで戻ったのかは割ってみないとわかりませんが
それなりに使える強度には戻ってると思われますのでガンガン使ってみてください
今後の持ちに期待したいと思います
（経過を教えていただけると助かります）
この度は修理依頼いただきありがとうございました
また何かありましたらよろしくお願いします
楽しい釣りが続きますように
それでは