ギリシャの経済危機で銀行に差し押さえられて店を畳まざるを得なくなった紳士服専門の仕立て屋が出前でウェディングドレスなどを仕立ててまわるうちに、より市井の人たちと深くふれあう喜びを知っていくという人情もの。
それに昔気質の仕立て屋の父親にそんなみっともない真似をするなと怒られていたのが次第に理解されていくサブプロットがからむ。
仕立ての出前って、とんでもなく贅沢な話だと思うのだが、いったん経済的に破綻したあとでこそそういう贅沢が成り立つということか。
文字通りテイラーメイドのドレスの数々のデザインがお楽しみでもある。紳士服の方が格上という父親の認識の男性優位の考えから脱却するドラマでもあるだろう。
それらを着る花嫁たちがこちらの目から見るとずいぶんと大大としている。
今のギリシャでの1ユーロというのがどの程度の価値があるのかつかみにくくて困った。
ギリシャ・ドイツ・ベルギー合作。