ASKA『SCENE』『SCENE2』リミックス盤発売と「月が近づけば少しはましだろう」
今週は、11月21日にASKAさんのアルバム『SCENE』『SCENE2』リミックス盤が発売となりました。
『SCENE』は、1988年に発売となったASKAさんのソロデビューアルバム。
『SCENE2』は、1991年に発売となったASKAさんの2枚目のソロアルバム。
どちらも大ヒットを記録しました。
2005年には、『SCENE3』発売と同時に『SCENE 1 & SCENE 2 LIMITED EDITION』として、再発売となりました。このときは、音が良くなっていることに驚きました。
そして、今回の『SCENE』『SCENE2』リミックス盤は、さらに音が良くなっています。技術の進歩は、どこまで進むのでしょうか。
いずれは、生音を聴いているのと全く同じ音が聴けるようになるのでしょうね。
私は、今回、『SCENE』を購入しました。理由は、もちろん「大人じゃなくていい」がアルバム初収録となったからです。CDとしても初収録だそうです。
私は、ごく平凡なサラリーマンですから、同じアルバムを3枚目となると、さすがに購入を迷います。でも、「大人じゃなくていい」初収録と特典クリアファイル付きとなると、もはや買わざるを得ません。
そんなファンの数に加え、事件後に新たなファンになったファンの数が結構いるんだ、と感じたのがオリコンデイリーアルバムチャートですね。
何と初日、『SCENE』が25位、『SCENE2』が28位にランクインしているではありませんか。
『SCENE』が上にいるのは、明らかに「大人じゃなくていい」の影響でしょう。
「大人じゃなくていい」を聴いて感じるのは、やはり若さですね。20歳やそこらの男女を描いていると考えられます。歌い方にも若さを出していて、大人社会に揉まれていない純粋さが垣間見えます。
これまで、アルバムに収録してこなかったのは、当時の若さの感覚からASKAさがどんどん離れていって、新しく出そうとするアルバムの趣旨となかなか合わなくなってしまったからではないか、と勝手に考えています。
おそらく「cry」がこれまでずっとアルバムに収録されてこなかったのも同じ理由ではないでしょうか。
そして、今回、「cry」や「大人じゃなくていい」が根強い人気を誇っていることが明らかとなり、ASKAさんが事務所の意向に縛られなくなったのも功を奏して、ついにアルバム収録が実現したのでしょう。
SCENE - Remix ver. - [ ASKA ]
4,000円
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SCENE2 - Remix ver. - [ ASKA ]
4,000円
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さて、今週は、私が愛読している人気ブロガー虹野かなたさんがブログ記事でASKAさんの「月が近づけば少しはましだろう」を語ってくれました。
ASKA「月が近づけば少しはましだろう」ー上質な比喩で歌詞を紡ぎ出す達人は”天性の声”で伝える
https://ameblo.jp/takamine561c/entry-12420325925.html
この記事で、今まで私がしっくりきていなかった「小さな滝」の意味がしっくりくるようになりました。
私は、これまで「小さな滝」の意味を、「厳しい言葉を浴びせられて、瞳から零れ落ちる涙だ」と考えていたんです。
しかし、虹野さんは、厳しい言葉を浴びせられて、その言葉をシャワーを浴びながらまた考えるシーンだ、ととらえられています。
虹野さんの見解に、すごくしっくりきて、その情景が鮮明に浮かんできました。
外で他人から誹謗中傷の言葉をかけられ、帰宅して風呂に入り、疲れた体に降り注ぐシャワーを浴びながら、またあの言葉を思い出しては考える。
まるでシャワーを浴びているかのように、あの言葉が何度も繰り返し自分の心へ滝のように降り注いでは、積もっていく。
いやあ、すさまじい感性と描写ですね。
ASKA「月が近づけば少しはましだろう」 (Live at ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008 "SCENE")
ASKAさんの繊細な感性は、先日のNHKニュースウオッチ9のインタビューで、1990年代のチャゲアスブームを語ったときにも感じました。
「"はやり"のあとには"廃り"が来るじゃないかと。
そういう気持ちになったとき、実は一番世の中に認知されているときに一番恐怖を持っていましたね。
30前半ですよ。
そのとき残りの人生を考えたときに
『今ピークなんだ このあとには下降がある』
それはそれは恐怖だったですね」(NHKニュースウオッチ9 インタビュー)
そんな感性を持っているからこそ、ASKAさんは、今でも人々の心に響く楽曲を次々と生み出せるのでしょう。
名曲を生み出すには、極めて繊細で鋭敏な感性が必要なんですね。