ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ロケットマン

2019-08-22 23:10:28 | ら行

「キングスマン」(15年)タロン・エガートンが

エルトン・ジョン役。

なにより、歌っていて、激うま!

 

「ロケットマン」71点★★★★

 

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1947年、イギリス郊外の街。

のちにエルトン・ジョンとなる少年レジナルド・ドワイトは

厳格な父親と、子どもに無関心な母親の間に生まれた。

 

ケンカの絶えない両親に翻弄されながらも

彼は、一度聴いた曲をすぐにピアノで再現できる

天才的な音楽のセンスを神からもらっていた。

 

ミュージシャンになることを夢見る彼は

エルトン・ジョンと改名し、レコード会社に自分の曲を応募する。

そこで彼は同じ応募者で作詞をする

バーニー・トービン(ジェイミー・ベル)と出会い、

彼と曲を作ることに。

 

耳馴染みよく、人の心を動かすメロディアスなエルトン・ジョンの曲と

バーニーの歌詞は相互作用をもたらし、

正式にデビューが決まるのだが――?!

 

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存命の大ミュージシャンの半生を劇映画で描くって

かなーりチャレンジングだと思う。

てか、想像しただけでプレッシャーですよね?

 

でも本作は

まず描かれる本人、エルトン・ジョンが製作総指揮を務め

さらに監督はあのすったもんだあったらしい

「ボヘミアン・ラプソディ」(18年)

最終的に監督を務めた

デクスター・フレッチャー。

 

 

彼の見事な織り上げのもと、

当事者含め、みんなの「よし!」を形にしたであろう

クオリティになっていると感じました。

 

エルトン・ジョン、もちろんその美しい曲を知ってはいたけれど

たぶんに「スキャンダラス」な印象もあったのは事実。

 

そんな彼が幼い頃、神童だったことも初めて知ったし、

改めて稀代のメロディメーカーであり、

真正ポップスターなんだなあと思わされました。

 

というのも

エルトン・ジョンを演じるタロン・エガートンががんばってるんですよ。

歌も歌ってて、うま!だし。

さらにエルトン・ジョン作品で作詞をし

かけがえのないパートナーとなる

バーニー役のジェイミー・ベル(最近では「リヴァプール、最後の恋」もよかった!)もいい。

二人の関係の、愛情?いや、友情?――という描写がキュンとさせ、魅せるんですねえ。

 

あの名曲「ユア・ソング」が生まれる

この辺りの描写が、エモーショナルのMAX(笑)

 

ただ

成功→マネージャーの裏切り→酒やドラッグに溺れる・・・・・・という

ミュージシャンの墜落人生は

お話としては定番でもあり、

ラストに向けた小走りな「まとめ」感も

ちょっとバランスはよくないかなあと思った。

 

それでも

幼いころかに周囲から、愛を得られなかった

エルトン・ジョンの苦しみには十分共感できたし、

どん底でも「自分で立ち直れ!」と言ってくる

友・ジェイミー・ベルの存在は

やっぱりグッとくるんですねえ。

 

なにより、いまエルトン・ジョン氏が

満たされて、しあわせであろうことを

心の底から「よかった!」と思えるのでありました。

 

★8/23(金)から全国で公開。

「ロケットマン」公式サイト


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