湯を沸かすほどの熱い愛 | アディクトリポート

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湯を沸かすほどの熱い愛

 

 

本作については、

この記事(湯を沸かすほどの熱い愛(2016))で取りあげたが、

作品の内容については詳しく触れなかった。

 

2017/12/20のテレビ放送の際に、

冒頭の数分を見逃したためである。

 

このたび、

Yahoo!映画レビューに登録したら、

本作の無料配信があったので、

あらためて見直した。

 

さすがに「知ってる話」だから、

意外で新鮮な驚きこそなかったが、

見始めたら引き込まれ、

最後までしっかり見通した。

 

直後の2019/3/8に、

日テレで『カメラを止めるな!』が早くも放送されたが、

CM中断前の冒頭40分までは見通したものの、

ブログ書きの作業も差し迫っていたため、

CMが明けた後半は流し見してしまった。

 

旬の作品だけに、

寿命も短期的で、

劇場公開から何年もためて放送してもしかたなかったんだろう。

 

『カメ止め』監督・脚本の上田慎一郎といえば、

お米とおっぱい。」(2011)が2019/3/11の深夜に放送。
 
機会は逃さなかったが、
こちらはすぐに鑑賞を控えてしまった。
 
観てても、ちっとも、
作品に惹きつけられない。
 
映画館の暗闇でスクリーンに集中してじっくり見入る強制的条件と、
家庭環境での視聴は大きく異なり、
のめり込めなくて当たり前。
 
余談だが、
先日(2019/3/9)放送された『インフェルノ』(2016)
シリーズ前2作
『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)
びんち
『天使と悪魔』(2009)
は映画館で観たので、
本編ノーカットでもありこれ幸いと漫然と観ていたが、
途中から事態急変。
テレビ放送の映画で、口をあんぐり開けて驚くとはね!
 
3作全てを監督したロン・ハワード、
こんなにしっかりできるのに、
どうして『ハン・ソロ』(2018)なんて…

 
 
 
テレビ放映される劇場用映画に話を戻すと、
ラ・ラ・ランド』のテレビ放映(2019/2/8)も見逃したが、
yuko
ちっとも惜しくないといおうか、
あの作品の魅力が、テレビ放送から伝わるとは、とうてい思えないんだが…。
 
何が言いたいかというと、
同じ映画をくり返し何度も鑑賞できることは希(まれ)で、
それに堪えられるように作られた映画はとても少ない。
 
とりわけ現代のように、
シネコンで興収だけで上映作も入れ替わるようになると、
いくら名作でもヒットしないとかからなくなるし、
リピート鑑賞に向いた映画作りもされていない場合がほとんどである。
 
しかるに『湯を沸かすほどの熱い愛』は、
二度目の鑑賞でも遜色なかった。
 
もちろん二回目の鑑賞なので、
知っていることの確認作業なのは否めないが、
それでも最後まで引き込まれてみた。
 
この映画のすごいところは、
当初に「こうだろ」と思い込んでいることが、
次々に覆(くつがえ)されていくところ。
 
 
(以下ネタバレ・赤字部分/鑑賞後にお読み下さい)
 
幸野双葉(宮沢りえ)は、
ダンナの幸野一浩(オダギリジョー)の愛人が置き去りにした、実の子供でもない連れ子の片瀬鮎子 (伊東蒼)
にまで深い慈愛を注ぐ。
血の通っていない子供にどうしてそこまで、
と思っていたら、
実の娘だと思っていた幸野安澄(杉咲花)まで、
結局は違っていて、
オダギリジョーのダメ男っぷりと、

宮沢りえの聖母っぷりがさらに際立つ。
 
聖母とはいっても、
殺伐、凄惨な現世に生きるため、
宮沢りえは逆境に泣き寝入りで屈したりせず、
抵抗や抗議の具体的な意思表示や行動をとる。
 
かくして、余命いくばくもない身の上にありながら、
彼女は遺された者たちに、生きる希望を与え続ける。
 
彼女に触発された、
血縁のない家族と知人、友人たちは、
聖母の生き様を心に刻むため、
いよいよの臨終の際に、独自の弔いの儀を行うことにする。
 
さて、ここで、
これまで書こうかどうか迷っていたが、
くしくも『湯を沸かすほどの熱い愛』の再鑑賞で、
やはり書かねばと思い立ったことを。
 
映画評でもそうだが、
世の中には相対する両極の意見が存在する。
 
「ヤマト2202」を「ひどい」と☆1つ評価の人がいる一方、
「それほどひどいか」と☆5つ評価の人もいて、
互いに相手の評価はどうかしていると、
やり込めることに躍起になりがち。
 
誰でも自分の価値評価基準をあてにするしかないわけだが、
どちらかが正当公正な評価なら、
もう片方の反対意見は間違ってるわけで、
たいていは「まともな」人は「まともな」裁定を下し、
「おかしな」人は「おかしな」判断と行動をする。
 
 
大学時代に、
私のやり方に常に否定的見解を述べる人がいた。
 
私は私なりの最善を熟考のすえに行っているので、
そう言われても…と困惑した。
 
その一方で失礼ながら、
私にはその人の判断や行動、考え方には首をかしげた。
 
大学時代から30年が経ち、
再会したが、
意見の相違はますます大きくなるばかり。
 
そんな人が、
ちょうど会合直前に放送された
『湯を沸かすほどの熱い愛』を観てはいたが、
こちらの絶賛称賛に対し、
その人はいたって否定的な見解で、
だからこそむしろ、あらためてこの作品の真価をつかんだ気がしたよ。
 
無料配信は3/31までだそうなのでお見逃しなく。
 
本作を知るきっかけとなってくれた筧美和子は、
最近のオススメ映画で、
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2015)
『恋しくて』(1987)
を挙げていたから、観てみようかな。
 
 
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