2020/11/28

極太毛糸の丸ヨークプルオーバー(チュニック)の編み方

 2020/11/28
先日の丸ヨークプルオーバーの編み方をまとめたのでエントリーします。

極太毛糸の丸ヨークプルオーバー(チュニック)の編み方 トップ画像

参考にしたパターンは朝日新聞出版『大人かわいい天然素材で編むニット』掲載の『丸ヨークのふんわりセーター』ですが、糸の太さもゲージも模様も丈も編む手順もぜんぜん違います(汗)
その上、さらにパターンを書き換えました。ボディのみを編み下ろすのではなく、ヨークから編み下ろすパターンにしています。こちらの方が編み地が落ち着くと思います。


*材料* 中肉中背サイズ
・お好みの極太糸 約900m
 【参考】写真の作品では、『1玉50g70m、適合棒針10~12号、メリヤス編み12~13目・17~18段/10cm平方』の極太糸を630g=12.6玉、約882m使用しました。
・10号、11号、12号の輪針または4(5)本針
・太めのかぎ針、作り目や休み目で使う糸、目数リング(色違いなど3種類×各4個以上)など

*ゲージ*
12号棒針メリヤス編みで、16目21段/10cm平方


*編み方*
【ヨーク】10, 11, 12号針
1. かぎ針で『別鎖の後でほどく作り目』を80目作り、輪にします。

2. 編み始めに目数リングAを入れ、下記のように目を増やしながらメリヤス編みで編み下ろします。10号で10段、11号で12段、12号で16段、合計38段です。

以下、読みやすいように2段ずつに分けて記述します。

☆まずは10号針
  (1段目)増目なし(1周80目)
  (2)増目なし(80目)

  (3)20目編んだら1目増。1周で+4目(84目) ←増目をした直後に目数リングBを入れる
  (4)10目、31目、52目、73目の箇所で1目増。1周で+4目(88目) ←増目をした直後に目数リングCを入れる

これで、目数リングA,B,Cで1周が11目ずつ8等分されていると思います。目数リングA,B,Cは、色やサイズを変えて見分けがつくようにしておいてください。

ここからは、目数リングのところで増目していきます。奇数段はAとBの目数リング、偶数段はCの目数リングの箇所で増目します。「目数リングまで編んで、1目増やして、目数リングを右の針に移す」というリズムです。

目数をずらずらと書いておきます。ときどき数えながら編むと良いと思います。

  (5)1周で+4目(92目) ←目数リングBと、編み始めのAで増目
  (6)1周で+4目(96目) ←目数リングCで増目

1周が12目ずつ8等分されているはずです。

  (7)+4目(100目) ←目数リングBと、編み始めのAで増目
  (8)+4目(104目) ←目数リングCで増目

1周が13目ずつ8等分されていればOK。以下繰り返しです。

  (9)108目
  (10)112目 ※14目×8

 ☆ここから11号針
  (11)116目
  (12)120目 ※15目×8

  (13)124目
  (14)128目 ※16目×8

  (15)132目
  (16)136目 ※17目×8

  (17)140目
  (18)144目 ※18目×8

  (19)148目
  (20)152目 ※19目×8

  (21)156目
  (22)160目 ※20目×8

 ☆ここから12号針
  (23)164目
  (24)168目 ※21目×8

  (25)172目
  (26)176目 ※22目×8

  (27)180目
  (28)184目 ※23目×8

  (29)188目
  (30)192目 ※24目×8

  (31)196目
  (32)200目 ※25目×8

  (33)204目
  (34)208目 ※26目×8

  (35)212目
  (36)216目 ※27目×8

  (37)220目
  (38)224目 ※28目×8 → ヨーク完成


このパターンは同じ箇所で目を増やすため、増目に沿ってラインができます。

roundyoke_howto05


写真の編み地と今回のパターンは少し異なりますが、イメージ的にはこんな感じで増目のラインが出ます。これはこれで模様として成立しますがせっかくパターンを書き直しているので、ロピーセーターのように増目を分散させようと試みたものの、素人では計算が難しくて断念。

というか・・・ 今は目数段数を計算できるアプリが色々出てるんですねぇ!
ずっと「◯:◯=△:△だから、えーと」と書き出して、地味に計算していましたよ・・・

ただ、私が見つけたアプリでは丸ヨークの分散増減目は計算できないようでした。「増目ラインが出るのはイヤだー」という方は、申し訳ございませんがご自身でニット用の計算アプリ等を探していただくか、ネットで計算式を見つけて割り出していただければ幸いです。
その際は「丸ヨークの80目を、38段で、224目まで増やす」で計算してください。


【えり】10, 11, 12号針
編み始めの『別鎖の後でほどく作り目』をほどき(80目)、2目ゴム編みを編みます。
編み始めに目数リングを入れ、10号で5cm(12段前後)+11号で7cm(12段前後)+12号で8cm(12段前後)、ゲージ調整しながら20cm長さまで編み、ゆるく伏せます。 → えり完成

※えりは最後に編んでもいいのですが、先に仕上げておけば試着しながらポケットの位置や全体の丈を決めることができます。


【ボディ】12号針
1. ヨークの224目を68, 44, 68, 44目に分けます。68目は前後の身頃、44目は両袖です。袖の44目は別糸などにとり休ませておきます。

2. ボディに前後差をつけます。後ろ身頃の68目をメリヤス編みで4段2cm往復編みします。

3. 5段目で前後身頃を輪にします。その際、わき部分で8目増目します。

 《8目増目の手順》
 a. まず後ろ身頃の68目をメリヤス編みで編んだら、編み地を裏返し、『編む作り目(Knitted Cast On)』で、裏目を編み8目増目。

 b. 編み地を表に返して、前身頃につなげてメリヤス編みを68目編んだら、先ほどと同様に編み地を裏返し、『編む作り目(Knitted Cast On)』で裏目を編み8目増目。

 c. 編み地を表に返して、後ろ身頃につなげて輪にします。

solaris6


『編む作り目(Knitted Cast On)』とは、編んだ目を左の針に移しながら必要な目数を作る方法です。
林ことみさんの「北欧ミラクルニット」掲載のKnitted Cast Onを参考に編んでいますが、「Knitted Cast On」でネットでも探せると思います。
今回はメリヤス編みを編みおわったところで増やすので、編み地を裏返して、裏目の段を編む要領で8目増やしました。
まぁ、ぶっちゃけどんな増やし方でもいいので両わきで8目ずつ増やしましょう。
・・・はい、1周152目になりましたね!
76目ずつ前後身頃に分け、境目に目数リングを入れ、そのまま30段まっすぐ輪編みで編み下ろします。

4. Aラインにしたいので、31段目で増目します。前後身頃の両サイドで各1目増目=1周で4目増えます。1周で156目。そのまま10段編みます。
※Aラインにせず152目でまっすぐ編み下ろしてももちろん構いません。ただ、この先は増目した目数でご説明しているので、目数を読みかえてくださいね。

5. 41段目。ポケットを編み始めます。手袋で親指を作るときとやり方は似ています。
(関連記事:2way ミトンの編み方)
(関連記事:アームウォーマー(ロンググローブ)の編み方

前後身頃の境目に目数リングが入っていると思います。まずその目数リングの両脇に、1目立てて一個ずつ目数リングを入れます。

roundyoke_howto01
こうです


この1目×2 をどんどん増やして、ポケットを作っていきます。

増やし方はご自由に・・・ 私も適当です。渡糸をねじって増やしたり、1目に2回針を入れて編み増やしたり。最初のうちは急激に目を増やすので無理やりな部分もありますが、人目につかない部分なのであまり神経質にならずにどうぞ。

あ、ポケットはつけなくてもいいです。ポケットをつけない場合はメリヤス砂漠を輪でぐるぐると編み進めてください。当然ながらポケットをつけない方が編むのはずーーーっとラクです。

 《ポケットの増目》
  (41段目)1目増 (目数リングの間は2目ずつになります)
  (42) 2目増(同、4目ずつ)
  (43) 3目増(7目)
  (44) 3目増(10目)
  (45) 1目増(11目)
  (46) 1目増(12目)
  (47) 1目増(13目)
  (48) 1目増(14目)
  (49) 1目増(15目)
  (50) 1目増(16目)
  (51) 1目増(17目)
  (52) 1目増(18目)
  (53)~(80) 増減なし(18目)

roundyoke_howto02
こんな感じ(目数リングの色がさっきの画像と違ってごめんなさい)


ボディをAラインにする場合は、ポケットを編みながら身頃の増目もします。
私は51段目と71段目で、前後身頃の両サイドで1目ずつ=1周で4目ずつ増やしました。
目数リングの間の目数を数えると、51段目を編み終わった時点で78, 17, 17, 78, 17, 17目、71段目を編み終わった時点で80, 18, 18, 80, 18, 18目になっていればOK。

6. 81段目。手順5でポケットを作る際に立てた1目を身頃に戻し、82, 17, 17, 82, 17, 17目にします。ポケットの17+17=34目を別糸で休ませ、前後身頃1周164目を輪編みで編み下ろしていきます。

ふぅぅ・・・ 伝わってますでしょうか・・・

丈はお好みですが、ポケットをさらに+16段編むので、ポケットが身頃の下からはみ出さない程度の長さは必要です。私は100段でやめましたが、さらに長く編むとしたら、この先のAラインの増目は101段目、131段目・・・と30段ごとに増やしていく予定でした。ご参考まで。

7. 12号→10号針に替えて二目ゴム編みを編みます。ここも長さはお好みです。
私は17段8cmで編み終えました。輪編みのメリヤス砂漠は強く丸まるので、ある程度の長さのゴム編みを編んだ方が落ち着くと思います。
伏せ方もお好みで良いですが、「太い糸の時は編みながら伏せ止め、細い糸の時は針を使ってゴム編み止め(自分ルール)」にならい、極太糸の今回は編みながら伏せました。


【袖】10号針
両袖に2目ゴム編みを編みます。
【ボディ】の1.で休ませておいた44目を針にとり、【ボディ】の2.で前後差をつけた後ろ身頃の4段から4目拾い、【ボディ】の3.の編む作り目(Knitted Cast On)から8目拾って56目。2目ゴム編みを10号針で8段(3~4cm)編んで、伏せます。


【ポケット】12号針
休ませておいた17目×2=34目を12号針にとり、メリヤス編みで輪に編みます。編み始めと真ん中に目数リングを入れておきましょう。

 《減目》
  (1)~(10)段目 減目なし
  (11)目数リングの左右で-1目ずつ減(輪では-4目。15目×2=30目)
  (12)同(-4目。13目×2=26目)
  (13)同(-4目。11目×2=22目)
  (14)同(-4目。9目×2=18目)
  (15)同(-4目。7目×2=14目)
  (16)同(-4目。5目×2=10目) → とじる

ここまで目が減ると輪針や4本針では編みにくいので、袋編みの技法を使うと良いと思います。
(関連記事:iPodカバー & iPhoneカバー)
(関連記事:実用一直線 ー アクリルタワシの編み方)

roundyoke_howto03


型紙より一回り小さいですが気にしない。ポケットと身頃の間に穴があいたら適当にとじる。お願いします。

糸始末をし、スチームアイロンや水通しなどで編み目を整えれば完成です。おつかれさまでした!


・notice・パターンをご使用の際は、こちらをご一読ください。


☆棒針編みの基本は、下記サイトなどをご参照下さい
→ たた&たた夫の編物入門 内『基礎技法徹底図解』
→ 毛糸&編み物「あみこもびより」毛糸ピエロ|棒針編み(動画があります)


関連記事:完成 ー 極太で編む丸ヨークプルオーバー
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