日本初!! ★胎盤・へその緒外来!! | へその緒のはなし

へその緒のはなし

「へその緒」を研究する産婦人科医のブログ。
かつては、みんながお世話になったはずである「へその緒」の神秘的なしくみと、その異常への挑戦を語る。

お久しぶりです!

 

まじめにお仕事していました。。

このたび長年あたためていました 「胎盤・へその緒外来」 を新設しましたのでお知らせです!!

 

 

胎盤・へその緒の出生前診断

 胎盤やへその緒の異常ですが、赤ちゃんの病気と同様に、昨今の詳細な超音波検査によって妊娠中に知ることができます。また、それらの異常が悪化している徴候についてもある程度予測が可能です。この妊娠中の超音波診断と適切な妊娠中の管理、分娩方法の選択によって、随分と助かる赤ちゃんが増えてきています。

たとえば、へその緒の異常のなかでもトラブルの多い前置血管では、分娩前に超音波診断されていなかった場合の赤ちゃんの生存率は44%しかありませんでしたが、分娩前に診断されていた場合は97%の生存率になるという報告1があります。超音波診断によって、その他の胎盤やへその緒の異常も同様に改善が見込まれます。

私たちは、このようなすべての赤ちゃんと母体に避けて通ることのできない胎盤やへその緒の問題について、日々研究と対策に取り組んでおります。情報化の進んだ今、いろいろな胎盤やへその緒の病気の名前と概要を知ることはできるかと思います。しかし、胎盤・へその緒はひとつひとつ赤ちゃんによって違いますし、最善の対応策もケースバイケースです。とくにネット上にある胎盤やへその緒の情報については悪い結末ばかりが目立ちます。胎盤やへその緒の異常があっても母児ともに健やかに退院されている方はたくさんいます。私たちは、胎盤やへその緒の異常を積極的に見つけて、それによるトラブルを予防するという姿勢で医療を提供しています。

 

受診について

胎盤やへその緒の異常は、赤ちゃんだけでなく母体の生命に危機を及ぼしかねない異常です。当院で健診中の妊婦さんには中期精密超音波検査や妊婦健診において、チェックすべき週数にすべての胎盤・へその緒の異常の有無をチェックしております。なにか異常があればお知らせしますとともに、適切な対策を講じます。ですので、本外来を特別に受診する必要はありません。

他院で健診中の妊婦さんで、胎盤やへその緒の異常を指摘された場合、当院でのチェック、相談、分娩希望などがあればいつでも受診可能です。

受診される場合、健診中の医療機関から当院メディカルサポートセンターに予約し、紹介状をお持ちいただいたほうがスムーズです。紹介状なくセカンドオピニオンとして受診することも可能です。診断確定後、お近くの医療機関で健診を受けていただき、リスクのある分娩期近くになってから当院で健診、分娩することも可能です。また、すでに赤ちゃんを亡くしてしまって悩んでいる、次回の妊娠に不安があるといったご相談にも対応いたします。

 

【対象となる主な胎盤・へその緒の異常】

 

前置胎盤・低置胎盤・癒着胎盤・胎盤早期剥離・絨毛膜下血腫、胎盤腫瘍

 

卵膜付着・辺縁付着・前置血管・過捻転・臍帯巻絡・臍帯下垂など なんでもOKです。

 

詳細はこちらより ↓↓


 

 

 

1.         Oyelese Y, Catanzarite V, Prefumo F, et al. Vasa previa: the impact of prenatal diagnosis on outcomes. Obstetrics and gynecology. 2004;103(5 Pt 1):937-942.