土佐清水「未」ジオパーク(3)四国最大の海岸の滝他 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<足摺三景の海食洞や魅力的イルミネーション>

※番号は第1回からの通し番号

 

(15) 歯朶の浦洞門

土佐清水市は四国随一、海食洞や洞門が多い地域でもある。国道321号の貝ノ川にある片粕トンネルの南を迂回する旧国道の、東寄りの海面に歯朶の浦(しだのうら)洞門はある。

洞門内は海中のため、入れないが、すぐ西の磯には、笹立橋北方の崖より、設置されたロープを掴みながら下りることができる。

トンネル東口からは通行止めで行けなかったので、西口から行かれたい。

 

(16) 趣向を凝らしたイルミネーション

「世界」及び「日本」の登録ジオパークでは、恒例の祭りやイベントもスポットとして認められている。

 

市内では一時期中断していた、約20万球の「天神バックストリート・イルミネーション」や約3万球の「田平公園イルミネーション」が美しい。

前者は天神町の市道沿い約200メートルの区間の民家や商店が、それぞれ工夫を凝らしたイルミネーションを飾り付けるが、大規模なメインの広場以外では、吉本書道教室のねずみ男の「妖怪ラーメン屋台」や、その東のトトロのバス停が人気。トトロの上にあるレトロな電灯はパネルではなく、本物。

田平公園も毎年趣向を凝らしているが、池にイルミの船を浮かべ、メインの場所には年によって富士山や洋風の城、金閣寺等の巨大なイルミを設置している。それが池面に映り、「逆さ富士」や「逆さ城」になる。

 

(17)長碆海食洞(仮称)

海面に落下する千崎の滝(仮称)や観音ウド展望所を遠望する地、長碆の「西の鼻」北東にある海食洞。洞内へは余程の干潮時でないと入れないかも知れないが、石柱がある海食洞は珍しい。

ここへの歩道入口は民宿西田の向かい辺り。コース沿いにはドルメン風のもの等、いくつか巨石がある。これらも巨石文明遺構なのか否かは不明。

 

(18)千崎の滝(仮称)

当方は毎年、ネット初公開となるマイナー景勝地や史跡を紹介してきたが、この海岸に落下する千崎の滝は探訪コース、現地写真、河川名がネット初公開。歴代の初公開景勝地の中でも随一の景観を誇る。

 

落差は30m以上あるものと思われるが、水量は大谷千万滝よりも多いから、探訪できる中では四国最大の海岸の滝になるであろう。

当方は往路、道なき山中を適当に進んで行ったが、迷うといけないので、「足摺パシフィックホテル」の西沿いの敷地内道を南下し、ホテルとその寮を結ぶ廊下のドアを開け、内部の右手にある休憩所にいる従業員に敷地内通行の許可を得て、反対側のドアから裏手に出て、浄化槽から千崎川沿いを適当に下れば良い。

滝の天辺までは5分ほどだと思うが、滝の全貌を見渡すには、南東から南西に1分ほど進み、岩の上によじ登らなくてはならない。登る時はいいが、跳び降りる際の草地への着地時、バランスを崩さないように。

※上の写真は、その岩(写真中ほどの崖のやや左側)を観音ウド展望所からズームしたもの。

 

(19)観音ウド(洞)

絶壁下の海面に開く海食洞で足摺三景の一つ。洞の左側では波が渦を巻く等、荒々しい景観も見られる。展望所(下方の図)もあり、周辺の切り立った海崖から太平洋まで絶景が望める。

にも拘わらず、観光ガイドブック等に掲載されることもなく、公道沿いにも案内板すら出ていない。探訪道は足摺パシフィックホテルの西側にある。ここを訪れるのは近所の住民とホテルの客だけではないかと思われる。

案内板が出ていない理由は、昭和期の足摺岬の展望台が抱えていた、ある「悩み」と同じではないかと思う。

 

(20) 尻貝洞門

尻貝の浜にある海蝕洞門はジオパーク登録推進中、「土佐清水ジオパーク推進協議会」が発行した短冊型ガイドマップには記載されていたが、ジオパークの公式サイトには載っていない。浜への降り口の崩壊箇所を直す資金が不足しているからなのか?

大小二つの洞門があり、小さい方の洞門は抜けると岩のL字型塹壕のような通路になって、波打際に出る。

その先にある大きな洞門は入口の奥に砂が堆積していたため、出口側から入洞した。故に探訪時は長靴を履いた方がいいかも知れない。→詳細記事

 

(21)叶崎の野良猫スポット

切り立った岬や地殻変動の地層が如実に分かる叶崎はジオパークの公式サイトにも記載されているが、岬の四国のみち休憩所付近が県西部有数の野良猫スポットであることには触れられていない。

猫たちの世話は大津漁港かどこかの漁港で働く主婦らが行っている模様で、餌は人間が食べる魚を処理した残りの部位等。

 

ただ、本土の野良猫スポットはどこでもそうだが、人間に自ら近寄ってくる猫はいない。故に餌を持参し、工夫して触れ合うしかない。

尚、叶崎も昭和期の足摺岬展望台と同じ「悩み」を抱えている。できれば猫によって払拭して貰いたい。

 

以上、3回に亘って21ヶ所のマイナースポットを紹介してきたが、土佐清水市の魅力を再発見できたのではないであろうか。千崎の滝は現在の足摺岬展望台のように、監視カメラ付き展望台を設置し、探訪受付を足摺パシフィックホテルが行えば、安心して探訪でき、四国有数のインスタ映え観光地になるのではないだろうか。

是非そうして貰いたい、という方は下のバナーを是非。

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