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オプジーボは万能薬?
公開. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約2分45秒で読めます.
1,609 ビュー. カテゴリ:免疫チェックポイント阻害薬とは?
ヒトには、病原菌や癌細胞などの異物を排除する免疫機構が備わっている。
しかし、過剰な免疫反応は、アレルギーや自己免疫疾患などをもたらすため、活性化し過ぎないように、ブレーキ役として働く分子が幾つかある。これらを総称して免疫チェックポイント分子と呼ぶ。免疫チェックポイント阻害薬は、この分子を標的とした抗体医薬である。
癌細胞は免疫チェックポイント分子に結合する分子を発現し、T細胞による癌細胞に対する免疫反応にブレーキを掛けることで免疫機構から逃れている。
これに対し免疫チェックポイント阻害薬は、癌細胞が発現する分子と競合して、免疫チェックポイント分子と結合することで、T細胞の活性化状態を維持し、抗癌作用を発揮させる。
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫反応を高めることで抗がん効果を示すことから、様々な癌で効果が得られる可能性があると期待されている。
2019年8月現在、免疫チェックポイント阻害薬として、オプジーボ、ヤーボイ、キイトルーダ、イミフィンジ、バベンチオ、テセントリクがある。
現在、臨床応用が進んでいる主な免疫チェックポイント阻害薬には、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体などがあります。
抗PD-1抗体:キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、オプジーボ(ニボルマブ)
抗PD-L1抗体:バベンチオ(アベルマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、イミフィンジ(デュルバルマブ)
抗CTLA-4抗体:ヤーボイ(イピリムマブ)
オプジーボの作用機序
オプジーボ(ニボルマブ)は、従来の殺細胞性抗癌剤や分子標的薬とは作用機序が全く異なる免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる新薬。
活性化したリンパ球(T細胞、B細胞、ナチュラルキラーT細胞)や骨髄系細胞に発現する受容体であるPD-1をターゲットとしている。
通常の免疫機構においては、T細胞は癌細胞を認識し、細胞傷害活性を発揮する。しかし、癌細胞はT細胞からの攻撃を回避する機序を有している。
その1つとして、PD-1のリガンド(PD-L1、PD-L2)を発現して、活性化されたT細胞に発現するPD-1と結合し、T細胞の働きを抑制する。
オプジーボ(ニボルマブ)はPD-1に結合することで、PD-1とPD-L1、PD-L2が結合するのを阻害する。これにより、T細胞の活性化状態を維持して、抗癌作用を示す。
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