・・・・・・・っということで、思いがけず拾い物の映画に当たりました。
邦題は【三秒間の死角】ですが、取って付けたような題名で全く意味がありません。
主演の男優は知りませんが、クライヴ・オーウェンが出演ています。
007とブレードランナーで注目を浴びたアナ・デ・アルマスが良い役をもらっています。
印象的な顔のロザムンド・パイクも共演しています。
ストーリーはチグハグした箇所が散見されますが、サスペンスとしてはよく出来ています。
緊張感が維持されていて、引き込まれます。
ひょんなことで殺人を犯してしまい、刑務所に収監されていた主人公を、FBIが麻薬捜査の情報屋(informer)に仕立てて仮出所させます。
狙いは麻薬組織のボスを逮捕することです。
まあ、よくある話です。
結局はFBIに裏切られ、逆にボスに利用され、刑務所に舞い戻ります。
そこに、ニューヨーク市警(NYPD)の麻薬班が絡んで、FBI対NYPDの対立構造になります。
せっかく任務を果たしたのに、またもやFBIに裏切られ、組織にも裏切られ、主人公は刑務所の管理棟のてっぺんに追い詰められます。
さて、絶体絶命の状況からどうやって脱出するか?
結末は見てのお楽しみなのですが、そこからはご都合主義的な「雑」な展開になるのです。
緻密に脱獄計画しているかと思えば、行き当たりばったり。
原作の小説は文字数で誤魔化せますが、読んで得られるリアリティーと視覚で見るリアリティーでは、どうしても映像の方が不利なんですね。
どうして戦争の英雄だった主人公が、麻薬組織に信用され潜入できたのか説明されていません。
チグハグさに目を瞑れば、十分楽しめる映画です。
★★★★☆