■本当の「鐘」とラフマニノフの多声 | 愛の夢のつづき

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26日の演奏会で私が演奏させて頂く

 

作曲家・ラフマニノフの音楽について

 

書かせて頂きます。

 

 

まず、「鐘」から。。

 

 

私が演奏するピアノ曲「鐘」の本当の名称は、

 

(幻想的小品より)

 

 前奏曲 嬰ハ短調 Op.3 No.2

 

です。

 

ラフマニノフは、この曲に、

 

これ以上のタイトルはつけませんでした。

 

これについては、後述します。

 

 

 

ラフマニノフの書いた、本当の「鐘」、

 

合唱交響曲「鐘」Op.35 を

 

お聴きになりながら、お読み頂ければ幸いです。

 


Rachmaninoff: The Bells / De Klokken (Kolokola) - Radio Filharmonisch Orkest

 

第1楽章 アレグロ、マ・ノン・タント
若さを表す銀の鐘。(鈴。そりのイメージ)明るいテノールの独唱があります。

第2楽章 レント
婚礼に響く金の鐘。愛と幸福。美しいソプラノの独唱があります。

第3楽章 プレスト
真鍮の警鐘。騒乱、人々の恐怖などを混声合唱が描きます。

第4楽章 レント・ルグブレ
弔いの鉄の鐘。バリトンが哀しみと同時に永遠の眠りの安らぎを表現します。

 

 

■編成

 
声楽
    ソプラノ独唱、テノール独唱、バリトン独唱、混声合唱
管弦楽
    フルート4(うち1はピッコロ持ち替え)、オーボエ3、コーラングレ、
クラリネット3、バスクラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、
ホルン6、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、
鐘4、グロッケンシュピール、トライアングル、タンブリン、スネアドラム、
シンバル、バスドラム、タムタム、ピアノ(Pianino=アップライトとの指定がある)、
チェレスタ、ハープ、オルガン、弦五部

 

 

ステージに何人載っているのか💦

 

これでも全員は見えていないのです。

 

 

これぞ、ラフマニノフの真髄、とも言える

 

もの凄い多声の(つまり声部の多い)音楽です。

 

 

こういう曲を書く作曲家なのだという事を

 

ラフマニノフのピアノ曲を弾く時には

 

思い出したいですよね。

 

 

書いてある音符を、1個も間違えずに弾こう、、ではなくて💦

 

書いてある声部を、全部、音楽として表現しよう、と

 

考えたいですね。

 

 

時代が下るとバッハの時代より

 

多声を読み取るのが難しくなります。

 

 

音符の多い曲、

 

例えば、ラフマニノフやリストなど

 

コンクールによく出てくるような難曲は、

 

声部が多いのです。

 

 

大事なメロディーの、上にも、下にも、横にも、

 

伴奏や、合いの手や、尾ひれや、飾りがあります。

 

一見、1本の旋律に見えても

 

飛行機と飛行機雲だったりします。

 

(つながっているけれど質が違うということです。)

 

 

ちなみに、右手の、一見「単旋律」に見えるメロディが、

 

実は、飛行機と飛行機雲になっている・・・というのは

 

ツェルニー30番にも出てきます。

 

(練習曲って、指を動かす為だけの曲じゃないんです!💦)

 

 

 

 

さて、

 

すっかり「鐘」という「あだ名」が定着した

 

ピアノソロ曲の方に話を戻します。

 

 

前奏曲 嬰ハ短調 作品3の2

 

この曲に、

 

「モスクワの鐘」とか、

 

「モスクワの大火」などといった

 

ドラマティックなタイトルをつけたのは

 

楽譜を売りたかった出版社でした。

 

 

なので、「クラシック通」の方々の中には、

 

『この曲は「鐘」ではない。あくまでも前奏曲 嬰ハ短調だ。』と

 

仰る方々も、以前はけっこう多かったのです。

 

いえ、今もいらっしゃるかもしれません。

 

 

ですが、

 

バンクーバー五輪シーズンの

 

浅田真央さんのこの曲での熱演などもあって、

 

「鐘」というあだ名の方が

 

一般に広く知れ渡り、いつの間にか定着しました。

 

 

 

 

ただ、、、

 

それだけが理由ではない、と考えています。

 

あまりにも、「鐘」が聴こえるのです。

 

 

ラフマニノフが、「鐘」から

 

インスピレーションを得たというのは、

 

事実だろうと確信するきっかけがありました。

 

 

2006年に、コンクール入賞の副賞として

 

受講費全額免除(今も感謝で一杯です)で

 

モスクワ音楽院のマスタークラスに行かせて頂いた時、

 

1日だけ、「観光の日」がありました。

 

 

朝早くに集合し、

 

赤の広場へは朝8時前に着きました。

 

 

8時になると、

 

クレムリンの鐘が鳴り始め、

 

ほんの数秒後(多分、10秒もなかったかと)に

 

近隣の教会の鐘の音が次々と鳴り始め、

 

それがとても音楽的で、、

 

違う距離感、違う音色で重なり合うその響きに

 

圧倒され、絶句して聴き入りました。

 

 

ああ、、ラフマニノフの鐘だ、、と思いました。

 

 

 

最初にご紹介した動画、「合唱交響曲」とは、

 

また別の意味の、本物の「鐘」の動画です。

 

 

世界で最も大きな鐘15選の動画で、1位がモスクワの鐘です。

 

そこから再生できるよう、10分38秒開始設定です。

 

 

202トンの大きな鐘。。

 

その鐘が壊れたのが、

 

「モスクワの大火によって」だという事を、

 

この動画で初めて知りました。

 

 

出版社が付けた中にあった

 

「モスクワの大火」というタイトルが

 

やはり「鐘」にまつわるものだったのだと知って

 

誰が聴いても「鐘」なのだと改めて思いました。(^^)

 

 

でも、決して忘れてはいけないのは、

 

『この曲は標題音楽ではない』

 

ということです。

 

 

「鐘」は、あくまでも、出版社が付けたもの。

 

 

鐘の音を表現するために書いた「表題音楽」ではなく、

 

鐘の響きからインスピレーションを得たとしても

 

純粋な「絶対音楽」として書いたわけです。

 

 

鐘の音が聞こえる中にも

 

ラフマニノフの書いた「音楽」そのものを読み解きつつ

 

「絶対音楽」=「音楽のための音楽」として

 

演奏したいと思います。

 

 

 

 

 

 

前記事、まだの方は、お読み頂ければ幸いです。

 

 

 

以下、コンサートとレッスンのご案内です。

 

■Online愛の夢チャリティーコンサート4

2月1日から2月下旬まで動画募集。

3月初めに動画公開予定。条件はこれまでと同じ。

一切の資格、楽器、ジャンルを問わず、

演奏、舞踊、フィギュア等の演技、朗読、演劇等、長さ不問。

同じ作曲家で1動画で、参加費=全額寄付金5000円です。

 

■コンサートコンコルデ ~ 世界の平和 祈り 愛 ~

1月26日(木)18:30開演/札幌サンプラザコンサートホール

 

野谷恵 演奏曲 / ラフマニノフ / 幻想的小曲集Op.3より

      第2曲 前奏曲 嬰ハ短調 (鐘)

      第1曲 エレジー

      (この順番で演奏させて頂きます)

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

■東京レッスン

次回は、2月の予定です。

 

■札幌レッスンとオンラインレッスン

 1月26日の演奏会直前は1週間ほどお休みさせて頂き

翌日からレッスン致します。

 

 
 
 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

お伝えしたいことが、沢山、あります。

 

レッスンにどうぞ!!(^^)

 

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                    Megumi(野谷 恵)

 

 

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★Online愛の夢チャリティーコンサート3の記事

 

この記事の下の方に、全部の演奏演技動画へのリンクがあります。

 

 

 

★過去記事リンク

 

■門下生の伴奏がNHK+で配信中(配信は10月16日17時まで)

 

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