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前回の続きです。
私はBさんの短期目標に向けた買い物に関するSST実践を行いながら中長期目標の達成に必要なコミュニケーションが必要なのか考えていた。
以前も書いた通りある程度言葉は通じるもののいざ意思疎通をしようとなると途端に難しくなる。独語も多く、この頃はT市に工場がある光学メーカーの名前を何度も繰り返し、合併した年まで言い当てていたので、これはもしかしてと思ってBさんに1つ質問を投げかけることにした。
「(そのメーカーは)何を作っている会社ですか?」
そうするとBさんの話はピタッと止まってしまった。どうやら理解していない模様だった。それでもその会社の名前を繰り返しつぶやいていた。正確な記憶があるからといって詳細の事業内容まですべて把握しているわけではないことが確認できた。余談だが後でタブレットで調べたのか、上記質問に答えられるようになっていた。
それよりも長期目標でぶち上げては見たものの、長く家庭やグループホームで生活してきたBさんにとって1人暮らしと言うものは何か想像することも難しかったらしい。
私も支援者が隣に住むなど24時間365日対応できることなどの案を考えながら何とかして本人の意向を引き出せないか思い悩んでいた。どう具体化して落とし込んでいくのかは実習指導者からも何度も指摘されていた。
私も自閉スペクトラム症なのでよくわかるが、コミュニケーションが一方的になりやすく、意思疎通がかみ合わないことが多い。今回の場合は大人の言葉を理解することが難しい重度の自閉スペクトラム症のBさんとはこの目標に関して本人の意思確認することはほぼ不可能に近かった。
何度か言葉を平易にするなどして問いを投げかけてみたが、目立った成果は得られなかった。これでは現状と私が立てた中長期目標とのギャップが大きすぎるのではないかと考えるようになっていった。
ここでも大きく迷ったが、目標を下方修正させることも考えなければいけなくなった。
結局迷いに迷った結果、Bさんの中長期目標を現在生活しているグループホームでサポート付きでもより自立した生活を送るようにできることと下方修正することにすることになったが、実習指導者からは思い切った計画の実現には繋げられなくても支援者に常に夢と希望を持って接するという面では一石を投じたのではないかと思うと書いてくれた。
話は次回に続きます。