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『骨太の方針と安藤提言(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.7.24
https://youtu.be/WiR9Hq0l1_s
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 戦争、防災。この二つに共通するのは何でしょうか

 それは、手元に現金がなかったとして、おカネを借り入れてでも推進することが「善である」という点になります。



 戦争状態になり、
「ちょっと待って、おカネが貯まるまで軍隊動かせないんで、攻めて来ないでちょうだい。悪いね」
 なんてのは通りません。同じように、明日でにでも大災害が起きる可能性があるにも関わらず、
「堤防建設や防潮堤建設、耐震化工事はおカネをためるから、待っててね」
 などとやり、防災インフラ建設前に豪雨災害、大震災が起きる。それで、構わないのでしょうか。そんなわけがありません。


 また、需要が十分に存在し、生産すれば儲かる状況で、生産力増強のための工場建設。需要があるにも関わらず、工場の建設ができない。


 いわゆる、機会損失が発生します。


 当然ながら、企業は「内部留保を貯めるまで待つ」などということはせずに、銀行からおカネを借り入れてでも設備投資を決断する必要があります。


 子供のお小遣いならば、
「〇〇を買うために、貯める」 
 という発想はありえます。ところが、我が国の場合は「政府」までもがこの発想なのです。普通に「狂っている」と表現できます。


治水の後れは国家の怠慢だ 京大・藤井教授 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34138730U8A810C1000000/
 西日本の広範囲に甚大な被害をもたらした西日本豪雨から1カ月がたった。これまでの記録を塗り替える大雨で、山や河川の治水能力を超えてしまう事態に見舞われた。毎年起こる豪雨被害に対し、どう国土の整備を進めていけばいいのか。国土強靱(きょうじん)化を推進する内閣官房参与を務める京都大学の藤井聡教授に聞いた。(後略)』


      


 藤井先生は後略部でかなり重要な指摘をしています。


● 30年前と比べ、1時間あたり80ミリ以上の激しい豪雨の発生頻度が1.7倍になっている
● 豪雨のリスクが高まっているにも関わらず、治水の整備費用が1990年代に比べて半減以下の年間7千億円から8千億円規模となっている
● 日本は最も激しい災害が起きるとされる荒川流域で整備目標の達成が6割台、大阪平野の大和川流域で4割台と低すぎる水準。


 つまりは、「治水工事が全て目標をクリアしたので、予算を削減した」のではない、わけでございます。簡単にいうと、政府の怠慢です。


 後半、藤井先生が、
政府が掲げる基礎的財政収支の制約下に置かれていることが問題
 と、指摘しています。


 つまりは、経常的支出と「投資的支出」が同じ土俵でPB黒字化目標の対象になってしまっているのです。本ブログでも取り上げてきましたが、投資系支出をPBに入れるなど、まさしく「狂っている」以外に表現のしようがありません。


 本記事では、ラストに日経の記者が、
「インフラ整備、公共事業と聞くととかく悪いイメージがつきまとう。「コンクリートから人へ」「脱ダム宣言」などのスローガンのもと、21世紀に入って公共事業を削減する動きが顕著になった。そのせいもあって日本の治山治水対策は大きく遅れている。近年頻発する災害に対処するインフラ整備のあり方をもう一度議論すべきだろう。」
 と、書いているのが、印象的でした。


 いや、お前ら新聞が散々に公共事業を叩き、悪いイメージを植え付けたからこんなことになったんだろう。というのは正論ですが、とにもかくにも日経にこれほどまともな記事が掲載されて野は、大きな進歩です。


 もっとも、言論が進歩したところで、予算がつかなければ何の意味もありません


 政府は躊躇なく、治水をはじめとする防災投資を増やさなければなりません。国民のための政府であると主張するならば。


「政府は躊躇なく防災投資を増やせ!」に、ご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!

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