発表会が終わりました。
こんなはずじゃなかった、あるいは、思ったより良かったとか、様々な想いが去来していることでしょう。
今回は威厳のある舞台そのものに呑まれるような、素晴らしくも恐ろしい舞台でしたね。
何時に増して、緊張感の高い、門下生のみなさんのお顔つきに、
指導する側の人間としては、実に良かった、と嬉しく思っています。
こんな話があります。
わたしの心理学の先生から教わったお話しですが、
人には習得型と証明型があるといいます。
習得型のタイプの人は、努力も失敗も権利として捉えるので、どちらも行使できることに価値を見出します。
かたや、証明型は、努力も失敗もどちらも無能の証明だというのです。
習得型の人にとっては、
努力できること、そのものが嬉しい
→笛の練習ができることが嬉しい♪
失敗できる環境が有難い
→学びの途上で失敗しないことなどあり得ない。
もし、失敗しない人がいるとしたら、何にも挑戦していないからでしょう。
証明型の人にとっては、
努力しなければならないのは無能の証し・・・
(そんな想いで努力が続くとは思えん・・)
失敗は無能の証し・・・
(つ、つらいのう・・!)
どちらが劣っている、ということではありませんが、
楽器の習得において、結果を出せるのはどちらのタイプでしょうか?
おわかりですよね?
発表会という最大の緊張の舞台でのたった数分間。
音楽はあらかじめ作っておいたものを持ってくることはできない。
練習でどれだけいい演奏ができていたとしても、本番で発揮できるとは限らない。
だからこそ高まる緊張、不安、興奮、その他もろもろ・・。
舞台に立った人にしか学べないものが確実にあったはずです。
それこそが、本番をやり遂げた人だけが手にする果実です。
演奏の結果も大切ですが、
コツコツと稽古を積む途上で、上達に欠かせない果実を手にしたみなさんを、わたしは祝福します。