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『MMTとハイパーインフレ論者(その2)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.9
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※「知識ゼロからわかるMMT入門」は、ケルトン教授招聘プロジェクトに寄付してくれた方及び月刊三橋会員の皆様に、月末に特別価格でご案内が参ります。上記からのご購入はお控え下さい。
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令和の政策ピボット呼びかけ人に映画批評家の前田有一氏が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
 
 というわけで、ご要望が多かったケルトン教授との対談の字幕版(&三橋と高家さんの感想戦)をお届けいたします。
 
<字幕版>概論、MMT(現代貨幣理論)+三橋・高家の感想戦
 今後、順次、最終回まで掲載していきますので、拡散にご協力くださいませ。
 また、英語版(三橋の発言が通訳さんの英語)も作成予定です。世界に広めて下さい。
 
 日本経済新聞が、珍しく少しまともなMMTの記事を出しています。
 
ケルトン教授の警鐘は届くか MMTと「投資家資本主義」
 主流派経済学者から「異端」と非難を浴びる現代貨幣理論(MMT)が世界で注目を集めるのは、金融緩和頼みの経済安定化策に人々が不安と疑念を抱くようになったためだ。MMTブームは、株価が最高値圏にもかかわらず利下げを断行しようとする米連邦準備理事会(FRB)へのアンチテーゼ(対立命題)と言える。(後略)』
 
 日経はMMTについてケインズやラーナーの後継であるとして(その通りですし)、
『「政府の赤字は民間の黒字」と財政健全論者をいなすのも、貯蓄・投資(IS)バランスという教科書の内容をなぞったものにすぎない。』
 と、まともな事実を書いています。
 
 記事中でケルトン教授の、
「金融政策は(金利を通じて)民間債務に働きかけるため、資産バブルが警戒されるが、財政政策は民間所得に働きかけ、債務レバレッジに依存しない
 という発言を紹介していますが、今回のケルトン教授来日で感銘を受けたレトリック(説明手法)の一つは、
「金融政策は民間に『債務』を増やすが、日本に必要なのは財政政策で『所得』と『自信』を取り戻させること」
 でございます。

 改めて考えてみると、いわゆるリフレ派は「インフレ目標と量的緩和のコミットメントで、期待インフレ率を引き上げ、実質金利を引き下げ~」となっていましたので、民間の債務依存だったわけです。
 民間が債務を増やしたとして、それが「所得(消費・投資)」に回るとは限りません。というか、実際に相当に投機(値上がり益目的の資産購入)に流れました。
 
 とはいえ、
「民間よ、債務を増やして、デフレ脱却しなさい」
 という考え方なので、政府がカネを出す必要はありません

 財務省が、いわゆるリフレ派を支持したのは当然です。何しろ、デフレ脱却について「民間任せ」。「小さな政府」式のデフレ脱却手法だったわけですね。

 とはいえ、そもそも民間が自信をもって借り入れや投資を増やせる状況なら、デフレではありません。

 というわけで、財政政策で民間の所得を高め、支出を増やす自信を持たせなさい、というのがケルトン教授の日本経済への処方箋なのです。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 ちなみに、日経にしては珍しく、
『誤解されがちだが、MMTは財政赤字を無限に拡大できるとは主張していない。民間・公共部門を含めた財やサービスの供給能力が財政の制約条件となるためだ。』
 と、ありがちな藁人形プロパガンダは展開していません。

 とはいえ、最後に、
『その一方で、公共投資を通じたばらまきで生産性は向上するのか、イノベーションは生まれるのかという疑念は残る。』
 と、意味不明な難癖をつけています。

 そもそも公共投資を「ばらまき」と表現している時点で、「バカ」「思考停止」「お前、日本のインフラ使うな、屑」と、罵られて当然だと思いますが、加えてMMTは政府を財政制約から解き放つだけで、財政政策の中身を規定しているわけではありません

 何度も書いていますが、MMT的に財政拡大政策に舵を切り、非正規貧困に苦しむ若者、シングルマザー、貧困女子、親の所得が理由で教育を受けられない子供たち、激増している高齢貧困者といった弱者を救済しても、国防を強化しても、国土を強靭化しても、ILCを建設しても構わないのです。

 MMTが「公共投資」しか主張していないように書いている時点で、完全に藁人形プロパガンダでございます。

 というよりも、公共投資でインフラ整備して、生産性が向上しないはずがないでしょうに。そもそも、生産性や投資の意味を理解していないのか、日経の記者は。

 いずれにせよ、今後は、
「いや、MMTは正しいよ。でもさ~」
 と、ミクロな部分を取り上げ、全体を否定しようとする「木を見せ森を見せないプロパガンダ」や、MMTの主張を歪曲して叩くストローマン・プロパガンダがガンガン展開されていくことになるでしょう。

 ちなみに、プロパガンダを展開する連中は、間違っています。間違っていないならば、そんな卑怯な手段に訴える必要はないわけです。

 同時に、プロパガンダを使う者は、
「それは、○○プロパガンダだね」」
 と、直接言われることが一番こたえます

 レッテルを貼り、ストローマンを攻撃し、木を見せ森を見せない、権威にすがる、恐怖に訴える。ルサンチマンを煽る。などなど、皆さんも思い当たるプロパガンダが次々に繰り出されてくるでしょう。

 是非とも、プロパガンダを展開する者に、
それは、○○プロパガンダだね。そういう手法を使うということは、お前、間違っているんだね
 と、直接声をぶつけて下さいませ。それが一番効きます。
 
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