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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(前編-1)』三橋貴明 AJER2020.5.26

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三橋TV第241回「緊縮財政のせいで我々は一人6500万円の所得を失ったんだよ!」

https://youtu.be/bgEZQ00DWp0

 

 いわゆる「真水」として支出される予算が、32兆円にもなれば、10兆円にもなる「玉虫色」の第二次補正予算が閣議決定されました。

 改めて、第二次補正予算は、大きく以下三っつに分類されます。
 
1.雇用調整金拡充、家賃支援、医療提供体制等の強化、地方創生臨時交付金の拡充など、即座に真水(GDP)になりそうな予算が10.2兆円
2.新型コロナウイルス感染症対策予備費 10兆円
3.資金繰り対応の強化 11.6兆円
 
 財源は、建設国債(公債金)が9.3兆円、赤字国債(特例公債)が22.6兆円。新規国債発行はいいのですが、なぜ3の「資金繰り対応」といった融資系の支出の財源が国債なのか。

 融資系の支出のために、財政投融資という制度があります。国債発行は「政府貨幣発行」でございます。政府が借入、銀行側が(日銀当座預金の)貸出。貸借関係の成立により、貨幣発行となります。

 そして、政府が国債発行で調達した日銀当座預金を(担保に)支出すると、民間(企業、家計)の預金、純資産が増えます。逆に、政府側は純負債(債務超過)が増えます。

 それに対し、政府から企業への融資の場合は、
「政府の貨幣という資産が、貸付金という資産に変わる」
 だけであるため、政府の純負債は増えません。つまりは、民間の純資産は増えません。

 政府の純負債を拡大する支出(国債発行+財政支出)と、拡大しない支出(融資)は、政策的な意味が全く異なるのですが、今回は混同されている。

 本問題については、藤井先生も解説して下さっています。
 
『【藤井聡】「インターネットの力」で、政府支出が数十兆円単位で拡大していく可能性があります。
(前略)第二パートが約12兆円の「企業の資金繰り支援」。これは、融資、投資の部類で、「貸し付け」分に相当します。したがってこれを通常に運用すれば、単に貸し付けるだけで「後で返せ」という話しになり、結局資金が注入されたことにはなりません。
 しかも、これから貸し付け業務をしっかりやらなければ、ほとんど貸し付けることなく終わってしまうことも可能です。
 ただし逆に、この枠を使って精一杯貸し付け、そして、すべて「劣後ローン」という返済を必ずしも強要しないタイプの貸し付けで行うことができれば、そして、その資金がすべて「赤字企業」に貸し付けることができれば、実質上この12兆円は「真水」として機能します
 なぜなら、赤字企業が劣後ローンを借りても、十分な黒字が将来出ない限り、返済義務はないという格好になるからです(それが、劣後ローンと呼ばれるものの特徴なのです)。
 つまり少々複雑ですが、この12兆円の「資金繰り支援」は適切に運用すれば、「真水12兆円」として実質上機能するものなのです。が、不適切に運用すれば「真水0円」にしかならないというものなのです。(後略)』
 
 劣後ローンとは、簡単に書くと、返済の優先順位が低い債務(企業にとって)です。つまりは「返済不要なローン」として企業に貸し付けを行ってしまえば、事実上の所得移転で、給付金や助成金と同じ「支援」になるわけですね。

 だからこそ、返済を前提にしない「国債」が財源になっているという理解もできます。

 とはいえ、藤井先生も書かれている通り、劣後ローンや資本注入以外の形で企業に貨幣を渡す場合、「後で返済しろ」という話になってしまうため、恐慌下の支援としては機能しません。

 また、予備費10兆円にしても、「使わない」という選択が可能です。

 今回の補正予算は、
「全額支出されれば、32兆円の真水。最悪、10兆円の真水」
 という、実に不思議な構造になっているのです。昨日も書きましたが、
新規国債発行を増やしたい自民党側と、最終的な財政赤字の拡大を抑制したい財務省の双方を納得させる玉虫色予算
 というのが正解なのだと思います。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
皇統論「第十六回 仏教伝来」、歴史時事「第十六回 疫病の人類史」がリリースになりました。

 

 財務省としては、当然ながら、
「資金繰り対応はあくまで「貸付」で、後で返済させる。予備費は使わない」
 という形で、支出を絞り込み、使わなかった日銀当座預金(政府預金)で国債を償還し、ジュッと貨幣を消してしまいたいのでしょう。
 
 その証というわけではないですが、土居丈朗・慶応大教授こと財務省の飼い犬「ワンッ! ワンッ!」が、予備費について「使い切るな」と、恐ろしいことを言っています。 
 
識者の見方 予算のばらまき避けよ
 土居丈朗・慶応大教授 緊急事態とはいえ、予備費も含めて予算のばらまきは避けるべきだ。予算を使い切るのではなく、少ない金額で効果を上げることが重要だ。例えば2020年度当初予算でも、新型コロナウイルスの感染拡大で不用となった事業をきちんと削減するといった取り組みが必要だ。
 非常時で財政支出は一時的に拡大するが、政府が掲げる基礎的財政収支(プライマリーバランス)の25年度の黒字化目標の旗はおろすべきではない。新型コロナ終息後に財政状況を改善していくために財政規律を維持することが大事だ。』
 
 予備費を含む予算は使い切るな。不要となった事業をきちんと削減しろ。
 
 相も変らぬ、財政破綻論+企業新陳代謝論。
 
 古ぅ~(笑)。平成かよ、土居先生。
 
【日本の政府貨幣発行額(兆円)】
 
 先生、先生。すでに、2020年度のPB赤字(=政府の貨幣発行)は70兆円近くが予算化され、リーマンショック期や東日本大震災期の二倍以上になっているんですけど。

 しかも、6月以降に「最悪の指標」が次々に出てくるため、三次補正が組まれるのは確実ですから、2020年度のPB赤字は100兆円を上回ることになるでしょう。

 で? いつ、財政破綻するの?

 そういえば、小黒一正は2010年に、「2020年、日本が破綻する」なんて本を出しているけど、政府の財政赤字がリーマンショック期の三倍(恐らく)に達するわけだから、当然ながら財政破綻するんだよね?

 それとも、また10年先延ばしにして「2030年 日本が財政破綻する」とかいう本を出し直す?
 
 小林慶一郎は、「財政破綻後 危機のシナリオ分析」で、
「いまや、財政破綻は「起きるか、起きないか」ではなく、「起きたらどうなるのか」「どう危機をしのぐのか」を考えるべき時に来ている。」
 とか偉そうに吠えていたけど、2020年度は対GDP比で20%の財政赤字になる可能性が高いですが、当然、財政破綻するんだよね。

 国債金利はいつ上がるの? 日本銀行が「国債買取無制限」を宣言しているけど、その状況でどうやったら金利が上がるの?
 それとも、日銀が国債を買い取ると、「はいぱ~いんふれ~しょん」とやらになるの(笑)、インフレ率はいつ、何パーセントに上がるの? 
 教えて、教えて。
 
 要するに、財政破綻論者というウイルス共が、現実というワクチンに駆逐されようとしているわけです。

 前にも書いたけど、同じ国民なんだから、「嘘をつき、何十万もの国民を殺し、その数倍を貧困化に追い込んだ責任取って、日本から出ていけ」とは言わないよ。財政破綻論にしても、「言論の自由」の範囲ではあるでしょ。

 でもね、せめて黙れよ、永遠に。

 自分たちの「嘘の言論」が、どれほど破滅的な状況を引き起こしてしまったのか。何百万人、何千万人の人生を狂わせてしまったのか、自覚した上で、未来永劫、黙ってろ。

 追い詰められた日本国民にとって、お前らの言論は不要どころか、有害極まりないんだよ。

 

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