いとうせいこう 眉村ちあきを語る

いとうせいこう 眉村ちあきを語る SHOWROOM

いとうせいこうさんが2020年7月7日放送のSHOWROOM『豪の部屋』に出演。吉田豪さんと眉村ちあきさんについて話していました。

(吉田豪)あと、じゃあいくつか聞いておきたいのが、何度か共演したこともあると思いますけど。眉村ちあきとかはどういう風に見てますか?

(いとうせいこう)ちあきちゃんはね、僕、子供番組で……『ビットワールド』でも一緒なんだけど。あの人のそのボケセンスってすごいよね。

(吉田豪)ですね。

(いとうせいこう)ギャグがね、すごい……大喜利的なことをやらせると抜群に面白い。びっくりする。で、たぶんその反射神経でその場の曲も作っているんだよね。だからその場の……というか、スポーツ選手で言うと以上な運動神経がまず土台にあって。笑いにも振れるし、音楽にも振れるわけ。で、面白い歌詞にも振れるけど、別にそんなギャグじゃない、「なんだか不思議」みたいなものもできるわけ。

つまり、打ち分けられるんだよね。でも、どこに打ったらいいかっていうことはやっぱり天性の勘でわかってるわけじゃないですか。あまりにも運動神経がいいんで、ホームランを打っちゃうやつとかもよくいるけど、ホームランを打っちゃうと面白くないんだよね。芸人に見えちゃうから。

(吉田豪)ああ、うんうん。

大喜利的なことをやらせると抜群に面白い

(いとうせいこう)そうじゃない、誰も打ったことのない角度のところに打てるっていうのは、あいつはすごい面白いなと思って見てますよ。いつも。

(吉田豪)言葉を知らないはずなのに、なんか的確なんですよね。

(いとうせいこう)ああ、そうそう。そうね。そうなんだよね。なんなんだろう? どんな本を読めばああいう人間がブレンディングされてできてくるのか、よくわからない。どんな曲を聞いたら……。

(吉田豪)まあ、正確には本は読んでないし、曲もそんなに聞いていないっていう(笑)。

(いとうせいこう)ああ、そうなんだ。うん。だから、ということはあれなんだよね。ちゃんと……うーん。まあ、あの運動神経は普通は、たとえば音楽の世界でも笑いの世界でも、ちょっといないですよね。今。あそこまでの運動神経のある人。だから、残念ながらというか、MCがいないよね。

それをちゃんと……もちろん、子供番組では僕がやるかもしれないけど。その大喜利のコーナーなんてこんなちっちゃいもんだから。言ってみれば、昔、僕がやっていた番組でいえば『虎の門』みたいなものが今、あれば当然出していますよ。それも並みいる……千原ジュニアの横に眉村ちあきがいても、特に遜色なく行くと思うんだよね。

(吉田豪)はいはい。

(いとうせいこう)みんなも面白いからそこから掛け合いが始まると思うんだよね。そういう能力を持っているよね。なんなの、あの人は? どういう……あれはどこから出てきたの?

(吉田豪)本当、不思議なんですよ。本当、ただの地下アイドルだったんですよ。地下アイドル3人組グループの子だったのが、あまりにもそこの運営もひどいんで、1人で活動しなきゃと思って。で、1人で活動するには曲を作らなきゃと思って曲を作り始めたら一発目からなんか才能が明らかにあって。で、1人でライブをやるにはギター弾かなきゃいけないっていうことで無理やりギターを覚えて……とかで。だから本当にちゃんと活動しだしてからのキャリアはすごい短いはずなのに、的確に結果を出せるんですよね。

(いとうせいこう)ああ、それはやっぱり時がもったいないよね。早くどうにかしないと。もちろんそれが終わってしまうという意味じゃなくて、今の運動神経は今しか生かせないから。今の大喜利は今しかできないから。で、またまた覚えてくれば覚えてきたで違うこともできるようになるだろうし。まあ、もちろん覚えない才能が彼女にはあると思うけど。それは、まあもったいないですね。どうにかしましょう。動物園を作ろう。

(吉田豪)フフフ、なるほどね。歌もそうだけど、その大喜利的な才能をまず評価っていう?(笑)。

歌よりも大喜利的な才能を評価

(いとうせいこう)うん。そっち、そっち。コメント力ね。コメント力で深堀りすると深堀りするだけ面白いことが出てきて。で、「じゃあ、曲をどうぞ!」っていう感じで。MC付きのライブをやってもいいんじゃないの? MCが出てきてこう……昔の歌番組じゃないけど。

(吉田豪)はいはい。最初のうちは本当に1人で説明する能力がなさすぎて。僕が何度か同行して説明する係をやっていたんですよ。

(いとうせいこう)ああ、やっていたんだ。じゃあ、それでいいじゃん。

(吉田豪)でもそれが今では1人でちゃんとしゃべれるようになって。だいぶもう、野放しでも大丈夫にはなったんで。

(いとうせいこう)でも豪さん、白の上下のスーツかなんかを着て。昔の司会者みたいに。

(吉田豪)井上順さん的なね(笑)。

(いとうせいこう)そうそう。何やってんだ感は、それはすごいおかしいよね。ぜひやってほしいわ。

(吉田豪)なるほど、なるほど。

<書き起こしおわり>

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