本番をやり遂げた人だけが手にするもの | 篠笛奏者:朱鷺たたら 笛吹き道中記

篠笛奏者:朱鷺たたら 笛吹き道中記

篠笛奏者:朱鷺たたらの公式ブログ。コンサート,スケジュール,プロフィール,篠笛教室。

発表会が終わりました。

こんなはずじゃなかった、あるいは、思ったより良かったとか、様々な想いが去来していることでしょう。

今回は威厳のある舞台そのものに呑まれるような、素晴らしくも恐ろしい舞台でしたね。

何時に増して、緊張感の高い、門下生のみなさんのお顔つきに、

指導する側の人間としては、実に良かった、と嬉しく思っています。

 

こんな話があります。

わたしの心理学の先生から教わったお話しですが、

人には習得型と証明型があるといいます。

 

習得型のタイプの人は、努力も失敗も権利として捉えるので、どちらも行使できることに価値を見出します。

かたや、証明型は、努力も失敗もどちらも無能の証明だというのです。

 

習得型の人にとっては、

努力できること、そのものが嬉しい

→笛の練習ができることが嬉しい♪

失敗できる環境が有難い

→学びの途上で失敗しないことなどあり得ない。

もし、失敗しない人がいるとしたら、何にも挑戦していないからでしょう。

 

証明型の人にとっては、

努力しなければならないのは無能の証し・・・

(そんな想いで努力が続くとは思えん・・)

失敗は無能の証し・・・

(つ、つらいのう・・!)

 

どちらが劣っている、ということではありませんが、

楽器の習得において、結果を出せるのはどちらのタイプでしょうか?

 

おわかりですよね?

 

発表会という最大の緊張の舞台でのたった数分間。

音楽はあらかじめ作っておいたものを持ってくることはできない。

練習でどれだけいい演奏ができていたとしても、本番で発揮できるとは限らない。

 

だからこそ高まる緊張、不安、興奮、その他もろもろ・・。

 

舞台に立った人にしか学べないものが確実にあったはずです。

それこそが、本番をやり遂げた人だけが手にする果実です。

 

演奏の結果も大切ですが、

コツコツと稽古を積む途上で、上達に欠かせない果実を手にしたみなさんを、わたしは祝福します。