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『MMTとハイパーインフレ論者(その2)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.9
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三橋TV第123回【ボトムアップが日本を救う】

https://youtu.be/0j0HbJI5dCY

 

 発展途上国がなぜ「観光業」に依存するかといえば、大きく、
(1) 製造業やサービス業の資本投資が不十分で、国民の雇用を十分に確保できない
(2) 人件費や物価が安い
 と、二つの理由がありますが、先進国がなぜ「外国人観光客依存の経済」」に落ちぶれるのかと言えば、第一次グローバリズム末期のイギリスが典型ですが、
(3) 将来のための投資に踏み込むことができず、過去の先人の遺産に頼る
 ことになるためです。

 発展途上国は「安いから」、先進国は「投資する根性を無くしたから」こそ、いわゆるインバウンド観光に頼ることになるわけです。

 もっとも、我が国の場合は、長期デフレで衰退途上国として人件費や物価がどんどん安くなっている状況で、将来への投資に背を向け、過去の日本人の遺産にすがり
「インバウンドが成長戦略」
 などと、意味不明なことを政治家が宣っているわけでございます。

 日本の場合、(1)の理由は全くありません。単に、将来のための投資を推進しさえすれば、「外国人様~」「中国人様~」などとやる必要はなくなります。

 ところが、何しろ日本は政府までもが緊縮財政で、将来への投資を拒否しているわけで、日本経済がインバウンド様に依存する羽目になるのは、必然でございます。
 
『インバウンドとは 訪日外国人、旅行者・消費額が急増
 「インバウンド」と呼ばれる訪日外国人旅行者は2012年以降、急速に拡大している。18年は3119万人で、3000万人の大台を初めて突破した。中国経済の減速や日韓関係の悪化で、先行きに不透明感が増しつつある状況でも伸びは続いており、19年1~6月も、半期として過去最高の1663万人を記録した。
 人口減少などで国内の個人消費は伸び悩んでおり、インバウンド需要は地域経済のけん引役となっている。旅行消費額も訪日客の増加に伴い拡大しており、18年は4兆5189億円となった。国籍・地域別では中国が全体の34.2%を占めトップ。次いで韓国が13.0%、台湾(12.9%)、香港(7.4%)が続き、上位はアジア勢が独占する。
 政府は東京五輪・パラリンピックが開催される20年にインバウンド4000万人、旅行消費額8兆円を目標に掲げている。一方、外国人観光客が押し寄せる地域では、街中のごみや交通混雑などの観光公害が社会問題となってきた。インバウンドを地域活性化につなげるため、住民生活との両立が課題となっている。』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
8月15日まで、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 断っておきますが、わたくしは別に、
「外国人観光客は来るな」
 などといいたいわけではありません。

 とはいえ、とりあえずは「日本国民が豊かになり、日本国民の消費で観光業を発展させる」のが先だろう、と主張しているのです。

 加えて、現在の日本のインバウンド「様」成長戦略は、
・日本国民(政府含む)が将来への投資を拒否し、過去の先人の遺産に縋りついで食つなぐという、実に情けない考え方が基本
・外国人様に媚び、駅の表示について日本語と英語以外が増えるなど、日本国民が不便を被っている
・インバウンドを利用し、民泊や白タクなど、シェアリング・エコノミーと称するレント・シーキングが進んでいる
 と、実に惨め、かつ邪な発想に基づいているのです。

 加えて、中国や韓国の例を見れば分かりますが、インバウンドは「外交」「政治」により需要が急減するリスクが常にある。外国様に依存する経済を「成長戦略」などといってのける、その感覚が理解できない。

 ということは、あれですか、観光業が依存する中国様のご機嫌を取り、今後、二度と中共に逆らわないようにいたしますか。さもなければ、観光業が大打撃を被りますよ、といった話になってしまうでしょう。

 ここまで、落ちぶれたのです、日本は。反中・反韓の傾向が強い安倍支持者の方々が、なぜか政府のインバウンド成長戦略を批判しない。不思議です。
 
 皆さんの大嫌いな中国人、韓国人(わたくしも嫌いだけど)をどんどん日本に招き入れているのは、安倍政権なのですよ。特に、安倍政権は中国人に対する観光ビザを規制緩和しまくっております。

 ちなみに、日本国民の観光消費額は、現在、絶賛「横ばい中」です。
 
【日本人国内旅行消費額の推移(億円)】
 
 日本の政治(あるいは「政治家」)は、とりあえずデフレ脱却し、日本人の旅行消費額を増やすことを目指すべきです。

 このままインバウンド「様」成長戦略などとやっていると、将来は、日本人女性が外国人「様」に身体を売り、男性はトゥクトゥクならぬ白タクで外国人様を運び、小銭を稼ぐ国に落ちぶれます(もうなりつつあるけど)。それでいいんかい?

 わたくしは、そんな日本は絶対にお断りです。

 というわけで、本日、リリースの三橋TVのゲストは室伏謙一先生。インバウンドやシェアリング・エコノミーの「裏」について色々とお話を伺いました。
 
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