団地ルールの謎 | 小野建築設計のブログ

団地ルールの謎

皆様こんばんは、工務の河邊です。

 

公団であったりライオンズマンションであったり、個人でお持ちの賃貸マンションであったりと、マンションリフォーム屋さんばりに色々なお客様の元へお邪魔させていただいております。

 

各マンションには管理組合や理事会があると思いますが、それぞれで改修工事に対してのルールを構えておられます。

基本的にどこも共通しているのが

・騒音について

・共用の配管について

これらのルールだと思います。

コンクリートスラブを壊さないのは当然の事ですが、騒音については

床の遮音等級を満たした材を使用する事。

共用の配管については専有部分以外を触る事はNGである事。

当然といえば当然のルールですが、たまにあれ?と思う事もあります。

 

本日そのお話を頂いたので御紹介させていただきますが、

「洗面所の床を捲り、配管を取り替えてクッションフロアを張る工事」です。

クッションフロアの張替えのみの場合、何も問題ありません。

しかし今回は床を捲って配管を取り替えます。

すると団地より、復旧の際に遮音等級を確保するように指示が入ります。

元々等級を満たしていない下地材であったのに、

なぜ費用を住人が負担して団地の指示通りに施工しなければならないのか?

という疑念を抱く方も大勢おられます。

世の中には様々な遮音マットが販売されておりますが、実際どれも高額で

出来る事なら使用せず復旧したいところです。

 

これについては私自身、管理組合さんと何度も話し合った事がありますが、

そもそもの造りが音を反響させやすい造りであるのに、

団地側でなく住人側の負担になるのかわからないという私の意見に対し、

専有部の工事をするなら元の形どうこうではなく、規則に則った形で施工しなさい

という回答が返ってきたことがあります。

大元の管理会社からそのように回答するようにと指示があっての事だと思うので

勿論窓口の方に対して悪く言う事は毛頭ありませんが、高い共益費を払って

いるのに・・・と残念になる住人の皆様のお気持ちも痛いほどわかります。

 

悔しいですが私自身、ルールを覆せるだけの力は持ち合わせておりませんので、

私に出来る事は決まりを守りながらも、コストを抑えつつ満足いただける

リフォームをさせていただく事しかないと感じました。

 

大勢で共有する大切な資産です。決まりも大切ですが、一番はそこに住まう

住人の皆様だと思います。

これからも大切に、工事させていただきたいと思います。

 

洗面所の床下の断面、こんなふうになっています。

左が現状 右が改修案です。ちょっと分厚くなります。