田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

BARレモン・ハート〜弥生荘の夜

2022-01-21 16:21:45 | よもやま話・酒編
最近観た、古谷三敏さん原作のTVドラマ『 BAR レモン・ハート 』
     
         
                    《 故・古谷 三敏さん 》
功成りとげた風の社長が、一見さまで来店して来た。
注文は、「 ふふん? この店で一番高いウイスキーを出してくれ。 」
ところが、 「 待ってください 」 と、同伴の経理部長が口を出した。
そして、 「 マスター、今の注文はキャンセル。
       代わりに、この店で一番安いウイスキーを出して下さい。 」 
          
なんて! ヒゲをそそる注文でしょうか。 (笑)
ヒゲは、画面に注目した。
最近、日本製を筆頭に、やたら高額のウイスキーが誕生しています。
この風潮が、ヒゲは大嫌い(!)だからです。

中村梅雀扮するバーのマスターは、カウンターにためらいなく瓶を並べた。
その銘柄を見たヒゲは、50年前の京都・弥生荘での記憶がよみがえる。
     
大阪万博の年でした。
みんな限られた仕送りで、やりくりする大学生です。
ヒゲのアパートに将棋・チェス仲間が集まり、口角泡を飛ばしながら天下国家(?)を語り、
飲むのは安ウイスキーの徳用レッド。
或いは、ハイ・ニッカの、氷が入らない水割りでした。 (笑)

レッドのアイスボールロックを飲みながら、社長は遠い昔を思い出す。
・・・・ 戦後復興から高度経済成長時代、日本国民はがむしゃらに働いた。
労働の後は、安酒で今日一日の疲れを癒して明日の英気に。
「 今日よりは、明日がいい日になる! 」 と信じて。

当時は、 『 ジョニー黒 』 が、ステータス・ウヰスキー。
いつか、そんな高級酒を飲めるようにと願いながら、手元のレッドを見つめたものでした。
そう、 「 明日の地上の星♫を目指そう! 」 と。

そして今、そんな昔の “労働後の一杯” と云う酒のあるべき姿を忘れたように、
素晴らしい日本酒が相次いで登場している。
アルコール添加の日本酒なんて悪酒の見本よ、てな事でしょうか?
添加物のない純米酒がもてはやされる昨今。
なるほど、ヒゲも否定はしませんが ・・・・ 。

70年代、明日への活力を求めた安価な日本酒も必需品。
酒蔵は、地元の方々に少しでも気楽に飲んでもらう為に、アル添酒や二級酒を
工夫したのでした。
酒税の税金分を減らせば、その分安く酒を提供できるから。
         
一日の労働を終えて、アル添酒の熱燗をあおれば疲れも吹っ飛ぶ。
安酒で今日の仕事のストレスを発散するのが酒の効用。
お父さん達は、次の日も元気に家を飛び出すのです。
こうして日本は、やがて 「 ジャパン アズ ナンバーワン 」 と、
評される国になったのでした。
そんな汗まみれの昔話しなど忘れた様に、今や高額な純米大吟醸が闊歩している。
「 果たして、日本は良い国になったのか? 」
今夜は “ 一の蔵・無鑑査 ” でも飲みながら、そんな事を考えてみるか?
             
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2 コメント

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安酒で良い酔いのヨイ (batten)
2022-01-21 20:59:47
大阪勤務の頃は阪急沿線の淡路駅が最寄り駅でした。酒屋直営の立ち飲みで覚えたのが梅乃宿・春鹿の奈良の普通酒。
大阪酒販組合の正味一合コップもっきり300円~で美味しい。コップの真ん中に5勺のラインがありまして半分って注文もOKでした。
最近の店は90ccか120ccの可愛いグラスを枡に入れて溢れさせて「こぼれ酒」なんてふざけてます。

スコッチのホワイトホースが797円 バランタインが934円が直近のスーパー価格。いまや角の方が高いのです。
ハイボールが流行りコロナで家飲みになり安ウイスキーと炭酸が馬鹿売れ。
業務用の3リットルや5リットルのウイスキーを買うんですから・・・
安酒で頭が揺れる? (ヒゲ)
2022-01-22 14:04:27
昨日の深夜、コップに残ってる常圧焼酎を飲み干そうとした時でした。
携帯が“けたゝましく”鳴り、地震警報を伝えた!
数秒後、ガタガタガタと大揺れ。
我が家の地震計こと、ジョニー黒も激しく波立っていました。
いやはや、地球もいよいよ末世に近づくのか?

さてと、田園では今の時期に登場する酒がありました。
奈良の春鹿・極寒吟醸です。当時は、こんな安く頂いていいのか?
素晴らしい酒質でしたので、お客様からはそれなりの金額を徴収したモンです!笑。

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