医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

鳴かぬなら殺してしまえ

2022-10-03 02:34:59 | 薬局
失敗のツケは厳しい仕打ちで返ってくる。

2015年の「患者のための薬局ビジョン」が厚生労働省から公表された。
それなりの学識経験者が集まった審議会から出されたとりまとめが基になり、厚生労働省の思い描くシナリオに修正されて、さも国民が求めている姿として出てきた。
公表したからにはやらないと評価が下がるのがお役人のお仕事だ。

何があったのかと言うと2016年度の調剤報酬改定から始まった「かかりつけ薬剤師指導料」がある。
考え方は良いと思う。
ただ、国が思うほど患者側として“かかりつけ薬剤師”に必要性を感じていないことがはっきりしたように思う。
しかも患者負担が増えてまで欲しくはない。
患者負担からの遠慮なのか薬剤師も積極的に勧めない。
未だにレセプト請求の1.5%程度しか算定がないようだ。
何とかしようと「地域支援体制加算」の要件にねじ込んできた。

2016年と言うと「健康サポート薬局」の始まりもある。
指折り数えると7年が経過した。
未だに3,000軒に満たない。
当初の目標は1万から1万5千軒などと薬剤師会が発表していたように思う。
これから急に増えることはない。
厚生労働省の審議会等で、いつの間にか「健康サポート薬局」とは言わず”健康サポート機能“と言い換えてお茶を濁している。
はっきり言って厚生労働省も見捨てたんじゃないだろうか。
お役人は結果がすべてで、出来なかった施策には汚点が残るだけだ。

2021年から始まったのが認定薬局制度である。
中でも期待されるのが「地域連携薬局」である。
こちらはまだ1年ちょっとしか経過していない。
ただしやっと3,000軒をわずかに超えたくらいだ。
こちらも目標は1万から1万5千軒などと薬剤師会が発表していたように思う。
1年で出来ないことが年次を重ねて大きく増えることはない。
相田みつをさんの日めくりに「できない約束はしないことだな」があった。

どれだけ厚生労働省に恥をかかせたら気が済むのか。
そろそろ怒り出すころじゃないだろうか。
ある厚生労働省の薬局に係る担当者が、何気なく「薬局はもう要らない」とつぶやいたそうだ。

そう言えば在宅についても2025年の地域包括ケアシステムに向けて薬局への協力を求めている。
それが「地域支援体制加算」じゃないだろうか。
こちらも期待したほど「調剤基本料1」の薬局が動かない。
3万軒近くが在宅をやらなくても薬局経営が成り立つ調剤報酬の仕組みに問題あるとしている。

今さらどうにもならないと思うが・・・。
誰かがリーダーシップをとってやる気を見せなきゃ先がない。
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2 コメント

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Unknown (駒形ふぁん)
2022-10-03 08:05:13
駒形ファンの不安

「薬局なんていらない」発言は衝撃的でした。当時驚いたことを覚えています。財務省だけでなく厚労省さえも同じ考え方だとはね。改革はおよそ10年で完遂予定と考えて良さそうです。ではいつから?「潮目が変わった」という言葉は2014年改定時に使われました。おそらく2024年が門前薬局の消費期限なのでしょう。期限が来ても少しはやれるでしょうが、基本的に制度ビジネスは制度とともにいないと成り立ちませんよね。

Amazon薬局は間違いのない脅威では無いでしょう?突破口を開くにあってこれほどに認知度が高いやり方は他に見当たらないでしょう。ウカウカできないはずです。
毎年利益率が低下する卸
経営失敗の大手、準大手
などがAmazonと手を組んでリフィル対応と地域フォーミュラリを行政に提案できる調剤センターをつくれば?医療費適正化の実績を求められる行政がこの提案に補助金といった形で予算をつける構図が目に浮かびます。

中小連合軍の代表 ○薬
VS
経団連、厚労省、財務省

対立しちゃった日○に勝ち目ってみあたりますか?

門前薬局は高くて不便。得するのは薬局経営者と世間では国民から行政、国会議員にまで考えられています。これを今更変えることはできないのに、○薬をはじめ真っ向勝負で「そんなことはない!」とやってしまったことで、日○の敗北は決定してしまいました。抗戦期間は何の成果もなく、無駄な時間でしたよね。

コストがかかりすぎる上に、ニーズを満たさない→患者のための薬局ビジョン、薬局機能分化、健康サポート薬局の流れだったわけですが、この流れさえもこれからの日本の社会保障のあり方に合わないゾとなり、なんと(待ってました感が大いにありますが)経団連様のご登場。すでに動き始め2025年にお目見えさせたい国策、スーパーシティ構想や、人口減少で消滅濃厚な田舎を救う現実的な手法であるコンパクトシティに当てはめたい医療DX。そのなかでも調剤DXはこれまでの省令通知によっていつでもやれる体制までこぎつけました。最後の決め手が電子処方箋となります。医療DXは経団連様、経産省が信頼を置く仲良し企業でしか達成できません。経産省は○薬とお話をしてきたのかなー?経団連、経産省、厚労省と話してきたのは、医師のHZM先生でした。「薬局経営者」の代表としてです。薬剤師のリーダーはなにをしていたのでしょうか?確実に言えることは、HZM先生を上回る成果を上げなかったということではないでしょうか?グダグダ文句言っていた印象は強いです。

門前薬局は変わらないといけません。
生き残るためにはね。だけど、もはや三次医療圏関連はもう勝ち目なしでしょうね。2-3年後に門前薬局があるのか無いのかさえ考える時に来ていませんか?

高みの見物と評されることもある駒形ファンですが、実はそうでもないんですよね。不安でいっぱいです。不安は防衛本能の要素でもあるでしょう。

仕事があるってありがたいですね。
明日も楽しみです。
新しい発想 (駒形SAN)
2022-10-04 04:22:38
時代が変わりました。
環境が大きく動いています。
そんな時こそチャンスがやってきます。
チャンスは自らが、自らを変えて受け入れなけらばなりません。
今まで通りが通用しません。

経営とは変化への適合と進化への挑戦です。
それを実践している人でないと他の人への影響力などないのではないでしょうか。

なぜ、大手調剤チェーンやドラッグストアの経営者から日本薬剤師会の会長が出ないのでしょうか。
その辺の経営者が見捨てているのかもしれません。

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