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令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

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三橋TV第218回【中国とウォール街の欲望 なぜWHOはパンデミック宣言を遅らせた?】
 
 現在の日本は、中国武漢発祥の新型コロナウイルス感染症のパンデミックと、経済活動停滞による恐慌という、二つのリスクに直面しています(日本だけではありませんが)。

 繰り返しますが、疫病のリスクと恐慌のリスクは、トレードオフの関係にあります。疫病を恐れ、経済活動を止めると、恐慌による死。恐慌を恐れ、経済活動を動かすと、疫病による死。

 疫病恐慌曲線から逃れることはできません。
 
【疫病恐慌曲線】
 
 が、曲線を動かすことは可能です。政府が大規模財政拡大をコミットし、国民に「所得」に対する安心感を与える。

 そうすることで、曲線の傾きを変えることができます。疫病恐慌曲線Aを、疫病恐慌曲線Bに移すのです(①)。
 
 実際、アメリカ、イギリス、ドイツなどの「まともな国」は、とりもなおさず政府による「国民の所得の補償」を宣言しています。彼らは、分かっているのです。

 分かっていないのが、我が国の政府です。

 疫病曲線Aの上にいる限り、我々は疫病と恐慌をトレードオフせざるを得ない。特に、疫病は人々が移動することで蔓延していく。だからこそ、
「国民は家に閉じこもって移動するな! 所得は、政府が何とかするから」
 という「政治決断」が必要なのでございます。

 日本の場合、法律的に「人々の移動を止める」ことは難しいのですが、「所得補償」を政府が約束すれば、日本人は普通に「自粛(本来の意味の)」をするでしょう。

 ところが、日本政府、すなわち内閣、与党、そして諸官庁は、問題の本質が分かっていない。
 
 現在、自民党と内閣で検討中の「対策」は、確かに経済対策でもあるのですが、同時に疫病対策でなければなりません。 

 例えば、
「所得は補填できるかも知れないから、市役所に手続きに来なさい

 これが悪手であることは、誰にでも分かるでしょ。疫病リスクを抱えている国が、人々を「動かして」どうするというのでしょうか
 普通に、役所でクラスター(感染集団)が発生することになります。
 
 疫病と恐慌という二つのリスクに同時に対処することの意味が、政治家や官僚の多くに共有されていない。これは、率直に言って恐怖です。
 
現金給付は30万円、所得減少の世帯に 自己申告の方針
 政府・与党は3日、新型コロナウイルスの感染拡大によって所得が一定程度減少した世帯に対する支援策として、1世帯30万円の現金を給付することを決めた。安倍晋三首相と自民党の岸田文雄政調会長が同日、合意した。給付金がはやく届くよう、自己申告制とすることも固まった。(後略)』
 
 自己申告制とは、行政のチェックをしない「だからスピーディだろ」という話ですが、疫病が蔓延している最中に、市区町村の役所に「申告」に来させる気ですか・・・。常軌を逸している。

 日経などの報道によると、支給対象は夫婦2人世帯の場合、25万円未満とする案を「与党と調整している」とのことでございます。さらには、子育て世代は子供の人数に応じて基準を緩め、単身世帯は厳しくする、と・・・・。

 って、んなことやっている場合か!

 現時点では、財務省の緊縮財政の壁を打ち破れず、「できるだけ最小規模で」というコンセプトの対策になってしまっています。

 そもそも、夫婦2人世帯で25万円未満は支給、25万円以上は不支給って、たった1円の差で「仕分け」をするつもりなのでしょうか
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 日本の世帯数は約5千万。全世帯に一律30万を無条件で(役所での手続きなしで)配布するというならば、まだしも理解できます(それでも、財政支出はわずか15兆円)。


 それにしても、
「世帯によって、家族の人数は不公平だ」
 とう問題が生じることは避けられません。だからこそ、欧米の「まともな国」は、国民一人当たりで十万円以上の配布を決めたのです(最もベターです)。


 あ、ちなみに、給付について、今回ばかりは「外国人」も例外にしてはなりません。理由は、感染症は国籍を区別してくれないためです。求められているのは、
「感染症の広がりと、恐慌を同時に食い止めること」
 であり、公正さではないのです。ネットには、外国人は除外しろだの、生活保護者は例外だの、問題の本質を理解していない人を見かけます。

 どんだけ頭が悪いんだよ、お前らは・・・。COVID-19は誰にとっても「平等」なんだぞ!


 ちなみに、短期で全国民に一律で給付金を配ったとしても、住所不特定者は救えません。だからこその、消費税廃止(税率0%)なのです。消費税廃止であれば、全ての消費者を救えます。しかも、低所得であればあるほど、恩恵が大きくなる。


 また、家計を給付金や消費税減税で支援しても、企業サイドは売上「消滅」により、次々に倒産、廃業していくことになります(すでに始まっています)。日本経済の供給能力を維持するためにも、粗利補償が必須です

 

 まとめると、

● 日本国に住所を持つ全「住民」に、一律10万円以上の給付金を「手続きなし」で配布する 
 消費税率0%を直ちに決断し、準備にかかる(6月1日スタート) 
● 無条件の粗利補償
 

 上記三つで、財政赤字=国債発行40兆円となります。さらに、給付金については、少なくとも二か月は継続せざるを得ないでしょうし、医療サービスの強化等も必要で、総額55兆円の国債発行が「最低でも」必要なのです。


 さもなければ、我々は「疫病恐慌曲線A」の上で右往左往せざるを得ません。現在、公表されている内閣・自民党の政策では、恐らくは左上に上昇していき、都市封鎖・経済活動停止が避けられないでしょう。結果、恐慌が深刻化し、経済的理由による死も激増。


 安倍総理に少しでも「政治家」としての魂が残っているならば、直ちに対GDP比10%の国債発行を決断してください。さもなければ、あなたは「戦後、最も国民を殺した総理大臣」として歴史に名を遺すことになりますよ。

 

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