ちーーっす。
「天皇の料理番」
もう何回リピート視聴してるかわからなくなりました。
契約期間はどんな映画もドラマも見放題なんですけど、他には興味わかないんですよね~。
脚本の森下佳子さんの作品を追いかけるってのもありかと思いながらも、なんていうか、今回この作品にこれだけ感じ入るものがあるということは、これになにか私にしかわからない価値が隠されているのではないかとも思えまして。
おぼろ豆腐。にがりがあれば簡単に作れます。
森下さんの脚本の特徴は「派手ではないながらも心にしみいるセリフ」だと言われています。たしかにたしかに。
観るほどにセリフに深い奥行きが感じられます。
でも、この物語の魅力は他にもあるように思えました。
それは、主人公の視野が広がる(視点が上がる)ことが物語展開のポイントになっていることです。
つまり、「主人公の意識が進化することで問題が問題でなくなる」というエピソードの作り方がされているように思えるのです。八方ふさがりの暗かった場所が、ふいに四方の緞帳がすべて開いて次に進むべき道がはっきり見える。そんな瞬間が演出されている。
それが、観ていて快感なのですよね。
主人公への罪悪感を抱いてしまったある登場人物が、過去にとらわれるあまり進化できないのとは対照的です。
主人公の意識の変化は彼のセリフに現れます。それが発せられると、それを聞いた周囲の人物の意識がこれまた進化する。
人を目覚めさせる力のある言葉というのは、相手を否定して変えようとする意識からでてくるものではないのですよね。広い視野をもつ言葉こそが相手の心に働きかけるのです。
だから、それは「説得」とかとはまったく別物なのですよね。
これ、人生と同じなんじゃないでしょうか。
実のところ、たとえば誰かとの確執というものはその誰かにぶつかることで解消されることはないんです。
なぜなら「問題はそこにはない」から。
気づくべき何かに気づきさせすれば、私たちはその「問題」を手放すことができる。私達が目覚めて意識を進化させることができれば、問題にみえたものは問題ではなくなり、しまいには相手はその舞台から平和に退場するのです。
これが、人生の秘密なのですよね。