松香抄
イスラエル滞在暦13年のビジネスプロデューサー比嘉が、日本では伝わりにくいイスラエルの良さをお伝えしていきます。(ビジネス、エコ、エンターテイメント、アロマ&ハーブ、ナチュラル・スキンケアetc...)ヘブライ語・その他の言語の通訳・翻訳、イスラエルの事なら
Shoresh-i (ショーレッシュ・アイ)  

$松香抄-tokorosan
テレビに出演しました。スタジオ収録の際、所ジョージさんが
『比嘉さんはイスラエル民間親善大使ですね!』と仰ってくださいました。
ちょっとおこがましいですが、それでこのようなニックネームにさせて頂きました。
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日本イスラエル国交六十周年を記念して「ベングリオン首相のメッセージ」比嘉越宰

特別寄稿 日本イスラエル国交六十周年を記念して


     ベングリオン首相のメッセージ

   「我々のルーツと未来はアジアにある」


通訳・翻訳、イスラエル・ビジネスプロデュース:Shoresh-i 代表・比嘉越宰





 皆さんは、イスラエルという国からどのようなイメージを抱かれますか。「中東」というイメージをもたれる方もあるかと思います。では「中東」とは、どういう意味をもつのでしょうか。


 「中東」は、イギリスがインド以西の地域を植民地化するに当たって使うようになった名称で、現在の「中東」の概念は、第二次世界大戦中にイギリス軍がエジプトに、「中東司令部」という拠点を置いたことから広まったものです。それで「北米」、「東欧」、「東アジア」などの客観的な地理的概念とは異なり、イギリスが全盛の時代に、そこを中心とする方向や距離感によって付けた政策的概念による名称なのです。


 時代と共に価値観は変わり、世界の潮流も変わっていくのは当然でしょうが、「中東」という名称のように、特定の時代の価値観やイメージだけにとらわれると、物事の本質を見失ってしまうこともあるのではないでしょうか。


 イスラエルは、中東にある国としてのみ見られるとき、どうしても国際政治の動乱の中の国と捉えられがちですが、別の視点からの理解が新しい発見を生み出してくれます。そのことをご紹介したいと思います。



●イスラエル、国交を決意

  

 2012年は、日本がイスラエルと国交を樹立して六十年になります。両国の国交が樹立したのは、イスラエルが1900年ぶりに独立国家を回復した年の4年後、1952年の5月でした。初代首相ダビッド・ベングリオンは、第二次世界大戦時、日本がドイツと同盟関係にあったという短期的な視点にとらわれず、もっと深い民族のルーツと、未来に目を向けていたのだと思われます。そして、アジア諸国の中から外交関係を結ぶ最初の国として、日本を選びました。


 こうして日本にとって、サンフランシスコ講和条約発効による主権回復後、いち早く国交を樹立した国の一つがイスラエルとなったのです。


 1952年7月1日、ベングリオン首相は日本国民に向けて「友情のメッセージ」と題して、次のような談話を発表しています(原本、イスラエル国立公文書館史料より)。



●ベングリオン書簡

 

 「日本国民の皆様に、共同通信を通じて、謹んで友情のメッセージをお送り申し上げます。 

 

  このたびイスラエル・日本両国政府は、外交関係成立の意向を発表しました。お互いの国の首都に、公使館が開設される日は遠くないと確信しています。


 イスラエルと日本はアジアの両端に位置していますが、この事実は両者を隔てるものではなく、むしろ結びつけるものです。広大なアジア大陸は両国をつなぐ連結路であり、アジアの運命についての意識は両国共通の思いです。


 イスラエル国民は、欧州、アジア、アフリカなど全世界から帰還してきましたが、我々のルーツおよび過去、さらに未来はアジアにあります。人類の偉大な師は皆、アジアから出現しましたが、今や再びアジアは世界の諸国民の中にあって、ふさわしい役割を担いつつあります。アジアの両端から両国の絆が拡がりつつあることを嬉しく思います。


 皆様の代表がイスラエルを訪れてくださって、真の民主国家、そして離散したユダヤ民族のホームとしての国を発展させようとする努力のみならず、現在携わっている農業や産業界の再建のようすをご覧いただいたことは、私どもの喜びとするところです。


 私は再建に向かって日本民族が偉大な業をなされることを心から祈念し、それがアジア大陸の平和、発展、繁栄に寄与することを確信しています。

                                     1952年7月1日」



 ユダヤ民族とイスラエルの国を導いた優れた指導者であったベングリオン首相が、「イスラエル国民のルーツと未来は、アジアにある」とのメッセージを日本国民に送っておられたことに、私は驚きと共に胸が震えるほどの感動を覚えました。



ビジョンの人、ベングリオン

 

 ベングリオン首相は、国土の60パーセントを占める砂漠の開発に国の未来がかかっていると信じ、建国当初からネゲブ砂漠の開発に力を注ぎました。そして、太陽エネルギーにより海水を淡水化し、ネゲブの灌漑用水にするなど、今日、世界中で注目されているエネルギー、水、食料問題のすべてに、50年以上も前から取り組んでいたのです。


 それは、聖書を片時も放さず読むことによってインスピレーションを得ていたベングリオンが、ネゲブ砂漠は聖書に記されている「ハゾン」(ビジョン)の舞台であると捉えていたからです。ただ、そのビジョンは決して自国のためだけのものではなく、世界的な砂漠化防止やアフリカの食料生産力向上など、広く世界を見つめたものでした。そして、聖書に基づく先見性と洞察力に富んだその発想は、日本とイスラエルがアジアの国として、共に使命を果たしていくことにまで及んでいたのです。



●友好の手を大事にして


 ところが大変残念なことに、私が調べた限り、この「友好のメッセージ」が日本の新聞紙上で公表された形跡が見当たりません。なぜ公表されなかったのか、その経緯ははっきりしませんが、これだけの友好的なメッセージがどこかで握りつぶされていたとすれば、国際常識上、異常な対応としか思えません。(あるいは、共同通信が配信しても、マスコミはニュース価値を認めず無視したとも考えられます。)


 複雑で厳しい国際情勢の中、このように友好の手を伸べてくれる国の存在がどれほど有り難いものか、最近の近隣諸国の状況を見るとき、だれもが感じるところだと思います。日本が今、国際政治の舞台で相手にされない国になりつつあるのは、このようなメッセージに耳を傾けず、自国の経済成長だけに目を奪われてきたからではないでしょうか。そして六十年経ってみると、政治も外交もマスコミも、極めて劣等な国となってしまったと言わざるを得ません。


 ダビッド・ベングリオンは、「タイム」誌で二十世紀の最も重要な人物百人の一人に選ばれていますが、日本ではほとんど知られていないと思います。まず、友好の手を伸べてくれる国や人を大事にすることから、国の信頼は回復されるのだと思わされます。


 ベングリオン首相が「日本の再建を祈念」と語られてから60年、日本は今、新たな再建を必要としています。そんな中、あのベングリオン首相の”幻の”メッセージが蘇ってきます。私たちが目指すべきは、経済大国としての復活に留まらない、もっと大きな使命をもった再建が願われているのではないでしょうか。


 「生まれた時に帰る」ことを意味する”還暦”を迎える日本・イスラエルの両国関係が、新しくされることを願っています。




                    (隔月刊雑誌 『みるとす』 2012年6月号より抜粋)




湯島の白梅

今日は、イスラエルとは関係ないが、我が家に咲いた「湯島の白梅」をご紹介しましょう。


このブログの読者の中に、『「婦系図」の歌』をご存知の方がどのくらいおられるでしょうか。


1.湯島通れば  思い出す

  お蔦主税の  心意気

  知るや白梅  玉垣に

  のこる二人の 影法師

 

2 忘れられよか 筒井筒

  岸の柳の   縁結び

  かたい契りも 義理ゆえに

  水に流すも  江戸育ち


3 青い瓦斯燈  境内を

  出れば本郷  切通し

  あかぬ別れの 中空に

  鐘は墨絵の  上野山


今春は、上野山にもパンダが帰ってきてさぞ賑わうのでしょうが、このような歌を愉しむ人が少なくなっていくのは少し寂しいものです。


この歌が好きで湯島で買ってきた我が家の梅が可愛く今年も咲いた。


すみません、写真を掲載しようと思ったのですが、これからイスラエルへ出張に行ってきますので、ちょっとあわただしくて、写真はまた後日にします。


行ってきまーす



ザ・グレート・アカペラ

どんどん、C-van のコラボ動画をアップしていきます。

今日は、「The Great A Cappella」です。

アカペラって英語でこういうふうに書くって知らなかった。

どうぞ、お楽しみください。

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