【若紫79-2】☆連体詞の妙☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見し、そこでかわいい少女を見つけました。
【今回の源氏物語】
「いぬる十余日のほどより、瘧病にわづらひはべるを、度重なりて堪へがたくはべれば、人の教へのまま、にはかに尋ね入りはべりつれど、…」
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☆ 古文オリジナル問題~連体詞~☆
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「いぬる十余日のほどより、瘧病にわづらひはべるを、度重なりて堪へがたくはべれば、人の教へのまま、にはかに尋ね入りはべりつれど、…」
問 傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.過ぎ去った十数日前から。
2.この前の十日過ぎのころから。
3.以前の十日あたり前から。
4.いつもの十日過ぎのあたりから。
5.別の十数日のあたりから。
来年度以降の大学入試共通テストでは
新学習指導要領に基づいたかたちで
複合的な問題形式が出されてきます。
【実社会に対応したもの】
⇒生徒A/生徒Bなどの対話的選択肢
【言語文化の知識問題】
⇒和歌や俳句などの韻文とのコラボ
【主体的・協働的な学び】
⇒複眼的問題文の読解
また、「指導計画の作成と内容の取り扱い」には
「生徒がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること」
とあります。
古文の学習においても、
文法や語彙などの知識習得に
こういうイラスト訳を活用することで
イメージ習得して成果につなげましょう!
!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
今回のポイントはこれ☆
連体詞の訳し方
「いぬる」という言葉をみると
高校生のあなたなら
「あ、ナ行変格活用動詞だね!」
と分かってくれるはず。
※もし分からなかった人は、こちらも読み直してくださいね。
しかし古文では、
よく出てくる使い方のものは
関連語として、覚えておくと便利です。
「去る~」という使い方を、今でもしますが
「去ぬ(往ぬ)」という動詞も、現代と同じく
「過ぎ去った~」という使い方をします。
あと、「~余」というのは、
現代の「~強」というのと同じで
「~過ぎ」「~余り」というように、
数量を表す語に付いて、実際はその数よりも少し多いことを表します。
【答え】…2