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『骨太の方針と安藤提言(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.7.24
https://youtu.be/WiR9Hq0l1_s
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 デフレという国内の総需要不足に悩み、かつ覇権国から「貿易黒字(先方の貿易赤字)」を問題視された国がとるべき政策はなんでしょう?

 政府の財政政策による内需拡大です。まさに、There are no alternative(他に道はない)と断言できるほど正しい政策です。


 財政政策で需要が創出されれば、当然ながら覇権国からの輸入が増えます。国内の供給能力が内需に向かえば、輸出も減ります。


 結果、貿易黒字は縮小し、かつ国内のデフレも終わり、覇権国も満足、というわけで、一石二鳥でございます


【【藤井聡】米国からの「貿易赤字」是正圧力に応えるためには、大規模「財政政策」が最善の策である。】
https://38news.jp/economy/11268


 日本の場合、具体的には、対米貿易黒字の話ですが、藤井先生が昨年、経世済民新聞に書かれた通りです。


 対日貿易赤字を理由に、不利な日米FTAを推進されるくらいならば、日本側が内需を拡大すればいい。そうすれば、デフレ脱却と対米貿易黒字の削減が同時に達成できる


 藤井先生の記事の最後に「付録」として、「デフレが貿易黒字を拡大している」ことが立証されています。
「デフレータ(物価)が1%上昇すれば、日本の対米輸出は、「輸入額」に比して(6.8%+1.09%=)7.89%減少する」

 つまりは、アメリカにトランプ大統領という対外貿易赤字を問題視し、「アメリカ・ファースト」と叫ぶリーダーが現れた以上、日本の選択肢は「財政出動による内需拡大」以外にはないのです

 ところが、財政については相も変らぬ緊縮路線。内需が拡大しない以上、対米貿易黒字は減らず、アメリカから理不尽な「市場開放」要求を突きつけられる状況が続きます。


 もっとも、世界には日本のような「愚かな国」ばかりではありません。嫌になるほど正しい政策を推進する独裁国家が、お隣にあるのです。すなわち、中国です。


     


『中国、鉄道投資1兆円上積み 貿易戦争受け内需創出 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34138670U8A810C1MM8000/
 中国政府は2018年の鉄道建設投資を1兆円超上積みする方針だ。計画している四川省とチベット自治区を結ぶ鉄道路線などの建設工事を増やす。地下鉄の新規建設の認可も再開した。鉄道建設は08年の景気対策の柱だった。米中貿易戦争で鉄鋼などの需要低迷の恐れがあるため、鉄道建設で国内需要を創出し、国内経済を下支えする。
 中国国有の鉄道会社、中国鉄路総公司がこのほど中国の経済政策をかじ取りする国家発展改革委員会との共同会議で決めた。鉄道建設投資は18年は年初計画の7320億元(約12兆円)から1割増に相当する680億元超を上積みし、8000億元超にする。(後略)』


 アメリカとの通商戦争により、鉄鋼などの需要が低迷する。ならば、財政支出による内需拡大ということで、中国は高速鉄道の整備計画を前倒しし、地下鉄の新規建設計画承認も再開


 記事の後略部にあるのですが、高速鉄道の投資が1億元増えると、橋梁や線路などの需要が創出され、鋼材3300トンが使用されるとのことです。2018年の鉄道建設投資拡大により、鋼材の需要が200万トン増えることになります。


 ということは、17年の中国からアメリカへの鋼材輸出量118万トンを上回ることになります


 これが日本の場合、「ザイセイガー」となり、アメリカと不利な貿易協定を結ぶか、あるいは「貴国の投資のおカネを出させてもらいます」などと言い出すわけです。


 日本と比べ、中国共産党は何と「まとも」なのでしょうか。


 こんなことは書きたくないのですが、日本政府は中国を見倣うべきです。財政拡大こそが、デフレ脱却と対米貿易赤字縮小につながる「一挙両得の政策」であることを、いい加減に理解しなくてはなりません。 

「こんなこと言いたくないが、日本政府は中国を見倣え!」に、ご賛同下さる方は、

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