私的女性ロックバンド考


僕は中学生の頃からロックを聴いているが、女性ミュージシャンに対しては殆ど興味を持つことはなかった。
曲によっては良いなと思うことは、勿論あった。でも、当時は男性ミュージシャンと比べると、物足りなさが残っていた。特に技術面。
ヴォーカリストは上手い人は昔からいても、クラシックを除いて楽器陣に関しては男女同列で評価できる人は少なかったのが、その要因だ。

また、ルックス先行で手っ取り早く人気を得ようと考えた(と思われる)グループが、長続きせず、知らないうちにシーンから退場していく様は、生き残りの厳しさよりも、芸能界の縮図的なものを感じたものだ。


ガチャリックスピンを知ったのは何かの広告だったと思う。Band-Maidですら初めて見た時は速攻でスルーしたくらいなので、新バンドがロックファンに音を聴いてもらうのは、殊の外、敷居が高い。それでも、YouTubeが広まったおかげでちょっとは変わってきているが。

今では本人もあっけらかんと話しているように、ガチャピンのリーダー古賀さんは元グラドル。
Funky末吉さんがブログでちょっと言及した時に、僕以外の助平男も、きっとググったことだろう。
ベースマガジンの特集記事で登場した時もフェロモン出しまくりだったので、当然雑誌の売れ行きにも「かなり」影響した。
僕はそのあたりからガチャピンを聴くようになり、暫くはお気に入りのバンドだった。

知らない人の為に書いておくと、2009年に結成後、何回かのメンバーチェンジを経て、現在は6人編成(第5期)。音楽性も少しずつ変わってきている。
特異な感じがしたのは、ダンサーを入れていた時期。試みとしてはすごく面白く、特に「まい」「ねんね」の2人が在籍していた頃はこの形態のピークだったと思う。とくにねんねがピアノを弾けるので、マルチプレイヤーが多いバンドとしての可能性が大いにあった。

まいが脱退し、新たにバンドの編成が変わったのが昨年初頭。
加入予定だったヴォーカリストが辞退するというアクシデントもあり、当人たちは気が気でなかっただろう。


今回「Gacharic Spin 87(はな)の日スペシャル Live Blu-ray おうちで一緒に見よう会」と銘打って開催された映像は、その時のツアーファイナルとして販売されているもの。なんて太っ腹。
メンバーが各SNSに降臨し、同時進行で皆とやりとりするという趣向。
面白そうだったので参加を即決した。

当日は夜8時7分から...のはずが、8時15分からスタート。


ライブ本編の感想(気になった曲のみ)


■Stay gold...
既発シングルやベストアルバムに収録されている曲。
はな&オレオのハモリが実にガチャピンらしい。
パートチェンジしてドラムからギター担当になったはな兄さんは、涼しい顔でともしゃんとツインリードを披露。この人は、本当に音楽をやるために生まれてきたのだろうね。天才。

■最後のピース
僕のお気に入りの「連星」に通じる雰囲気を感じる。
アンジーの歌は結構良かった。

■your place
フロントの3人が一緒にステップを踏むのは良いのだけど、
アンジーのことを考えたらどうだろうか。
ヒューストン公演の時から変わらず、バンドの見せ方としては疑問符が付く。

■JUICY BEATS
原曲は初代ボーカルのArmmyが歌っていた。声質が近いアンジーが歌うと、オールドファンは喜ぶのではないか。
特筆すべきは、このヘヴィなリフ。考えたの誰?
なんとなく、はな兄さんのような気がする。

■KAKUHEN
オリジナルよりヘヴィな印象になった曲。
Keyソロは、相変わらずTOTOのロザーナを思い出させる。

まいとねんねによるロボットダンスを、アンジーとサポートダンサーがトライしていたけど、ゴメン。無理だワ。花がない。
10周年のお祭りなのだから、ガチャダンの3人を呼べば良かったのに。

EITAもArmmyもそうだけど、辞めたメンバーとの交流が途絶えるというのは勿体ない気がする。

■赤裸ライアー
"これが俺だ!"と言わんばかりの、KOGAさんのスラップから始まる。
当時はガチャといえば、スラップというイメージを作りたかったのかな。

この曲も同じくヘヴィになった。
サポートダンサーがもう一人出てきて計三人で踊った。

■NEXT STAGE
ここではなんといってもツインドラムを観なければ。
はな兄さんは、ガチャのドラマーではなくなったにもかかわらず、スキルを維持しているのは本当にスゴイ。普段から練習しているのに違いない。

■TAMASHII
ツインドラム体制が続く。
ここでのKeyソロはとても良い。

■ヌーディリズム
Armmyが脱退し、オレオ様が加入(当時は加乳と言われていた)
2.5期を代表する曲。はなオレのハモリがすこく好き。
当時のように4人で演奏。

メンバーが上半身を脱ぐ、タイトルから安直な発想したと思われるPVより、ライブの動画の方がとても良い。こちらを「正」にするべきだと思っている。
ほっそりした(失礼)オレオ様は他ではあまり観られない。

この曲の後にやった、ともしゃんのメンバー紹介は、すごく面白かった。
1周年のライブと比べると、所々に笑いを入れるスキルが格段に上がっているのが分かる。

■Redline
この曲は、はな/オレオのハモリが好き。
PVで、まいが披露しているダンスは、流石にアンジーでは無理か。
まいが歌っていたパートはyuriが担当。

■Lock On!!
ガチャのファンになった直後、本当にヘヴィロテしてた。
赤裸ライヤーと同じく、スラップが炸裂する曲でだ。
海外のファンが、「10年ベースを弾いているけどこんなプレイはできねぇよ」と書き込んでいるのを見つけてニヤっとしたものだ。
「私だけにね」というところでやっていた決めのフォーメーションが無かったのが寂しい。

曲目リスト


1. OPENING
2. Stay gold...
3. 最後のピース
4. LosT AngeL
5. 今を生きてる~2019年 秋~
6. Don’t Let Me Down
7. your place
8. JUICY BEATS
9. KAKUHEN
10. 赤裸ライアー
11. NEXT STAGE
12. TAMASHII
13. 逆境ヒーロー
14. ヌーディリズム
15. ファンタジーメドレー
16. TOMO-ZOのおしゃべりコーナー
17. シャキシャキして!!
18. ハンティングサマー
19. More Power
20. Redline
21. ゴー!ライバー
22. 宝物 -Encore-
23. 超えてゆけ -Encore-
24. Lock On!! -W Encore-
25. ENDING -W Encore-