今回は前回の続きです。図2は後手が△8七歩と打ってきた局面。これで先手の「角」は殺されてしまいました。「これにて後手良し」と解説を打ち切ることも多いのですが、実は、この後の展開も知っておくべきだと思います。
(図2 △8七歩まで)
図2は先に「角」を殺されたとはいえ、先手も次に▲2三歩と打てば、「角」を取り返すことができます。なので、少し損をしたとはいえ先手もまだまだ頑張れる局面なのです。
○図2以下の指し手:▲2三歩、△8八歩成、▲同銀、△3五角、▲2八飛、△5七角成、▲2二歩成、△同銀(結果図)
(結果図 △2二同銀まで)
▲2三歩に後手は△8八歩成から取ったばかりの「角」を△3五角と打ってきます。この角打ちが急所の一手で、飛車取りと△5七角成の両方を受ける手が先手にはありません。先手はやむなく▲2八飛と「飛」を逃げますが、△5七角成で、後手は「馬」をつくることに成功しました。
先手も▲2二歩成から「角」を取り返しますが、△同銀と取られて、後手陣にはスキがありません。結果図は、駒の損得はないのですが、「馬」をつくっている分だけ後手が有利とされているのです。プロの対局では、結果図は大差で先手有利と判断されると思いますが、こども将棋教室の生徒さんどうしの対局では、ほんのわずかな差なので、あきらめないことが肝要です。とはいっても、結果図の局面はすき好んで飛び込む変化ではありません。
やはり、前回の指し手の▲2四歩といく前に、▲7八金の一手を入れておくのが安全です。
以下、つづく・・・。