森永製菓お菓子チョコボールでお馴染みの「キョロちゃん」と「おもちゃのカンヅメ」

■第1章:意外すぎる誕生秘話(1967年)
実は、チョコボールの誕生には「工場の夜間稼働率を上げたい」という地味な理由があったんです。
当時の森永製菓は、24時間稼働できる商品を探していました。そこで目をつけたのが、ピーナッツをチョコでコーティングする製法。これなら夜間も自動生産が可能だったんです。
また、チョコレートのべたつきを防ぐ方法、
艶かけをしてべたつきを防ぐ「パンワーク製法」の当チョコレート商品を生み出しました。
当時では革新的な品質を実現。
まさに「必要は発明の母」。経営課題から生まれた新商品が、後の国民的お菓子になるとは、誰も予想していなかったでしょう。
■第2章:金のエンゼルが生まれた理由
「当たりが出たら金のエンゼル」
このアイデアの真髄は、「手の届く夢」の設定です。
当時の菓子業界では、景品付きお菓子が主流でした。しかし、チョコボールは違いました。
・出現率は約3%(およそ30個に1個)
・おもちゃ引換券として使える
・銀のエンゼルは5枚で金1枚分
この絶妙な確率設定と、二段階の喜びが、子どもたちの収集意欲を刺激したんです。
なかなか当たらない絶妙な確率。
見つけた時の達成感。
リピーター・ファンを作り出す、
金のエンゼル戦略の天才的な仕組みです。
まさにマーケティングの教科書..!!
■第3章:キョロちゃんの誕生(1967年)
1965年、チョコボールの前身のチョコレートボールが発売。
パッケージにはキョロちゃんではなく、アニメ宇宙少年ソランのキャラクターのリスが描かれていた。
1967年にピーナッツボール、チョコレートボール、カラーボールの3種類が発売され、パッケージにキョロちゃんが初登場!
当時 森永製菓では、目付きが悪い等の理由で評判はあまりよくなかったよう。
しかし「ちょっとドジ」「でも憎めない」というキャラクター性が、子どもたちの心をつかみました。
特に素晴らしいのは、「愛されキャラ」の3要素を完璧に押さえていること。
記憶に残りやすい(Memorable)
親しみやすい(Friendly)
時代を超越している(Timeless)
他のお菓子キャラクターとは一線を画す、
圧倒的なブランドアイコンへ進化していきます。
■第4章:現在のチョコボール事情(2025年)
【基本データ】
・価格:110円前後(税込)
※いつの間にか100円越えていたのか...!!
・主力フレーバー:ピーナッツ
・販売チャネル:全国のコンビニ、スーパー
【直面する課題】
原材料費の高騰
→カカオ豆の国際価格上昇
→包装資材の値上がり
若年層の取り込み
→SNSでの話題化
→新フレーバー開発
環境対応
→パッケージの環境負荷低減
→サステナブルカカオの調達
■第5章:なぜ55年も愛され続けるのか?
5つの理由があると考えています。
①「商品価値」と「体験価値」の両立
→おいしさだけでなく、「おもちゃのカンヅメ」宝探しの楽しさも提供
②「おもちゃのカンヅメ」の時代に合わせた進化
→以下歴史を辿れば、時代に合わせた進化が紐解けます。
おもちゃのカンヅメ歴史
歴史を辿ると1967年まんがのカンヅメから始まります。1979年おもちゃのカンヅメ ~1982年くるくるカン ~1987年わくわくカン ~ 1993年 男の子缶・女の子缶 ~ 1999年 過去缶・未来缶 2001年 月のカンヅメ 太陽のカンヅメ 2003年 夢カン ~ 2007年黄金のキョロ缶~2011年地球缶 ~ 2015年開かずのカンヅメ ~2020年走るキョロちゃん缶~ 2024年キョロガチャ缶
最新2025年 キョロクレーン缶
→時代と共に進化・深化し飽きさせない仕組み構築。
③手の届く価格帯を維持
→値上がりはしたが100円前後で買える贅沢感
→気軽な購入のしやすさ
→垣間見える企業努力
④進化と継続のバランス
→基本形は守りながら、時代に合わせた新フレーバーを投入。
⑤キョロちゃんによる圧倒的なブランド戦略
→キョロちゃんはカワイイ..!
■最後に:チョコボールから学ぶこと
55年の歴史で、チョコボールが教えてくれたのは、「変えるべきものと変えてはいけないもの」の見極めの大切さです。
パッケージは進化し、フレーバーは増え、価格も変化する。
でも、「わくわくする気持ち」という本質は、しっかりと守り続けている。
時代は変われど、人の変わらない本質に寄り添う。
キョロちゃんと供に..!!
その姿勢こそが、ロングセラー商品の王道なのかもしれません。
続いてチョコボールとキョロちゃんの未来戦略について、書きたいと思っていたのですが更に2000文字位になりそうなので
続きは9月6日のキョロちゃんの日にでも記事をあげたいと思います...!
よし、久しぶりに今日はチョコボール ピーナッツとキャラメル味でも買って子供達と食べ比べでもしてみるか~。
参考コンテンツ:
・森永製菓 企業ホームページ
・エンゼルブログ 「歴史の玉手箱第9回 チョコボール誕生秘話」