むかし、大阪のとある街に ハチという女子高生がいました。
ハチは、両親と兄家族と一つ屋根の下で暮らしていました。
ある日、学校から帰ったハチは 「明日お弁当を作る」と言い出しました。
カレピッピ=彼氏
ほとんど料理をしたことがないハチ。
それなのになぜか自信はたっぷり。
朝からエビフライを揚げるんだと張り切ります。
しかし、ハチはエビを触ったことすらありません。
悪い予感しかしないハチ母と兄嫁は言いました。
そして翌朝、5時すぎ。
キッチンはもう1人お祭り騒ぎ。
絶対に手伝うなと言われたものの、ハチ母も兄嫁もうるさくて眠れやしません。
恐る恐る様子を見にキッチンに行くと…
深く落ち込み、やさぐれるハチ。
お弁当が玉子だらけだと半泣きです。
見ると、たしかに玉子だらけのお弁当。
ハチ母と兄嫁は必死に笑いを堪え、精一杯なぐさめました。
それでもハチのやさぐれはとまりません。
八つ当たりしながら、玉子だらけの黄色いお弁当を小脇に抱え、泣きながら家を飛び出します。
散らかしたキッチンはそのままに…。
しかし、思いのほか黄色いお弁当は彼に好評だったようで…
〈その日の夕方〉
一気にハチ復活。
それから15年。
そんなハチも今では 夫と3人の子供達の為、毎朝早起きをして素敵なお弁当を作っちゃう立派なお母さん。
あの日の八つ当たりを素直に謝れるくらい大人にもなりました。
最近ではSNSに作ったお弁当の写真をオシャレに載せているハチ。
それを見るたびに「お弁当が黄色い」「玉子が黄色い」「黄色のバカ!」と逆ギレしていたあの日のハチを思い出し、兄嫁は目頭が熱くなると同時に半笑いになるのでした。
ヒロピッピ=ヒロシ
ハチとの同居生活は一年弱と短かったけれど、今思うと毎日が楽しく宝物のような日々でした。
ハチの物語は3人の娘たちに大人気。
ハチの物語をやたらと欲しがる三姉妹。
おばのハチを崇拝する娘たち↓