捉え所の無さこそ『プーと大人になった僕』の真価【臨時】 | アディクトリポート

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プーと大人になった僕 Christopher Robin

TOHOシネマズ日本橋 2018/10/5 スクリーン8(TCX)D-13
 

TCXは、天井と壁のドルビーアトモス用のスピーカーが主張するも、
tcx

本編はアトモスではなく、

さほど効果は感じなかった。

 
マイレージで鑑賞。
 
9/14公開から、ほぼ3週が経過。
やっと観ました。
感想は、おおむね満足。
 
手放しに褒めちぎらないのは、
不覚にも少しウトウトしてしまったため。
 
もっとも本作のせいではなく、
早起きして気合いで集中鑑賞の『あの頃、君を追いかけた』の余波で、
少し疲れて、集中力が削(そ)がれていたのかも。
 
それでも『プーと大人になった僕』は、
エンディング前の決めカットの見事さに、
思わず「うわっ!」と歓声を上げた。
 
社会的常識をわきまえ、
自分の気持ちを抑え、
上役や会社の事情に自分を合わせることに慣れきった
クリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)。
 
独特の声質と、カラッと陽性の演技で、

各作で別キャラを演じ分けながら、
どの作品でもまぎれもなくユアン・マクレガーであるという構図は、
はからずも以前ならアレック・ギネスの立ち位置だったことからも、
SW新三部作(1999・2002・2005)でユアン・マクレガーが、
旧三部作(1997・1980・1983)でアレック・ギネスが演じたオビ=ワン・ケノービの
若き姿を演じたのは、ますます意義深い。
 
そんな「分別をわきまえた」クリストファー・ロビンが、
子供の頃の特異体験世界を再訪、
今も子供のままのプーたちと再会。
 
思ったことを遠慮なく口にし、
感じたままに躊躇なく行動するプーたちに、

クリストファー・ロビン一家は翻弄されまくるが、
どうにか事態を収拾しようと奔走するうちに、
何をどうすれば最善かが見えてくる。
 
ありがちで、「いや、だから」とか「それはさすがにあまりにも」と物事を単純理想化せず、
これまで必死にこだわって優先していたことも、
見方を変えればうんと後回しでいいことを気づかせてくれる秀作。
 
それにしても、
奔放すぎるプーたちのおかげで、
巻き込まれたロビン一家の騒動がハチャメチャで、

デジタルVFX、
もしくは、現場で黒子が隠れてパペット操作の視覚効果は、
周到な準備なしには実現できず、
決して場当たりに撮りっぱなしでは映像化できない。
 
なのにひるまず、
コツコツと撮影素材を根気よく撮りだめしたスタッフは超優秀で、
どう考えても脚本には書きあらわせない、
(あるいは脚本に書いているなら困惑必至の)
ドタバタ続きのドラマ展開を貫き通したことに脱帽。
 
つまり手に負えなくてハチャメチャになってるんじゃなく、
きちんと秩序立てて作っていながら、
表向きは無秩序に見えるというスゴ技の連発。
 

児童小説『クマのプーさん』もディズニーの『くまのプーさん』も未読未見だが、

それでも問題ありませんでした。

過剰に期待しすぎなければ、

たっぷり楽しめます。

 
ところで、画像や動画は洋画の場合、
日本語邦題(例:プーと大人になった僕)ではなく、
オリジナル英語題(Christopher Robin)で検索してるが、
明らかにユアン・マクレガー主演作とは異なる画像に多数行き着いた。
 
この作品は、サイモン・カーティス監督、ドーナル・グリーソンとマーゴット・ロビーが主演で、2017年に公開されたイギリスの伝記映画、
『グッバイ・クリストファー・ロビン』(原題:Goodbye Christopher Robin)。
 
 
日本国内で劇場公開されなかったが、2018年10月3日にDVDが発売された。
…と、今知ったばかりなので、当然未見です。
 
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