20180920_211146(0)昨日は京丸園のCL(建設的な生き方)を学ぶ会でした。

そこでは「自分との付き合い方のコツ」を話しましたが、その内容は次回に譲り、今日は昨日書いた「一人へのアプローチは、他の人へのアプローチでもある」ということについてもう少し書いておきます。

私は「一人へのアプローチは、他の人へのアプローチでもある」ということがわかると、人生の作り方が変わると思っています。

先日、ある会社に行ったところ、経営者の方から「12月に予定している視察旅行に、退職予定の役員(45歳)は連れて行かなくてもいいですよね」という話がありました。

この会社は老舗の旅館さんですが、社員さんの定着が良くなく、店舗のリニューアルを予定しているのですが、人の確保に苦戦していました。

そんな時、15年務めてくれた営業部長が来春での退職を申し出てきたため、その役員は一泊の視察旅行に連れて行かなくてもいいかと、質問をしてきたのです。

皆さんなら、どのように答えるでしょうか?

確かに「退職する人にお金をかけて、視察旅行に連れて行く意味がない」という考えは私にも理解ができます。

連れて行かなくても文句も言わないでしょう。

でも私は、「もし赤字でないのなら、連れて行ってあげてはどうですか?」と答えました。

それは「一人へのアプローチは、他の人へのアプローチでもある」という観点からすると、「辞めていく人間には、お金を使わない!」という経営者の姿勢が、社員の定着の良くない会社を作り、人が集まりにくい会社にしているかもしれないと思うからです。

昨日のブログに書いた事例の場合、もし経営者が仕事が出来ない人に対して「本当にダメだなぁ(能力が低いなぁ)」という対応をとったら、相対的に先輩たちは「あなたたちは優秀!」と言われた気がして、若い人を育てるよりも若い人のダメなところをあげつらうようになるかもしれません。

つまり、短期的に最も合理的な方法は、長期的には不合理な結果をもたらす場合が多いのです!

そうしたことがわからないと、短期的に最も的確な意思決定をしながら、なかなか成果が出ないというジレンマに陥るのです。

例えば、社長が高級車に乗りながら「業績が悪い!」「もっと頑張ってもらわないと困る」と言ったとしましょう。

それを聞いた社員さんは、やる気になるでしょうか?

それとも「よく言うよ!」と思うでしょうか?

自分の稼いだお金で好きな車を買うことは何の問題もないことです。

しかし、社員さんにすれば「そんなに給料をとっていて、俺たちをもっと働かせるつもりか!」と思われても仕方がないと思うのです。

自分に対して不愉快な態度をとって人に文句を言うことは間違いではないかもしれません。

しかし、その対応を周りの人は見ています!

愚かな人は、自分に対する態度を見てその人を評価しますが、利口な人は自分に対する態度よりも他の人への対応を見て、その人の内面を評価するものです。

ですから、まともな人ほど、そのときの対応によってその人から離れて行くと思うのです。

先日伺った新鮮屋さんの社長さんが、「さかえやさんは、退職が決まっている人にまでCL(建設的な生き方)の研修に参加させているのを見て驚きました!」と言っていましたが、だから「さかえやは人を大切にしている」と言ってもらえると思うのです。

もし「さかえや」が、これからも働いてくれる人にだけお金を使っていたら、「人(社員さん)を大切にしている」のではなく、「自社の業績を大切にしている」と見えると思うのです。

損得勘定が強い人の多くは、自分が見ている部分の損得しか見えていないから、なかなか良くならないと思うのです。

退職する社員さんに「これまで一緒にやってきたのだから、一緒に視察に行こうよ!」と言うのと、「退職するんだから、行かなくていいよね」と言うのと、皆さんはどちらのほうがいいと思いますか?

皆さんは、自分がどんなメッセージ(オーダー)を出しているか、わかっているでしょうか?

P.S.

京丸園さんが「GAP普及大賞2018」の受賞が決まりました!

テーマは「GAPを活用した障害者・高齢者と共に成長するイノベーションの取り組み」です。

それに際して10月3日13時から東京大学の弥生講堂でシンポジウムが行われます。

興味のある方は、ぜひ参加してみてください!

以前、鈴木社長と一緒にお茶の水大学で研究発表をしたときのことが思い出されます。

今日のひとこと
「目に見えることだけで、損か得かは決まりません!」


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