日本文学振興会は17日、
第160回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補11作を発表した。
社会学者の古市憲寿氏(34)が『平成くん、さようなら』で
初めて芥川賞にノミネートされた。
選考会は来年1月16日に東京・築地「新喜楽」で行われる。(オリコン)
【写真】森見登美彦氏ら11名がノミネートされた芥川・直木賞候補者
そのほかの芥川賞の候補は、
3回目のノミネートとなった上田岳弘氏(39)の『ニムロッド』、
2回目のノミネートとなった町屋良平氏(35)の『1R(いちラウンド)1分34秒』、
初ノミネートの鴻池留衣氏(31)の『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』、
砂川文次氏(28)の『戦場のレビヤタン』、
高山羽根子氏(43)の『居た場所』の全6作品。
直木賞の候補は、
『夜は短し歩けよ乙女』や『ペンギン・ハイウェイ』など
作品が続々とアニメ化される森見登美彦氏(39)が『熱帯』で3回目のノミネート。
また、2回目のノミネートとなった垣根涼介氏(52)の『信長の原理』、
深緑野分氏(35)の『ベルリンは晴れているか』、
初ノミネートの今村翔吾氏(34)の『童(わらべ)の神』、
真藤順丈氏(41)の『宝島』、全5作品が候補となった。
両賞は1935(昭和10)年に制定。
芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、
直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された
短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。
前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。
受賞者が都内および近郊在住の場合、
発表当日に共同記者会見が行われる予定。
贈呈式は2月下旬に都内で行われ、
受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が与えられる。
前期・第159回の芥川賞は高橋弘希氏の『送り火』、
直木賞は島本理生氏の『ファーストラヴ』が選出された。
■第160回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
上田岳弘『ニムロッド(群像十二月号)
鴻池留衣氏『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』(新潮九月号)
砂川文次『戦場のレビヤタン』(文學界十二月号)
高山羽根子『居た場所』(文藝冬季号)
古市憲寿『平成くん、さようなら』(文學界九月号)
町屋良平『1R1分34秒』(新潮十一月号)
■第160回直木三十五賞 候補作(出版社)
今村翔吾『童の神』(角川春樹事務所)
垣根涼介『信長の原理』、(KADOKAWA)
真藤順丈『宝島』(講談社)
深緑野分『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)
森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)
(作者五十音順・敬称略)
■選考委員
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、
高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、山田詠美、吉田修一
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、
高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき
※五十音順・敬称略