「ねこじたゴリラ堂」お店ブログ。

東京都小平市花小金井にある、中古の絵本専門の小さな絵本屋です。

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【休業期間終了のお知らせ】




国の緊急事態宣言と、東京都の休業要請を受けて、



4月11日~5月6日
5月6日~5月25日




まで、休業をしておりましたが、26日から段階的緩和に入りましたので、今日から開店いたします。よろしくお願いします。



店主がお客様のご要望に合った絵本を丁寧に選んでお届け致します。送料無料です。
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[営業時間]  10:00~18:00

[定休日]    水曜定休。(他、不定休があります。)

[住所]     東京都小平市花小金井5-29-10 

[E-mail]     satotadahiro.tokyo@gmail.com



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東京都の営業自粛要請は、6日まででしたが、自粛延長の要請が出たことと、まだまだ、感染拡大には至ってないという個人的な感覚からも、ねこじたゴリラ堂の休業を延長したいと思います。


これまで通り、通信販売と、予約を入れて頂いた上での販売・買取業務はお受けしますが、店舗は基本的にクローズになります。

再開がいつになるかはわかりませんが、どうぞ、よろしくお願いいたします。

皆様におかれましても、外に出れず生活に支障も出て、ストレスが貯まることも多くなりがちであることかとは思いますが、どうぞ、お体に気をつけて過ごされますようお祈りいたします。






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久しぶりに絵本紹介を。


お話は、森に住んでいるくまの、仲良しのことりが死んでしまうところから始まります。

ことりとの楽しかった日々を思い出し、いなくなってしまったことを悲しみ、ことりの死骸を、小さく綺麗な箱に入れて、どこに行くときも持っていく、くま。

森の仲間に出会うと、「すてきな箱をもってるじゃないか。いったいなにが、はいっているの?」と聞かれるわけですが、中を見せると、皆、驚き困惑します。

そして言う。


くまくん、ことりはもうかえってこないんだ。つらいだろうけど、わすれなくちゃ」


と。

まあね、当然ですね。いくら愛しい相手だからといって、その悲しみが深いからといって、亡骸を常に持ち歩くというのは、他者からの困惑を生み、釘を差されるような物言いをされるのも当然です。

ですが、「愛する人の喪失」というのは、それほどまでに強い悲しみを生むということも当然のことであり、その悲しみは、誰かと比較出来るものでもなく、「いつまで悲しんでるんだ!」って言われて消えるようなものでもない。


くまは、鍵を閉ざし、心を閉ざし、家の中で1人で陰鬱な日々を過ごしますが、ある日、久しぶりに窓を開けると良い天気だったので、外に出てみることにします。

そこで、寝っ転がっていたやまねこに出会い、彼に箱を見せて欲しいと言われ、ためらいつつも見せるわけですね。

そこで、やまねこは言います。


「きみは このことりと、ほんとうになかがよかったんだね。ことりがしんで、ずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね」


そんなことを言われたことのないくまは、驚くわけですが、やまねこは持っていたバイオリンを出し、「きみとことりのために、一曲えんそうさせてくれよ」と言って、メロディを奏でるわけですが、それを聞いてくまはたくさんの思い出を思い返し、なにがしか、悲しみとは違う感懐を得ます。

この場合は、やまねこの共感の言葉と鎮魂の音楽が、くまの心に触れたということでしょうが、悲しみを癒やすプロセスとしての1つの素晴らしい形を示した作品だと思うんですね。

全編、白と黒のモノトーンの絵で表現され、お話全体に漂う死の悲しみを、衝撃的なほど強く印象づけています。

いくつか書評を見てみると、「大人向けの絵本」ってことを言っている人が多いですが、私はそうは思いません。

小さい子供が読んでもわかるし、簡単に人が死に復活するようなゲームや漫画、アニメとは全く違うインパクトをもたらす物語であると思います。

ただ、1つ言いたいのは、この絵本に限らず、「わすれられないおくりもの」なり「葉っぱのフレディ」なり「100万回生きたねこ」なり、死や喪失を描いた作品を、たとえそれが素晴らしい名作だとしても、愛する人を失った悲しみを抱えた人や、苦しみの底にいるような人に、無理やり与えるようなことはオススメしません。

たとえ、それが善意であっても、死の苦しみ、悲しみや喪失感というのは、どこまでいってもその人個人のものであり、苦痛がなくなったのか消えたのか、今でもずっと変わらずに残っているのかは誰にもわからないもので、安易に「名作だから読んでみて♪」っていって渡すことは、危険です。

ですので、明らかにそういう心の痛手を抱えている人に薦めるのではなく、フラットな思いでいる人に「愛する人を失う喪失感と、その悲しみ・苦しみを受容していくプロセスを提示した物語の名作」としてオススメしたいと思います。


「愛する人を喪った人に読んで欲しい」というより、「愛する人を喪った人がそばにいて、その人が強い悲しみと苦しみの中にいる時に、周りにいる私達はどういう人間であればいいのか?ってことを考えたい人に読んで欲しい」っていう意味でオススメしたいですね。




くまとやまねこ
湯本 香樹実
河出書房新社
2008-04-17












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