『男はつらいよ お帰り 寅さん』/シネコン・ウォーズ・13 | アディクトリポート

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『男はつらいよ お帰り 寅さん』

 

2020/1/9 丸の内ピカデリー シアター① M-18

 

まずは丸の内ピカデリーの話から。

有楽町マリオンの外観(2006年11月12日撮影)

 

昨年末に、

丸ビルの行幸地下ギャラリーの、

SWイベント撤去作業(12/25〜26)で、

意外な告知に出遭う。

 

それは、現場から最短距離で

『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』上映中なのは、

丸の内ピカデリーだという新事実。

 

というのも、丸の内ピカデリーといえば松竹系の劇場だけに、

東宝洋画系が配給の『スター・ウォーズ』は上映しないはずじゃ…。

 

松竹邦画系で上映された

『日本語版』1982/5/15とか、

1982

にほんだて
は別ですが。

 

いや、新宿ピカデリーなら『スター・ウォーズ』上映があったって理解しますよ。

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2008年7月19日以来、

シネマコンプレックス「新宿ピカデリー」(12スクリーン)ですからね。

 

となると、現在の丸の内ピカデリーもシネコンなのか?

 

調べてみると

歴史

  • 1924年7月:前身となる劇場『邦楽座』開業。
  • 1927年:パラマウント映画直営館として映画興行開始。
  • 1934年6月:『丸の内松竹』と改称し松竹キネマの封切館となる。
  • 1942年:戦時体制により設立された社団法人「映画配給社」により“白系”に属される。
  • 1957年:改築により『丸の内ピカデリー』『丸の内松竹』の2館体制となる。
  • 1984年10月2日:再開発により旧館2館を閉鎖。この日に合わせ「グレート・メモリーズ」と題した名作上映会を行う。
  • 1984年10月6日:有楽町マリオンの西武百貨店(当時)側9階に『丸の内ピカデリー1・2』として移転・再開業。
  • 1987年10月3日:有楽町マリオン新館5階に『丸の内松竹』開業。
  • 1999年6月12日:丸の内松竹が『丸の内プラゼール』に改称。
  • 2008年12月1日:丸の内プラゼールが『丸の内ピカデリー3』に改称。
  • 2011年3月1日:松竹本社から松竹マルチプレックスシアターズに経営移管される。
——ということで、
2008/12/1からは、丸の内ピカデリーは1/2/3の3館シネコンになっている。
 
同じ場所にある丸の内ルーブルだけは、

丸の内ピカデリーに統合されず。
  • 2014年8月3日:建物の賃貸契約期間満了に伴い閉館。閉館後、同館の椅子はかつての共同経営社である東映の直営館渋谷TOEIで使用されている。
  • 2017年7月7日:当館跡地に「オルタナティブシアター」(スタジオアルタ運営)がオープン。
 
そして丸の内ピカデリーは、わずか3館の小規模シネコンながら、
どうして東宝系配給洋画の『スカイウォーカーの夜明け』を上映中かと言えば、
 
競合関係にありながらも丸の内ピカデリー上映作品が並行して上映されているが、
2019年10月4日にドルビーシネマ専用劇場として
リニューアルされた丸の内ピカデリー3では、
ドルビーシネマ対応作品であっても東宝系として公開される映画は一部上映されないことがある。
 
——という事情があったけれども、
からほぼ2年が経過。
 
都内でSWのドルビーシネマ上映はここだけなので、
あえてSW最新作の上映に踏み切ったらしい。
 
とにかく『男はつらいよ』最新作『お帰り 寅さん』は、
老舗/本家の丸の内ピカデリー1で上映。
 
昔は『アマデウス』(1984)
 
『グレムリン』(1984)
等を鑑賞した洋画上映館だった。
 
近年、私の最後の鑑賞は『カンフー・パンダ』(2008)だったと記憶している。
 
私は『男はつらいよ』過去作全49本を、
1本も映画館で鑑賞した経験もないし、
いくたびも行われたテレビ放送さえ、
見通したことがない。
 
後継作『釣りバカ日誌』なら何本か映画館で鑑賞し、
松竹系上映館と、そこに詰めかける客層も感じをつかみ、
きっと『男はつらいよ』もこういう感じだったんだろうと予想はした。
 
渥美清が亡くなった1996年の夏は、
『SWアクションフィギュアアーカイブ』の準備で渡米しており、
アーカイブ
まだネット環境が未整備だったため、
日本の情報はロスのサンスイート邸にはまるで伝わらず。
sedes
 
数週後に合流した日本人に、
「なにか日本でニュースは?」と尋ねると、
「渥美清が亡くなったくらいかな」との答だった。
 
山田洋次監督作なら、
『母べえ』(2008)の時に試写/記者会見まで出かけ、
吉永小百合や檀れい(結婚・離婚前)や志田未来(結婚前)を遠目で眺めた。
 
『たそがれ清兵衛』(2002)
『隠し剣 鬼の爪』(2004)
『武士の一分』(2006)
——等の時代劇も観て、山田洋次の実力も知り、
今回『お帰り 寅さん』の評判もやたらと良かったため、
『シグナル100』の試写後に、
東映ビルから最短距離のこちらで鑑賞。
 
で、感想は?
 
前評判に違わず、
なかなかよかったですよ。
 
笑いとして用意されているところに素直に反応して笑い、
しんみり、ほんのりが準備されているところにも、あっさり反応しました。
 
役者では渥美清はもちろんながら、
妹のさくら役の倍賞千恵子が、
昔から抜群にうまく、
それは現在も変わらない。
 
桑田佳祐の主題歌にクレームが来てるらしいが、
結びにかかる渥美清の原曲を聴くと、
これには誰もかなわないと強く感じた。
 
鑑賞時にはそれを知らず、
良作としてあっさりすんなり受け入れた。
 
もちろん、ケチをつけようとすれば、
  • 諏訪満男(吉岡秀隆)が小説家に転向したというのは、『ALWAYS三丁目の夕日』の影響では?
  • 満男は書き下ろしの新作執筆を迷っているが、出版にこぎ着ける作家がどれだけいるかを考え併せるに、脚本兼任の山田洋次監督はおよそ作家の実態を把握しておらず、作家という職業観も、なんともお粗末に感じられる。
  • 及川泉(後藤久美子)との再会シーンは偶然にしても都合が良すぎる。
  • 2018年の11月という設定は、公開時期を決めずに撮影していたのだろうか。
——がないわけじゃないが、
若い時は情熱が先走って無謀な行動に出られるが、
歳を取ると相手への遠慮や気遣いが先だって行動をためらってしまう
——と言う本旨はよく伝わった。
 
デジタル技術による渥美清の「復活」画面は他愛なく、
そこに期待したって仕方ない。
 
私が思わず落涙したのは、
ラスト近くで歴代マドンナの映像が連続するシーン。
 
自分の女性の好みは、
色っぽい大人の女性ではないので、
太地喜和子なんかは名前すら浮かばないが、

劇中の少々オツムの足りない、はかなげさが思い出されてグッと来たよ。
そういや、
そっくりさん企画には賛否があって、
 
yawata9692
 
どうなんですかねえ(^^)
以前もヤマトなんかでソックリさんとかやられてますけど、流石にご自分の脳内補正が強くてなんか違う気がします(勿論悪口などではありません)
機嫌を損ねられたら申し訳ありませんが、センスを感じられず、ただのご自分の好みを主張されていると感じます(^^)
自分も似たような人間ですけどね。
 
これに果たしてどう対処したら良いのかと。
 
この方は「センスがない」とわざわざ書いてくるところから察するに、
「みっともないから、やめなさい」と警告してるんでしょうが、
私は「これが面白い」と確信をもって取り組んでるんで、
やめるつもりはありません。
 
何か意見を表明すれば、
「そう思う」という支持肯定派と、
「そうは思わない」という否定拒絶派に、必ず意見が別れます。
 
Youtube動画にも、支持か否定かを表明するボタンがありますが、
私は支持ボタンしか押さないし、
否定したくなる動画は、しょせん自分とは合わないんだから、
接触を断ちこそすれ、わざわざ否定ボタンを押しませんよ。
 
なぜかといえば、
意見表明のために手間ひまかけて実行している、
具体的な行動に敬意を表するからです。
 
読み手はスラスラ記事を閲覧し、
たちどころに「センスがない」と判断しますが、
こちらは自説の具体的例証に、
多大な手間と時間をかけてるんですよ。
関有美子♡
 
 
「好み」や「推し」を前面に出すのも、
忠告を受ける意味がわかりません。
 
なにしろ私は極度のメンクイでして、
『スカイウォーカーの夜明け』の採点が高めなのも、
レイ(デイジー・リドリー)の美しい顔がIMAXの大画面に大映しになっても、
悪夢のローズ・ティコ(ケリー・マリー・トラン)の顔がアップにならなかったからで、
その性癖はどうにもならないんですよ。
 
榊原るみ♡
るみおば
 
最後は脱線したので、
『男はつらいよ お帰り 寅さん』に話を戻すと、
まあ、この作品がすんなり受け入れられるってことは、
それだけ観ているこちらも歳を取ったってことでしょうね。